こんにちは! ものづくりにかける熱い魂をみたネイネイ(@NEYNEYx2)です。
今回は、半沢直樹シリーズや「空飛ぶタイヤ」で有名な、池井戸潤さんの『下町ロケット ヤタガラス』を読みましたので、あらすじや感想・レビューをご紹介します。
日本の農業を題材にした、大企業vs中小企業のエンターテインメントを味わってみてはどうでしょうか。
『下町ロケット ヤタガラス』池井戸潤【あらすじ&概要】
あらすじ
「宇宙(そら)から大地へ」。準天頂衛星「ヤタガラス」が導く、壮大な物語の結末は…。
(「BOOKデータベース」より)
おすすめポイント
前作の「下町ロケット ゴースト」の後編にあたる部分が描かれています。 今作は農業をメインとして語られており、農業の実態と課題がテーマになっている。
そこに、ものづくりがどう関わっていけるのか、またそれら、ものづくりに携わる研究・開発者が「大切にすべき想い」を考えさせられ、それが会社が存在する意味なのでは? と問うているようでもある。
登場人物
登場人物をまとめましたので、物語を読むさいにお役立てください。
無人農業ロボット
準天頂衛星ヤタガラスの打ち上げにより、GPSで今まで10メートルほどあった誤差が、数センチまでに縮まったとのこと。 これにより可能になるのが「無人農業ロボット」なのだとか。
「田植機、トラクター、コンバイン。いままで人が操縦してきた農機具を無人の自動運転で操作できるようにする。誤差数センチの測定システムを使えば、人と同様、むしろそれ以上に正確な農作業が実現できます」
(P34より)
日本の農業は後継者不足や高齢化が進み、にない手が減っているのが現状です。 これらを打開するのに期待させているのが、無人で自動運転できる農業ロボットなんですね。
こういった「AI技術」が労働者の負担を軽減する時代は、もうすぐそこまで来ているんですね。
リバースエンジニアリング
リバースエンジニアリングとは、他社製品を分解し、構造や技術を検証する作業のことだ。
(P300より)
これをおこなうことで、自社製品の弱点を見つけだして改良のヒントを得ようとします。 部品の厚み、重さ、材料、結合箇所など様々なことを検証できます。
また本書にはありませんが、部品によっては3D計測器をもちいて、部品の表面にレーザーを当て形状を読み取り、データとしてコンピューターに保存し、それを設計や解析に役立てるといった技術も存在しています。
このように各社が日々、技術やコストを少しでも良いモノにしようと努力して、しのぎを削っている姿が描かれているのはリアリティーがあっていいですね。
世間の評価
今作の面白さのポイントになっているのが「世間の評価」です。 商品は作って終わりではなく、消費者に買ってもらわないといけません。
商品を作る側の人間と、それを買う側の人間の価値観の違いがうまく表現されていて、ものづくりの難しさが伝わってきます。
商品を買うときに自分だったら、デザイン? ブランド? 安さ? 新技術の有無? 口コミ? など、なにを重要視するのかを思い浮かべながら読むのも楽しいですよね。
感想・レビュー
中小企業vs大企業の構図はあるものの、佃製作所の立ち位置が今までの作品とは少し様子が違い、これにより「アレ、この後どういう展開になるの?」っと思わせ、続きが気になりページを次々にめくってしまう。
「正義」と「悪」の対立も複雑になり、そこにビジネス要素の販売戦略、消費者の目、政府の介入といったところが加わり物語を面白くしている。
ビジネス、商品開発に関わる人たちが、決して忘れてはいけないことがギュッと詰まった物語になっている。
まとめ
日本の農業の未来を変えようとする人々と、ものづくりの奥深さを知れる物語
会社の存在意義に疑問をいだいたなら、この作品でそれを確かめてみてはいかがでしょうか。
2018年10月14日(日)よる9時からTBSで放送される、日曜劇場『下町ロケット』も楽しみですね。
それでは、まったです。 (‘◇’)ゞ
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