こんにちは! 双子の絆が羨ましいと思ったネイネイ(@NEYNEYx2)です。
今回は、AXより1年ぶりの新作となる伊坂幸太郎さんの『フーガはユーガ』を読みましたので、あらすじや感想・レビューをご紹介します。
恵まれない環境ながら、それに抗い乗り越えようとする、双子の切なくも温かみのある物語を味わってみてはになってはいかがでしょうか。
『フーガはユーガ』伊坂幸太郎【あらすじ&概要】
あらすじ
兄である常盤優我は仙台市内のファミレスで、一人の男にたいして語りだす。父親からの容赦ない暴力にあった子供時代のこと。一瞬見ただけでは顔の区別がつかない、双子の弟の常盤風我のこと。そして、兄弟の秘密である特別な「アレ」のことが語られていく…。
おすすめポイント
常盤兄弟の小学時代から大人になるまでのできごとが語られ、事件の全容がみえてくる。
不幸に見舞われながらも、二人で耐え運命に逆らおうとする姿に温かみと力強さを感じる。
主要な登場人物
- 常盤優我・・・兄。勉強が得意であり、落ち着いた性格である。
- 常盤風我・・・弟。運動神経がよく元気であるが、無鉄砲な性格である。
瞬間移動
双子の常盤優我と風我には特殊な能力があった。 誕生日にだけおこる現象なのだとか。
そして、その日、二時間ごとに瞬間移動、瞬間的な入れ替わりは発生したのだ。
(P28より)
年に一度の誕生日に優我と風我は2時間おきに瞬間移動して、お互いが入れ替わるのだという。
二人の距離がたとえ離れていても入れ替わってしまうので、こんな能力があれば海外旅行に一人分の料金で行くこともできてしまいますね。
まあ、2時間ごとという制約はついてしまいますが……。
おなじみの仕草
優我と風我には二人だけの「おなじみの仕草」がある。
風我が、握った拳の親指を立て、軽く、くいくいと振った。
おなじみの仕草だ。(P28より)
「頼む」「頼んだぞ」「任せた」といった意味なのだとか。
刑事ドラマでも犯人を追い詰めるシーンで、二人組の刑事が相棒に「お前はあっち、俺はこっち」と手で合図をする場面をみかける。
信頼関係が築かれていると、口に出さなくても意思疎通がおこなえるものなのだと感じてしまう。
隙ができる
はじめて双子の優我と風我を見るものは必ずあることをしてしまうのだ。
「でな、さっきの男もそうだったけど、俺と優我が並んでいると、顔を交互に見ちゃうんだ。俺を見て、優我を見て、それからまた俺を見て、顔を確認しちゃうんだ」
「だろうね」よく見かける動きだ。あれ、こいつとこいつ同じ顔? と見直してしまう。
「そこに隙ができる」(P91~92より)
芸能人にも見分けのつかない双子の方がいますが、そんな人が目の前に突然あらわれたら見比べちゃいますよね。
トラブルに巻き込まれたときは、この一瞬の隙を生かさない手はない。
「先手必勝」とはよくいったものですが、まさにこの隙をつければ優位になることは間違いなしですね。
感想・レビュー
貧しい環境で育ち、父親の暴力に怯え、母親には見て見ぬふりをされる。 二人でじっと耐え忍ぶ日々。 辛いことも、苦しいことも、二人で力をあわせて乗り越えてきた。
同じように虐げられている者に自分たちを重ね合わせ助けようとする。 その姿はまるで弱者の味方をするヒーローのようでもある。
理不尽なことの多い現代社会において、苦難に立ち向かい抗える双子の兄弟に魅せられる。
まとめ
双子の兄弟が不運に二人の力で立ち向かい抗う物語。
他人より辛い境遇で育った双子が困難に立ち向かう姿に魅せられてはどうでしょうか。
それでは、まったです。 (‘◇’)ゞ
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