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【2023年版】おすすめ青春小説【ほろ苦くも輝いている】

こんにちは! ネイネイ(@NEYNEYx2)です。

思春期に抱く心の揺れ動くさまや日常における孤独感、瑞々しくもほろ苦い思い出、そんな誰しもが経験する想いの数々。

今回はそんな、ほろ苦さと爽やかさを味わえる作品の中から『2023年版おすすめ青春小説』をご紹介します。

まだ、読まれていない本があれば、これを機に読んでみてはいかがでしょうか。

 

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目次(タップできます)

学生もの青春小説

学生もの青春小説

『砂漠』伊坂幸太郎

あらすじ

入学した大学で知りあった5人の男女。何事にもさめた北村、軽薄で女好きの鳥井、不思議な力が使える南、大学一の美人の東堂、まっすぐで熱い西嶋。麻雀に合コンに明け暮れ、犯罪者だって追いかける。己の未熟さに苦悩し、それでも、なにかを求めて手探りで前へ進もうとする青春物語。

おすすめポイント

魅力にあふれた登場人物が、二度と振り返ることのできない時間を、全力で爽快に駆け抜けていく。「社会」という名の砂漠に打ち勝つ、大切なモノを贈ってくれる群像劇。

『桐島、部活やめるってよ』朝井リョウ

あらすじ

バレー部の頼れるキャプテンの桐島が、突然として退部した。そのことがきっかけで、同高校の生徒たちに小さな波紋のが広がっていく。

野球部ユーレイ部員、バレー部の補欠、ブラスバンド部、女子ソフトボール部、映画部。部活も校内での立場もまったく違う5人それぞれの日常に変化をもたらして…。

おすすめポイント

とある田舎の高校。バレー部のエースである桐島が部活をやめたことで、周囲の高校生たちの生活に少しずつ変化をあたえていく。同級生5人それぞれが抱える悩みや葛藤が、読み手の学生時代を呼びおこさせ心に響いてくる。

ひとりの退部から、浮き彫りになっていく17歳の生徒たちのリアルな心情が、瑞々しくも心を揺さぶる物語。

『蹴りたい背中』綿矢りさ

あらすじ

陸上部に所属する高校一年生のハツは、周囲から浮いている存在だ。彼女と同じようにクラスの余り者のにな川は、アイドルに夢中なオタク。あることがきっかけで交流をもつことになり、やがて気になる存在に。

愛しさよりも、いじめたい衝動よりももっと乱暴な、心の内からの叫び。臆病ゆえにふたりが向かう先は…。

おすすめポイント

うまくクラスに馴染めずにいる高校生のハツ。クラスで同じくはみ出た存在であるにな川と、ひょんなことで距離を縮めていくふたり。ちょっと息苦しくも繊細でいて、脆くもあるふたりの空気感が読み手の心を刺激してくる。

思春期のならではの繊細でいて複雑な心情を描いた、ふたりの微妙すぎる距離感に、青春の風を感じさせる物語。

『青い春を数えて』武田綾乃

あらすじ

親友ではあるけど、負けたくないのも事実。(「白線と一歩」)なんで姉ばかり注目されるの。もっと私も見て、と叫ばずにはいられない器用貧乏な妹。(「側転と三夏」)レールをはずれるのは怖いけど、息がつまりそうな毎日。(「漠然と五体」)

理想と現実のあいだで揺れ動く女子高生たちの心の葛藤を描いた短編集。

おすすめポイント

5人の女子高生たちの視点で語られる連作短編の本作。周りと比較して劣等感を感じたり、ルールに縛られた日常が嫌になり抜け出したい、そんな学生のころの悩みや辛さから、出口の見えない不安に押し潰されそうになる。誰しもが味わうリアルな感情に共感を覚えずにはいられない。

高校生活を送るながで、誰しもが密かに心に隠している思いに、共感でき心に刺さるものがある作品集。

『島はぼくらと』辻村深月

あらすじ

瀬戸内海の小さな島、冴島。高校3年生である朱里、衣花、源樹、新の4人は島の唯一の同級生である。フェリーで本土の高校に通っている彼らは、卒業と同時に島をでることになる。

あるとき、4人は冴島に「幻の脚本」を探しているという謎の青年に出会った。淡い恋心に友情、それに送りだす大人たちの覚悟。旅立ちの日はそこまで迫っていた…。

おすすめポイント

人口3000ほどの離島。小さな島ならではの人とのつながり、温かさや切なさに魅せられていく。また、島から送りだす側である大人の想いには感慨深いものがある。

4人だけの同級生である少年少女が、自分の将来を見据えて進んでいくさまは、爽やかでいて心地いい。

『本と鍵の季節』米澤穂信

あらすじ

利用者のあまりいない放課後の図書室で、図書委員の雑務をこなしながら、たわいもない話をしている堀川次郎と松倉詩門。そんな二人のもとに、彼らを頼って相談が持ち込まれ、さまざまな謎解きに巻き込まれていくのだが…。

男子高校生のふたりが日常の謎に挑む、爽快さの中にも、ちょっぴりビターな味わいのある6つの短編集。

おすすめポイント

堀川次郎と松倉詩門が、互いに足りない部分を補いながら謎解きをクリアに導いていく、ダブル探偵スタイルで描かれる。依頼をこなしていくうちに、松倉のちょっと複雑な家庭環境が見えてくるところも、一つの見どころになっている。

図書委員のふたりの高校生が挑む日常の謎に、爽やかさを感じつつも、ほろ苦さも体感させられる作品集。

『ヒトリコ』額賀澪

あらすじ

小学5年生のとき、クラスの金魚の死をきっかけに壮絶ないじめのターゲットとなる深作日都子(ひとこ)。その日から、みんなに属さない「ヒトリコ」として生きることを彼女は選んだ。そんな彼女の心の支えは、ピアノとピアノ教師の偏屈なキューばあちゃんだけである。

高校に進学したその場に、金魚を置いて転校した冬希の姿があった。まったく変わってしまった日都子の姿に驚きを隠せない冬希。しかし、その原因が自分の置いてきた金魚だとわかり…。

おすすめポイント

理不尽なことからいじめを受けた日都子は、他人と関わらない「ヒトリコ」として歩んでいく。あえて人と関わらない生活には、彼女の力強さとともに見え隠れする脆さ。学校という閉鎖空間における子どもたちの非情さや孤独感、葛藤には胸を締めつけられつつも、暗闇の先にあらわれる光に心を救われる。

思春期の子供たちの閉塞感や苦悩を描きながら、ヒトリコとして成長していく彼女の姿は、痛くて苦しくもあるが心に響くものがある物語。

『雨の降る日は学校に行かない』相沢沙呼

あらすじ

保健室登校をするナツとサエにとって、そこは唯一の楽園だった。しかし、サエが急に「自分のクラスに戻る」といったことで、唐突に終わりを迎えて。(「ねぇ、卵の殻が付いている」)早朝の教室で、手紙に毎日綴っていた架空の遺書。そんな手紙をたまたま人気者の同級生に見られてしまい。(「死にたいノート」)

学校生活のなかで感じる息苦しさと、女子中学生たちの繊細な心の動きを描いた、6つの連作短編集。

おすすめポイント

保健室登校、スクールカースト、いじめにと学校生活のなかで悩みを抱え、息苦しさを感じている女子中学生たち。そんな彼女たちの心情に胸を締め付けられるが、光を見いだしていく姿に、希望を感じさせ救われる。

閉鎖空間である学校になじめずにいる彼女たちの心にそっと寄り添う物語に、前向きな気持ちにさせてもらえる作品集。

 

スポーツもの青春小説

スポーツもの青春小説

『風が強く吹いている』三浦しをん

あらすじ

逃げるように夜道を駆け抜けていく蔵原くらはらかける。そんな彼の前に、見知らぬ男が声をかけてきた。「走るのは好きか」と…。男は清瀬きよせ灰二はいじと名乗り、竹青荘という古びた学生寮に導かれた。

竹青荘には、特異な才能をもつ住人たちが暮らしていた。そして、まさか蔵原を含めた10名で、「箱根」に挑むことになろうとは夢にも思ってもいなかった…。

おすすめポイント

学生寮の竹青荘ことアオタケの住人たち10人で目指すことになった箱根駅伝。ヘビースモーカーの「ニコチャン」、司法試験に合格した秀才の「ユキ」、クイズ番組好きの「キング」、田舎育ちの「神童」、にと個性あふれるメンバーを、灰二が手を変え品を変えてみんなを導いていく。自分の弱さを認め、仲間を信じて、「速さ」ではなく「強さ」を追い求めていく彼らに、胸を熱くさせられる。

10人の才能豊かなものたちが、壁にぶつかり限界に挑みながら成長していく姿は、眩しくも羨ましくもあり読み手の心を掴んではなさない。

『DIVE!!』森絵都

あらすじ

10メートルの高さからわずかな時間で、空中の演技の正確さと美しさをあらそう飛込み競技。そんな一瞬に魅了された少年たちの通う弱小ダイビングクラブは、経営難により存続の危機に陥っていた。

そして、新たにやってきた女コーチが告げたクラブ存続の条件は、オリンピック出場という驚くべきものだった。彼女のやり方に戸惑い反発をおぼえながらも、平凡な少年たちの熱い熱い戦いがいま、はじまった…。

おすすめポイント

1.4秒という短い時間で、すべてが決する飛込み競技。そんなダイブに魅せられた少年たちが、己のすべてをかけ勝負に挑んでいく。悩んだり挫折を味わいながらも、仲間たちと切磋琢磨することで成長していく彼らから、目が離せなくなってしまう。

オリンピックを目指して飛び込みにすべてを捧げる少年たちが、まぶしくも羨ましくもある物語。

『バッテリー』あさのあつこ

あらすじ

中学入学が迫った春休みに、父の転勤で岡山の県境の街に引っ越してきた原田巧。ピッチャーとしての己の才能を信じて、ストイックなまでにトレーニングに打ち込む巧だが、ときに冷酷に他者を切り捨てることもある。

そんな彼の前に、同級生の永倉豪があらわれ、バッテリーを組むことになった。豪はミットを構えながら、巧に本気の野球を申しでるが…。

おすすめポイント

天才肌でいてプライドも高いが、努力も怠らない巧。引っ越し先で、彼は豪とバッテリーを組むことになった。ひたむきに野球と向き合い、悩んで喧嘩もするが、お互いを認め合うふたりに、惹かれてしまう。

自分の力を信じて突き進むピッチャーと、バッテリーを組む豪の不器用でいて真っ直ぐなふたりの成長に、心を奪われてしまう作品。

『武士道シックスティーン』誉田哲也

あらすじ

宮本武蔵を心の師とし、3歳ではじめた剣道に邁進する磯山香織。中学最後の大会で、無名の選手であった西荻早苗に負けてしまった。

敗北の悔しさが頭から離れずにいる香織と、勝利にこだだわらずマイペースな早苗。性格のまったく違うふたりが、同じ高校に進学して剣道部で再会をはたすのだが…。

おすすめポイント

武蔵の「五輪書」を愛読する香織と、日本舞踊から剣道をはじめた早苗。剣道への考え方も性格もまったく正反対のふたりが、時にぶつかりながらも距離を縮めていく姿は、学生ならではの眩しさと清々しさを堪能できる。

剛の香織に、柔の早苗という、正反対のふたりが織りなす爽やかな武士道に、熱いものを感じずにはいらない物語。

 

ファンタジーもの青春小説

ファンタジーもの青春小説

『カラフル』森絵都

あらすじ

生前のあやまちにより、輪廻のサイクルから外れたぼくの魂。しかし、天使業界の抽選にあたり、もう一度チャンスをもらった。そして、ぼくは「小林真」という中学3年生の体にホームステイし、前世での悪事を思い出さなければいけなくなった。

ところが、ガイド役の天使からは、父親は自己中なヤツで母親は不倫中だと告げられる。気乗りしないホームステイであったが、よくよく周りを見渡してみれば、世の中そんなに単純じゃないことに気づいていき…。

おすすめポイント

再挑戦のチャンスを手にし、前世の罪を思い出さなければいけなくなった「ぼく」。生きていれば誰しも、あやまちを犯すことはある。とくに悩んで追い詰められたり、自分の世界にこもってしまうと、周りが見えなくなってしまう。

しかし本作では、人それぞれに個性があり決して1色ではなく、この世はもっと鮮やかに彩られていると、大切なことを教えてくれる。

いい加減な天使により与えられたチャンスに、今まで見えていなかったことに気づかされ、生きづらさを感じていた景色がまったく違ったことに心を救われる作品。

『鴨川ホルモー』万城目学

あらすじ

2浪のすえ京都大学に入学した安倍は、一目惚れした女性に近づくため「京大青竜会」という怪しいサークルに入会することに。しかしそのサークルは、鬼をあやつり戦わせる謎の競技「ホルモー」をする集まりだった。

鬼との契約の儀をへて、ホルモー道を邁進していく若者たち。そして、恋や友情、対抗戦にと、奇想天外なキャンパスライフを謳歌していくことになるが…。

おすすめポイント

レジャーサークルとおぼしき「京大青竜会」に加入した大学一回生の安倍。だがそこは、鬼を使役して戦う「ホルモー」なる競技をおこなう集団だった。若者たちが恋愛や友情に悩みながら大学生活を味わい尽くす姿に、ユーモアと甘酸っぱい青春を感じずにはいられない。

謎のサークルに入部したことで、繰り広げられる大学生たちの友情や恋愛、成長にと、青臭くも輝かしい青春に夢中にさせられる物語。

『四畳半神話大系』森見登美彦

あらすじ

薔薇色のキャンパスライフを夢見る、冴えない大学3回生の「私」。しかし現実はきびしく、実りなく2年間が過ぎていった。悪友である小津や、自由人の樋口師匠にかき乱されて、理知的でクールな乙女の明石さんに、なかなかお近づきになれない。

こんなことなら、ピカピカの1回生に戻って大学生活をやり直したい。4つの並行世界を駆け巡る、おかしくもほろ苦い青春ストーリー。

おすすめポイント

あわい期待を抱いていた大学生活だったが、満足いかぬ日々を送っている大学3回生の私。そんな私は、ありえたはずの2年間の大学生活を、4つの並行世界とともに語っていく。軽妙でいて京都の街を感じさせるストーリーに惹きつけられる。

憧れのキャンパスライフを送れずにいる私がさまよう、摩訶不思議な4つのパラレルワールドに、その独特な世界観に浸れる作品。

『時をかける少女』筒井康隆

あらすじ

ある日の放課後、誰もいない理科実験室でガチャンとなにかが割れる音がした。振り向いた芳山和子は、壊れた試験管からただよう甘い香りを嗅いで意識を失い、その場に倒れ込んでしまう。

そして、目覚めた彼女の周りでは、時間と記憶をめぐる奇妙な事件がいくつも起こりはじめた。思春期の少女が体験する、時をこえた不思議な世界に胸をときめかせる。

おすすめポイント

ひょんなことから、時間を自由に行き来できる力を手にした和子。そんな彼女が、さまざまな事件に巻き込まれていく。ミステリー性にわくわくさせられ、淡い恋に胸をときめかせ、なんとも言えぬ余韻を残していく。

時間と記憶をめぐる不思議な体験をしながら、思春期ならではの甘酸っぱさと、切なさがギュッと詰まったタイムループものを味わえる不朽の名作。

 

感動もの青春小説

感動もの青春小説

『君の膵臓をたべたい』住野よる

あらすじ

高校生の僕は、病院でたまたま拾った「共病文庫」なる文庫本。それは、クラスメイトである山内桜良が綴っていた秘密の日記帳であった。なかには、彼女が肝臓の病気であり、余命いくばくもないことが記されていて…。

「名前のない僕」と「日常のない彼女」のふたりが紡ぐ、青春小説。

おすすめポイント

日記を拾ったことで、接点のなかった2人が関わりだし主人公の僕は、桜良に振り回されてしまう。病気であるはずなのに、無邪気に駆けまわる日々を過ごす桜良についつい余命が残り少ないことを忘れる。

しかし、着実に迫ってくるそのときが、切なくもあり、現実の非情さが深く心に刻まれるとともに、生きることの大切さを伝えているようでもある。

性格のまったく正反対の2人が出会い、迫りくるそのときまで今を謳歌して生きていく姿に、胸をふるわせる物語。

『蜜蜂と遠雷』恩田陸

あらすじ

若いピアニストたちの登竜門として世界的にも注目される芳ヶ江国際ピアノコンクール。

養蜂を生業とする父と移動生活をし、自宅にピアノを持たない16歳の少年・風間塵。かつて天才少女といわれたが母の死を境に、ピアノから離れていた20歳の栄伝亜夜。楽器店に勤務するサラリーマンで妻子持ちである、28歳の高島明石。完璧なまでの演奏技術と音楽性を兼ね備えて、優勝候補とされる19歳のマサル。

若き才能たちによる、熱き闘いの幕が上がる…。

おすすめポイント

ピアノコンクールに懸ける、それぞれが抱えている想いや葛藤に引き寄せられ感情移入させられる。また、本作の魅力の一つとなっている演奏シーン。文字として描かれているのに、ピアノが奏でる音をまるで読者もホールで聴いているかのごとく興奮させられる。

国際ピアノコンクールに挑んでいく、若き才能のピアニスト4人たちの姿に、音楽の世界にいざなわれ心を揺さぶられる物語。

『小説の神様』相沢沙呼

あらすじ

学生で作家デビューしたが、作品は酷評されて売り上げも振るわずにいる高校生の千谷ちたに一也いちや。そんなとき、編集者の提案により人気作家との小説の共作をすることに。

その人気作家とは、同じ学校に転校してきた小余綾こゆるぎ詩凪しいなであった。まったく正反対のふたりが反発しあいながらも物語を紡いでいくうちに、一也は詩凪が抱える大きな秘密を知ることになるが…。

おすすめポイント

作品が売れずに自分を見失いつつある千谷一也。一方で、人気作家として注目され、クラスでも人気者の小余綾詩凪。そんな一也と詩凪のふたりが、壁にぶつかり思い悩みながらも、物語を綴ることに情熱を傾けていく姿に魅せられてしまう。

作家の厳しい実情を訴えかけながら、「どうして小説を書くのか」という問いに真摯に向き合いつつ、前に進んでいこうとする2人に、胸を熱くさせる物語。

『線は、僕を描く』砥上裕將

あらすじ

2年前に両親を交通事故で亡くし、自分のカラに閉じこもってしまった大学生の青山霜介。絵画展示の搬入作業のバイト先で、日本を代表する芸術家の篠田湖山と出会い、どういうわけか気に入られ内弟子にされてしまう。湖山の孫の千瑛は、それに反発し、翌年の「湖山賞」をかけて霜介と勝負するという。

霜介は、はじめての水墨画に戸惑いつつも、線を描くことで、人と自然との繋がり、生きることの意味を見いだしていく…。

おすすめポイント

喪失のなか将来に希望を見いだせず淡々とした日々を過ごしていた青山霜介。哀しみと孤独の中でもがいている主人公が、「水墨画」をとおして人びとに触れ、線を描くことに魅せられていく。閉ざしていた自身の内側の世界から、外の世界に飛び立とうとする姿には大きく心を揺さぶられる。

孤独にあった青年が、水墨画の線を描くことに魅せられ、自らの人生を再生していく姿は、美しくも心を癒される物語。

『きみの友だち』重松清

あらすじ

事故に遭って足の不自由な恵美ちゃんと生まれつき病弱な由香ちゃんは、ある事件がきっかけでクラスの誰とも付き合わなくなった。学校の人気者であるブンちゃんは、なんでもできる転校生のモトくんの存在がなんとも面白くない。

優等生にひねくれた奴、弱虫に八方美人。それぞれの物語が紡ぎだす「友だち」のほんとうの意味をさがす。

おすすめポイント

事故により左脚が不自由になった恵美と病気がちの由香は、クラスで孤立し2人だけの関係を築いていく。登場人物は、それぞれに不安と悩みを抱えながらも、自分なりの答えを見いだし前に一歩踏みだす。その姿が、心に沁みてくる。

学校という狭い世界がすべてである生徒たちが、もがきながら成長していくさまに、友だちの本当のあり方に気づかせてくれる作品集。

『聖の青春』大崎善生

あらすじ

幼くして難病をわずらい病気と闘いつづけ、名人を目指して将棋にすべてを捧げた天才棋士・村山聖。将棋界の最高峰A級に在籍したまま終えた、熾烈でいて純粋なまでに情熱を注いだ29年の生涯。

「東の羽生、西の村山」と称されながらも、名人への夢半ばで倒れた「怪童」の歩んだ道を、師弟愛、家族愛、ライバルたちとの交流を通して語られる感動のノンフィクション。

おすすめポイント

腎臓の難病であるネフローゼにおかされながら、将棋で名人になることを目指し続けた村山聖。強烈な個性をはなつ彼の周りには、自然と仲間たちが集まり支えとなる。思うように動かぬ体で、まっすぐな想いを持ちひたむきに将棋に打ち込んでいく棋士の生きざまに、心を打たれる。

最期のときまで将棋のことを考えて、名人になる夢を追いかけた男の壮絶な人生に、心を揺さぶられる物語。

『永遠についての証明』岩井圭也

あらすじ

天才的な数学の才能を持っている三ツ矢瞭司。特別推薦によって協和大学の数学科に入学し、類まれな才能は周囲を驚かせていった。そんな彼は、同期で特別推薦生でもある熊沢勇一と斎藤佐那を惹きつけ、3人は共同で数学にひたすら挑む日々を過ごす。だが、瞭司の抜きんでた才能はやがて、周囲の人間関係を歪ませていき、徐々に彼は深い闇にのまれていく。

出会いから17年後、孤独に苛まれ亡くなった瞭司が遺した研究ノートを手にした熊沢は、そのなかに未解決問題「コラッツ予想」の証明と思われる記述があることに気づく。贖罪を胸に抱える熊沢は、このノートと向き合っていこうとするのだが…。

おすすめポイント

純粋に数学が好きで才能にも恵まれ、それを生きがいに過ごしていた三ツ矢瞭司。しかし、突出しているがゆえに周りに理解されず、ときに嫉妬や偏見の眼差しを向けられる。天才だからこその苦悩と孤独を見せつつも、文章で描きだす数学の証明の美しさと熱量に、数学に興味のない読者までも魅了していく。

数学の天才だからこその葛藤と、彼に魅せられし人びとの友情や嫉妬、後悔にと、切なくも眩しくもある彼らに胸を熱くさせられる物語。

『いなくなれ、群青』河野裕

あらすじ

ある日、目を覚ますと階段島という奇妙な場所にいた七草。この島にいる人びとは過去の記憶を持たず、誰もここに来た理由を知らない。特に気にすることなく、のどかな高校生活を過ごしていた七草だったが、どこまでも真っ直ぐな少女・真辺由宇と出会いすべての状況が一変していく。

島でおきる連続落書き事件、そこに秘められた謎。自分の存在に、彼女にたいして、彼は疑問を抱いていき、やがて真実が見えてきて…。

2年ぶりに再開した七草と真辺由宇、そこから止まっていた時間が動きはじめる。島に隠された秘密を追いながらも、思春期の揺れ動く心を描きだし、成長していく過程で自分自身が失ってきたものを問いかけてくる。

悲観的な主人公と、どこまでも純粋な少女が不思議な島で過ごす日々に、切なくもあるが爽やかさも感じられる作品。

 

まとめ

どうですか、気になった書籍は見つかりましたか?

この記事を通して、少しでもあなたの読書生活が有意義なものになったら幸いです。

それでは、まったです。 (‘◇’)ゞ

 

おすすめ青春小説 まとめ

学生もの青春小説 スポーツもの青春小説 ファンタジーもの青春小説 感動もの青春小説

砂漠 (実業之日本社文庫)

『砂漠』
伊坂幸太郎

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桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)

『桐島、部活やめるってよ』
朝井リョウ

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蹴りたい背中 (河出文庫)

『蹴りたい背中』
綿矢りさ

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青い春を数えて (講談社文庫)

『青い春を数えて』
武田綾乃

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島はぼくらと (講談社文庫)

『島はぼくらと』
辻村深月

Kindle: Audible: 

本と鍵の季節 (集英社文庫)

『本と鍵の季節』
米澤穂信

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ヒトリコ (小学館文庫)

『ヒトリコ』
額賀澪

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雨の降る日は学校に行かない (集英社文庫)

『雨の降る日は学校に行かない』
相沢沙呼

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風が強く吹いている (新潮文庫)

『風が強く吹いている』
三浦しをん

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DIVE!! 上 (角川文庫)

『DIVE!!』
森絵都

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バッテリー (角川文庫)

『バッテリー』
あさのあつこ

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武士道シックスティーン (文春文庫)

『武士道シックスティーン』
誉田哲也

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カラフル (文春文庫)

『カラフル』
森絵都

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鴨川ホルモー (角川文庫)

『鴨川ホルモー』
万城目学

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四畳半神話大系 (角川文庫)

『四畳半神話大系』
森見登美彦

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時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)

『時をかける少女』
筒井康隆

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君の膵臓をたべたい (双葉文庫)

『君の膵臓をたべたい』
住野よる

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蜜蜂と遠雷(上) (幻冬舎文庫)

『蜜蜂と遠雷』
恩田陸

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小説の神様 (講談社タイガ)

『小説の神様』
相沢沙呼

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線は、僕を描く (講談社文庫)

『線は、僕を描く』
砥上裕將

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きみの友だち (新潮文庫)

『きみの友だち』
重松清

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聖の青春 (角川文庫)

『聖の青春』
大崎善生

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永遠についての証明 (角川文庫)

『永遠についての証明』
岩井圭也

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いなくなれ、群青 (新潮文庫nex)

『いなくなれ、群青』
河野裕

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この記事を書いた人

30代の元開発エンジニア。本の書評多め(ミステリ、ファンタジー、気になった本を読む雑食系)。現在は、自由な働き方で生活していけるように、日々の『喜び・怒り・悲しみ・楽しみ』を書きつづっています。

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