こんにちは! 最近泣かされてばっかりのネイネイ(@NEYNEYx2)です。
今回は、2014年「牛家」で第21回日本ホラー小説大賞佳作に入選した、岩城裕明(@hiroaki_iwaki)さんの『呪いに首はありますか』を読みましたので、あらすじや感想・レビューをご紹介します。
この表紙を見てあなたは何を想いますか? そうですね普通は、「恐怖」「嫌悪感」「不快感」ですよね。 ただ、本書を読んだ後でもう一度この表紙を見れば、まったく違う感情を抱くはずです。
本書を読み終えた自分の感情は、「親しみ」「いとおしさ」「優しさ」です。 だって、それは「〇〇に抱く感情」なのだから。
『呪いに首はありますか』岩城裕明【あらすじ&概要】
あらすじ
久那納家に生まれた長子は、みな三十歳までに死ぬ。
二十八歳の久那納恵介は、自称「心霊科医」として相棒の墓麿とクリニックを営んでいる。
残留思念体=幽霊を「ワクチン」として集めることが代々続く呪いを解く唯一の方法だという。
多種多様な「患者」を助け、解呪を目指す二人だが…。(「BOOKデータベース」より)
おすすめポイント
表紙のインパクトが大きいだけに「火のないところに煙は」のような怖い話なのかと想像していましたが、まったく違ってました。
どちらかというと探偵ものスタイルで、依頼を受けた内容を解決するかたちになっています。
心霊科医
日本で唯一の心霊科クリニックを営んでいて、心霊現象に悩んでいる人を助けることで「ワクチン」を集めています。(ホントにそのようなものが実在していたら、ぜひ取材してみたいものです。)
ただし、医師免許を持っているわけではないので、あくまで「自称心霊科医」だそうです。
相関図
本書の中にでてくる設定はコチラ(↓)のようになっています。
この設定がキチンとしているので、内容がわかりやすく、本書内でも丁寧に説明してくれるので、頭に入ってきやすかったです。
この辺の設定がしっかりしていると、読みやすさもアップしますよね。
呪い
久那納家には、呪いがかけられていて下記のルールがあるようです。
- 長子とされる者は、30歳までに死を迎える
- 呪いは長子に代々、受け継がれる
- 長子が子供を作らず死んだら、兄弟姉妹といった最も近い長子に受け継がれる
この呪いを解くために心霊科医として働いているが、恵介の年齢は28歳なので刻々とタイムリミットが迫ってきている……。
感想・レビュー
依頼された心霊現象の謎を、恵介と墓麿が協力して解き明かしていく構図なので、ホラー好きというよりも、ミステリーが好きな人に向いているように思えます。
本書の最大のみどころでもある、謎がすべて解き明かされたときに、せつなくも、どこか温かみのある感情に持っていく手法には、さすがのひとことです。
人の内面、霊となったモノの内面、それぞれの「大切なモノ」を表現することで、それらの愛情のかたちの違いがより際立ち、読者の心に響きます。
まとめ
自称心霊科医とその相棒が、心的外傷の根源を探るちょっと変わったホラーミステリー。
5話のそれぞれ違った謎に、あなたも挑んでみてはどうでしょうか。
それでは、まったです。 (‘◇’)ゞ
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