こんにちは! お金についてチョット詳しくなったネイネイ(@NEYNEYx2)です。
今回は、2012年「世界から猫が消えたなら」で小説デビューした、川村元気さんの『億男』を読みましたので、あらすじや感想・レビューをご紹介します。
あなたは「お金と幸せの答え」について考えたことがありますか? もしなければ本作品でそれを考えてみてはいかがでしょうか。
『億男』川村元気【あらすじ&概要】
あらすじ
宝くじで3億円を当てた図書館司書の一男。
浮かれる間もなく不安に襲われた一男は、「お金と幸せの答え」を求めて大富豪となった親友・九十九のもとを15年ぶりに訪ねる。
だがその直後、九十九が失踪した—。ソクラテス、ドストエフスキー、アダム・スミス、チャップリン、福沢諭吉、ジョン・ロックフェラー、ドナルド・トランプ、ビル・ゲイツ…
数々の偉人たちの“金言”をくぐり抜け、一男の30日間にわたるお金の冒険が始まる。
人間にとってお金とは何か?「億男」になった一男にとっての幸せとは何か?九十九が抱える秘密と「お金と幸せの答え」とは?(「BOOKデータベース」より)
おすすめポイント
お金と幸せの関係について真面目に語っている物語。
お金さえあれば、幸せは手に入るのか? 人生に必要なものが何なのかを問われ、それを深く考えさせられる。
チャップリンの言葉
喜劇王と呼ばれたチャーリー・チャップリンの言葉として、このようなものが描かれています。
人生に必要なもの。 それは勇気と想像力と、ほんの少しのお金さ。
(P36より)
本書には、これら偉人や著名人のお金にまつわる言葉が、たびたび登場します。
それらに耳を傾けて、なにを問うているのか、考えを巡らせるのも本書の楽しみの一つにあげられます。
学ぶは真似る
一男から落語が素晴らしいと褒められた九十九が「名人のテープを全部丸暗記しただけ」という場面でこう付けくわえている。
「そんなもんさ。『学ぶ』の、ご、語源は『真似る』なのさ。どんなことも、まずは全部真似することからしか始まらない」
(P43より)
よく職人が「仕事は盗むもの」として先輩職人の仕事ぶりを観察し、それを真似て技術を学んでいくやり方を耳にします。
時代錯誤だという意見もあるかと思いますが、ここで重要なのは自分自身で考え、苦労して試行錯誤することで、感性や独自性が身についていくことにあるように思います。
人から教わった経験よりも、自身で試行錯誤を繰り返した経験のほうが、どんな時に失敗して、どのようなプロセスをへて成功するのかを身をもって体験しているので、次に壁にぶち当たったとしてもそれを乗り越えていけるのではないでしょうか。
風変わりな求人募集
九十九が会社の求人募集を掲載したさいの内容がちょっと変わっています。
『信じることができる人を求む。僕が信じることができる人。僕のことを信じてくれる人』
(P176より)
「信用」はビジネスに必要不可欠なものです。
信用がなければ、銀行からの融資も受けられない。 取引企業からの仕事のオファーも得られない。 会社内で重要なプロジェクトを任せてもらえない。
そんな「信用」は、一瞬のうちに失なってしまう繊細なものだとも語られています。
生きるための欲
万佐子が一男にたいして、「お金によって大切な ”欲” を奪われた」というシーンがあります。
「確かに欲は人間を狂わせる。でもそれと同時に私たちを生かしてる」
(P216より)
「欲」というと悪いイメージが先行しますが、人が生活していくためには「生きるための欲」が必要だといっています。
明日を生きるために、なにかを欲していれば、辛いことがあっても前に進んでいける。とあり、それが幸せなのではと問うているようでもある。
感想・レビュー
日々の生活において必要な「お金」をテーマに、お金と幸せの関係性について大切なことに気づかせてくれる。
莫大な資産を得ることが幸福につながるのか。人生の楽しみは何なのか。 普段なにも考えずに使用しているお金について、いろいろ考えさせられる作品。
お金にたいする価値観や考え方を見直すキッカケになるのではないでしょうか。
まとめ
ふとしたことから億万長者になった男の30日間のお金をめぐる大冒険。
身近に存在する「お金」について、学校で習わないし、教えてくれる知人もいないなら、この本でそれを学んでみてはどうでしょうか。
それでは、まったです。 (‘◇’)ゞ
映画『億男』のPV
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