こんにちは! 魔法の言葉を手に入れたネイネイ(@NEYNEYx2)です。
今回は、「海に降る」が2015年に有村架純さん主演でドラマ化された、朱野帰子(@kaerukoakeno)さんの『対岸の家事』を読みましたので、あらすじや感想・レビューをご紹介します。
育児と家事の毎日に悩んでいる人、仕事と家庭の両立に苦戦しているなら、本書を手に取ってみてはいかがでしょうか。
『対岸の家事』朱野帰子【あらすじ&概要】
あらすじ
どうしてこんなに大変なんだろう?
家族のために「家事をすること」を仕事に選んだ詩穂。娘とたった二人だけの、途方もなく繰り返される毎日。
幸せなはずなのに、自分の選択が正しかったのか迷う彼女のまわりには、性別や立場が違っても、同じく現実に苦しむ人たちがいた。
誰にも頼れず、いつしか限界を迎える彼らに、詩穂は優しく寄り添い、自分にできることを考え始める—。(「BOOKデータベース」より)
おすすめポイント
時代の移り変わりとともに働き方が変化し、それにともなって育児や家事のあり方も変わりつつある現代が直面している家庭の問題がにょじつに描かれている。
家庭が違えば仕事や育児のしかたも考え方も違う。誰が正しくて、誰が間違っているではなく、それぞれの家族に合うかたちを模索することが重要なのではないかと訴えかけられる。
絶滅危惧種
村上志穂は、二つのことが同時にできないことから専業主婦になることを選んだ。 そのことで周りのワーキングマザーから「絶滅危惧種」と揶揄されてしまう。
ただ本書を読み進めれば、専業主婦がいけないというのではなく、専業主婦にも、ワーキングマザーにも、それぞれ悩みは存在し、助け合うことのできる環境を築くことの大切さを考えさせられる。
ゆっくり、ゆっくり
村上志穂が母親から教わった魔法のような言葉それが「ゆっくり、ゆっくり」というものがあります。
あなたは不器用だけれど時間をかければできるようになる。 母はいつもそう言っていた。
(P7より)
現代社会において時間におわれた生活をしている人がほとんどなのではないでしょうか。
朝の通学や通勤、朝や昼の食事、買い出し、仕事の締め切り、それらに急いでいるときこそ、ゆっくりを心掛けることでケアレスミスを減らしたり、何気ないことにも気づける「心のゆとり」が必要なのではと感じさせる。
無理ゲー
仕事と育児の両立の大変さを聞いた職場の後輩がいった「無理ゲーだな」は印象深かったです。 無理ゲーの説明は下記のようになっています。
「ルール設定がめちゃくちゃだったり、厳しすぎたりして、誰もクリアできないゲームのことです。ファミコン初期のころに出回ったんです。お年玉を貯めて買ったのがそれだったりすると腹立って、ゲーム会社に電話したこともありますよ。クソゲーとも言います」
(P103より)
仕事をしながらの保育園の送り迎え。 小さい子供の熱や病気での面倒におわれる日々。
少子化と叫ばれて、企業の人材も手薄になっているにも関わらず、働きやすい環境はまだまだ不足しているのが伝わってくる。
感想・レビュー
毎日同じことの繰り返しの家事。 意思の疎通がとれず、あたふたしてしまう育児。 そんな日々に、一人で悩んで解決策を見いだせずに、ギリギリの所まで追いつめられる人々。
それは誰にでも起こりえることで、とくだん不思議なことではない。 完璧でなくていい。 手を抜いてもいい。 周りに助けを求めてもいい。
うまくできなくても、一つ一つ、ゆっくりでいいからと教えてもらえる、そんな作品でした。
まとめ
家事や育児に奔走して疲弊しつつも現実と向き合っている、そんな人々のリアルな日常を描いた物語。
育児に頭を悩ませているのなら、本書で同じような悩みを抱えた人々の物語をみてはどうでしょうか。
それでは、まったです。 (‘◇’)ゞ
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