こんにちは! 爽快な気分のネイネイ(@NEYNEYx2)です。
今回は、池井戸潤さんの『空飛ぶタイヤ』を読みましたので、あらすじや感想・レビューをご紹介します。
社会で日々の荒波にもまれて孤独に闘っているあなたに読んでいただきたい一冊です。
『空飛ぶタイヤ』池井戸潤【あらすじ&概要】
あらすじ
本書は2004年におきた、三菱自動車のリコール隠しを題材にした作品になっております。
ある日起きたトラックの脱輪事故をきっかけに「赤松徳郎」の運送会社が整備不良を疑われてしまう。
次第に明らかになっていく大企業の闇に、中小企業の社長が周りからの批判をあびながらも自分の信念を貫き闘いを挑む物語になっています。
本作の特徴
最初はこの本が三菱の事件を題材にしていると知らずに読んでいたのですが、すぐにそれに気づき「こ、これってあれのことじゃ……。」と。
元々、自分はこの本にでてくる「沢田悠太」と同じように研究開発にたずさわるエンジニアだったこともあり、この題材の2004年の事件も知っていました。
まだ入社して数年がたった駆け出しの頃だったので、このニュースに衝撃を受けた覚えがあります。
その当時はまだ若かった事もあり、右も左もわからなかったからそう感じたのだと思います。
本の中に下記の記述があります。
一つの社名の下、様々な部門がお互いの利益を確保するためにしのぎを削り、権謀術数からみあっているのがこのホープ自動車の体質なのである。
(P172より)
会社に長年勤めていると、次第にまかされる仕事の中身が他部署との整合に変化していき、自分の部署の代表として仕様を製品に反映しなくてはいけなくなります。
そこでの仕様反映の度合いが良ければ、会社内での部署の評価が高まり、しいては自分の評価につながるので毎回お互いの部署が衝突しあっている状態に必然的になっていきます。
もし仕様反映が悪いモノなら上司からの叱責が飛ぶ、最悪の場合は担当から外される。精神力が弱ければウツになり、やがては会社に来なくなる。
そんな環境を生き抜くのは果たして善人なのか、いやいや、本書の中にでてくる悪人とまではいかないまでも、本音と建前を使い分ける二枚舌しかいないことに気づく。
この読んでいて「あ、それある。ある。」と思う箇所が多かったです。
著者の池井戸さんは「元三菱銀行」で働いていたこともあり、大企業における内部のあり方とくに、大企業内の勢力抗争、部門同士の駆け引き、出世のために邪魔者を崖から蹴落とすさまなど、とてもリアリティが高いように思います。
そして、次第にこの本に引き込まれていく。池井戸作品の特徴でもある「正義感の塊の上司」に会社に不満や疑問を抱えているあなたが読めば胸が熱くならないわけがない。
700ページもありボリューム満点でが、読み終わった時に心がすがすがしい気持ちになれる作品でした。
三菱自動車の黒歴史
現実の世界で繰り返される不正の歴史を知ると、より本書に魅せられていきます。
年月 | 内容 |
2000年7月 | 三菱自動車工業の乗用車部門、トラック・バス部門の大規模リコール隠し |
2002年1月 | 横浜母子3人死傷事故 |
2004年5月 | 三菱のトラック・バス部門のさらなるリコール隠しにより逮捕者がでた |
2016年4月 | 三菱自動車工業の燃費データ不正問題 |
まとめ
「何のために仕事してるんだっけ?」と悩んでいるそこのあなた、この本を読んで爽快な気分になってみてはどうでしょうか。
2018年6月15日から映画がはじまるようですので、そちらもチェックですね。
それでは、まったです。 (‘◇’)ゞ
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「空飛ぶタイヤ」の映画の記事をコチラ(↓)で紹介していますので会わせてどうぞ
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