こんにちは! ネイネイ(@NEYNEYx2)です。
ブラックユーモアあふれる作風で、社会風刺から実験的な作品まで、幅広いジャンルを手掛ける、日本を代表するSF作家。
今回はそんな、筒井康隆さんの本の中から『おすすめ小説』をジャンル別にてご紹介します。
まだ、読まれていない本があれば、これを機に読んでみてはいかがでしょうか。
筒井康隆おすすめ小説【ジャンル別】
筒井康隆さんは、1934年9月24日生まれの大阪府出身。
小松左京、星新一と並んで「SF御三家」と称されており、パロディやブラックユーモアな作風を得意としている。
自由な発想から幅広い生みだし、実験的小説や難読な作品もある。
SF小説
『時をかける少女』
あらすじ
ある日の放課後、誰もいない理科実験室でガチャンとなにかが割れる音がした。振り向いた芳山和子は、壊れた試験管からただよう甘い香りを嗅いで意識を失い、その場に倒れ込んでしまう。
そして、目覚めた彼女の周りでは、時間と記憶をめぐる奇妙な事件がいくつも起こりはじめた。思春期の少女が体験する、時をこえた不思議な世界に胸をときめかせる。
おすすめポイント
ひょんなことから、時間を自由に行き来できる力を手にした和子。そんな彼女が、さまざまな事件に巻き込まれていく。ミステリー性にわくわくさせられ、淡い恋に胸をときめかせ、なんとも言えぬ余韻を残していく。
時間と記憶をめぐる不思議な体験をしながら、思春期ならではの甘酸っぱさと、切なさがギュッと詰まったタイムループものを味わえる不朽の名作。
『旅のラゴス』
あらすじ
高度な文明を誇っていた星から移住したこの地。人びとは機械を直すこともできず、文明はわずか数年で原始に戻ってしまった。しかしながら、代償として超能力を身に宿すようになった。
この地をひたすら旅する男ラゴス。集団転移、壁抜けなどの経験をし、奴隷の身になりながらも、旅を続けていくラゴスの目的とはいったい…。
おすすめポイント
人生をかけて長い長い旅を続けるラゴスという男。旅のなかで、さまざまな人びとに出会い、不思議な体験を繰り返していく。読み手もラゴスとともに旅をしている気分にさせられ、人生の浮き沈みを一緒に感じることができる。
生涯をとおして旅を続ける男の人生に、自然と心惹かれていく作品。
『パプリカ』
あらすじ
精神医学研究所で働いている千葉敦子は、ノーベル賞に最も近いとされるサイコセラピストだ。しかし、彼女には秘密にしているもう一つの顔があった。他人の夢とシンクロして、無意識の世界へと侵入する夢探偵パプリカ。
そして今、人格の破壊すらできてしまう、最新の精神治療テクノロジー「DCミニ」をめぐる争奪戦がはじまった。現実と夢が交錯した極限のすえに、未体験ゾーンへと突入し…。
おすすめポイント
精神医学の優れた研究者である千葉敦子には、他人の夢に入って精神治療をおこなう夢探偵パプリカという別の顔がある。そして、新たな装置「DCミニ」をきっかけに、不可解なことがおこりはじめた。夢と現実の境目があいまいになり、混沌としたなんとも言えない感覚を味わう。
夢と現実が入り乱れる不思議な世界に、想像力を掻き立てられ、ページをめくる手を止められなくなる物語。
ミステリー小説
『ロートレック荘事件』
あらすじ
ロートレックの作品に彩られた、郊外の瀟洒な洋館「ロートレック荘」に集まりし青年たちと美貌の娘たち。夏の終わりに数日間の優雅なバカンスを送るはずだった。
だが、2発の銃声が響きわたり惨劇がはじまった。犯人は部外者か、それとも邸内の誰かなのか。疑心暗鬼のなかで、1人また1人と美女が殺されていく…。
おすすめポイント
夏の終わり、別荘に集まった才能あふれる青年たちと美女たち。ひとときの休息を送るはずが、発砲音によって事態が急変する。物語が進むなかで、ところどころ違和感を感じながらも読み進め、やがて違和感の正体に気づいたときハッとさせられてしまう。
ロートレックの絵画で彩られた洋館で繰り広げられる事件に、犯人を探しつつも、仕掛けられたトラップにしてやられてしまう物語。
『富豪刑事』
あらすじ
愛車のキャデラックを乗り廻し、高級なハバナ葉巻を愛用する「富豪刑事」と呼ばれる神戸大助。迷宮入りとされた五億円強奪事件を、密室殺人事件や誘拐事件を湯水のように金を使って解決へと導いていく。
靴底をすり減らして聞き込みをする刑事の常識をくつがえし、万能である金の魔力を巧みにあやつり難事件に挑む。
おすすめポイント
大富豪の息子である、刑事の神戸大助。ケタ外れの財力にものを言わせて、思いもよらぬ捜査方法でさまざまな難事件に挑んでいく。著者の遊びが効いたユーモアさと、ウィットに富んだ展開に筒井ワールドを感じさせる。
大金持ち刑事の富豪ならではの奇抜でぶっ飛んだ捜査に、ひと味違ったミステリーを堪能できる作品集。
実験的小説
『残像に口紅を』
あらすじ
「あ」が使えなくなると、「あなた」も「愛」も消えてしまった。この世界から、一つまた一つ、ことばがなくなっていく。愛するものを失うのは、こんなにも哀しい。
ことばが消滅するなかで、音がなくなっても物語は紡がれていく実験的小説。
おすすめポイント
1章ごとに使える「音」が消えていく世界。50音のことばが、ひとつずつ失われながらも物語は紡がれる。次第にものや人が失われ、なんとも言えぬ哀しみと虚無感を生みだしていく。音が減っても少ない文字で、最後まで表現するそのさまは、感嘆しかない。
ひとつずつ失われていく音に、他では味わえない不思議な読書体験を堪能できる作品。
ショート・ショート集
『笑うな』
あらすじ
せっかく苦労して、タイム・マシンを発明したのに…。(「笑うな」)空飛ぶ円盤と遭遇して、慌てふためくSF作家をシニカルに描く。(「ベムたちの消えた夜」)
スラップスティックでいて、ブラックな味わいを堪能する34編のショート・ショート。
おすすめポイント
20ページに満たない短さで、奇想天外な世界が広がっている。笑えるものから、ナンセンスでいてブラックなものまで、著者ならではのアイデアがあふれている。
あふれんばかりの奇天烈な発想の数々、ブラックユーモアが散りばめられたショート・ショート集。
エッセイ集
『創作の極意と掟』
あらすじ
作家の描くものに必ず生じる「凄味」とは。また、色気をただよわせた人物や文章とは一体。それら、作品を構成するうえで必須の31項目を徹底解説する。
小説という作品のなかで、読者の想像力を凌駕する手法と技術を試してきた著者が、書き記したまったく新しい小説の作法。
おすすめポイント
自らが「作家としての遺言」という、著者のこれまでの技術と手法をまとめた指南書。物語を創作するための、「凄味」「色気」「迫力」といった31の項目にわけて文章の書き方を解説している。小説家を目指していなくても、読書をする上での視野を広げてくる。
創作についての極意と掟を、わかりやすく解説したエッセイ集。
シリーズ小説
「七瀬」シリーズ
『家族八景』『七瀬ふたたび』『エディプスの恋人』の3作がシリーズ作品。
『家族八景』
他人の心をすべて読み取ってしまうテレパシー能力をもつ、18歳の少女である七瀬。彼女は住み込みのお手伝いさんとして、さまざまな家庭を転々とする。
人の心理に深く入り込み、なんてことない日常を過ごす小市民の猥雑な心を浮かび上がらせる。仮面をかぶった家族たちの裏側を垣間見ることのできる、8つの短編集。
人の心を読むことのできる少女の七瀬。お手伝いとして八軒の家を移り住むなかで、どす黒い人の感情をあらわにし、虚偽だらけの心をあぶりだしていく。また、自身の能力を悟られないように振る舞いながらも、若さゆえの彼女の行動にも興味深くもある。
平穏と思える家族たちの心にふれ、おぞましくも哀しい世界をのぞき見することになる作品集。
まとめ
どうですか、気になった書籍は見つかりましたか?
この記事を通して、少しでもあなたの読書生活が有意義なものになったら幸いです。
それでは、まったです。 (‘◇’)ゞ
筒井康隆おすすめ小説 まとめ
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