こんにちは! ネイネイ(@NEYNEYx2)です。
不穏な空気がただよう独特の世界観と、終盤におとずれる見事なまでのどんでん返しに驚かされる作家。
今回はそんな、道尾秀介さんの本の中から『おすすめ小説』をジャンル別にてご紹介します。
まだ、読まれていない本があれば、これを機に読んでみてはいかがでしょうか。
道尾秀介おすすめ小説【ジャンル別】
道尾秀介さんは、1975年5月19日の東京生まれ。
大学を卒業して営業職として働きながら、2004年に『背の眼』で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞して、小説家デビューしています。
その後、2011年に『月と蟹』で第144回直木賞を受賞し、ミステリー小説における人気を集めています。
どんでん返しミステリー
『向日葵の咲かない夏』
あらすじ
夏休みが明日にひかえた終業式の日。頼まれたプリントを届けるため、小学校を欠席したS君の家をおとずれた僕。きい、きいとおかしな音が家の中から聞こえてくる。S君が首をつって死んでいた。
しかし、大人たちがその場に駆けつけたときには、彼の死体は消えてしまう。その後、S君はあるものに姿を変えあらわれ、訴えた。「僕は殺されたんだ」と。半信半疑のまま、僕と妹のミカは、事件の真相を追いはじめるが…。
おすすめポイント
死体となり発見された友人が、姿を変えてミチオの前にあらわれた。そんな友人とともに事件の真相を探っていく。不穏な空気がただよう物語に不気味さを感じながらも、謎が気になり読み進めさらに霧のなかへと迷い込んでしまう。また、後味の悪さが、読み手を選ぶ小説でもある。
不快な気持ち悪さを感じつつも、狂気じみた独特な世界観に惹かれて、ページをめくる手をやめられない物語。
『シャドウ』
あらすじ
「人は、死んだらどうなるの?」いなくなって、それだけなの…。その会話から3年後、母は病死した。父と2人だけの暮らしがはじまった鳳介。その後、幼なじみの母親が自殺を遂げたのをきっかけに、次々と不幸がおこり…。
父とのささやかな幸せを願っている小学5年生の少年が、苦悩のすえにたどり着いた驚きの真実とは。
おすすめポイント
母親が病気で亡くなってから、父親の洋一郎との生活をはじめた小学5年生の凰介。そして彼の周りで、さまざまな不幸が続いていく。あやしい言動が見え隠れするなか、張り巡らされた伏線と、先の読めない展開に心をみだされながらも、物語に引き込まれてしまう。
2つの家族におとずれる不可解なできごとに、いい意味で期待を裏切られるサスペンスフルな作品。
『いけない』
あらすじ
自殺名所の近くにあるトンネルでおきた交通事故が、殺人の連鎖をまねいて…。 (「弓投げの崖を見てはいけない」 )友達のいない少年が遭遇した殺人現場は本物なのか、 それとも偽物か。 (「その話を聞かせてはいけない」 )宗教団体の幹部女性が死体でみつかった。先輩の刑事は、後輩をみちびきながら捜査を進めるのだが…。(「絵の謎に気づいてはいけない」)
各章の最後のページにある1枚の写真に、新たな真相を導きだすトリックが隠されている。ラストページを見ることで、それまでの物語が違ってみえる新感覚の体験型ミステリー。
おすすめポイント
全4章からなる連作短編に、散りばめられたトリック。その謎を見破ろうと自然と物語に夢中になっていく。やがて、隠された真相に気づけたときの驚きと快感が、脳裏に焼きつけられクセになってしまう。
一度読んだだけでは、すべての真相には辿りつけず再読必須。今までにない謎解きを体験できる作品集。
青春ミステリー
『ソロモンの犬』
あらすじ
幼い子どもが愛犬に引きずられて、トラックにはねられた。現場に居合わせた秋内は、その不可解なおこないに疑問を感じ、動物生態学にくわしい間宮助教授に相談する。
事故への疑念と大学生4人の青春が交錯しながら、彼らも予想していなかった結末がおとずれ…。
おすすめポイント
愛犬に引きずられた幼い友が、事故に遭うところに居合わせた秋内。その事故に違和感を抱いた彼は、真相を追求していく。不可解な犬の行動とともに語られる、大学生の男女たちの甘酸っぱい恋やわだかまりに、爽やかさ溢れる青春を感じさせる。
飼い犬に引きずられた事故の謎と、大学生たち男女の甘くも切ない青春に、青臭さと瑞々しいさをおぼえる作品。
『ラットマン』
あらすじ
結成して14年のアマチュアロックバンドが遭遇した、練習中のスタジオでの不可解な事件。浮かび上がってくるメンバーの隠されし素顔の数々。
すべての真相がわかったとき、ギタリスト姫川亮が心に秘めていた過去の記憶がいま呼び起こされる。ほんとうの仲間とは、家族とは、愛とは…。
おすすめポイント
幼いころ家族におきた不幸なできごとを心に抱えている、アマチュアロックバンドの姫川亮。そんな彼が、巻き込まれたスタジオでの不可解な事件。亮の幼きころの記憶と、周りの人びととの想いが複雑に交錯して惑わされながらも、次の展開へのワクワクがとまらない。
アマチュアバンドの青年が巻き込まれた不可解な事件をめぐる謎に、幾度となく振り回されつつも、それがクセにる物語。
サスペンス
『スケルトン・キー』
あらすじ
19歳の坂木錠也は、週刊誌のスクープ獲得の手伝いをしている。バイク追跡により危険をともなう仕事だが、そのことで心拍数を高めて、サイコパスである己の内なる狂気を抑えることができる。
しかしある日、児童養護施設でともに暮らした仲間から電話があったことから、それまでの平穏な日常が大きく崩れはじめた。今まで、もう一人の僕にならぬよう過ごしてきたのに…。
おすすめポイント
自らをサイコパスと自覚し、狂気を抑えるためあえて危ない仕事に身を置いている坂木錠也。そんな彼の平穏な日々も一本の電話から変わっていく。サイコパスの冷たさと恐怖にゾッとさせられ、著者の仕掛けたトリックにしてやられつつ、スリリングな展開に魅入ってしまう。
生まれつき恐怖の感情が欠落している青年が巻き込まれていく事件に、怖さを感じながらもノンストップ・サスペンスを味わい尽くせる作品。
シリーズ小説
「真備」シリーズ
『背の眼』
あらすじ
作家である道尾が、旅先の白峠村で耳にしたなんとも不気味な声。彼は恐ろしさのあまり、「霊現象探求所」を営んでいる真備のもとをたずねた。そこで目にしたのは、被写体の背中に人の眼が写った4枚の心霊写真だった。
しかも、それらは白峠村の近くで撮られもので、のちに彼らは全員が自殺しているのだという。はたして偶然なのか、それとも。真相を追い求めて、道尾は再び白峠村に向かうのだが…。
おすすめポイント
子どもの神隠しが頻発する白峠村で、作家の道尾はなんとも言えぬ声を耳にする。真相を探るため、霊現象探求所をかまえる友人の真備のもとへ。少年たちの失踪、4枚の心霊写真とが漂わせる怪しさに惹かれ、謎解きに魅入ってしまう。
売れない作家がおとずれた白峠村をめぐる数々の謎に、不気味さを感じつつもミステリーを堪能できる物語。
「花」シリーズ
『光媒の花』
あらすじ
認知症をわずらう母とひっそり暮らす中年男のひと夏の秘密。(「隠れ鬼」)幼いふたりの兄妹が、手を染めた闇夜の罪。(「虫送り」)可憐でいて優しい姉が入院して、心配する弟であったが…。(「風媒花」)
大切なものを守るための嘘が、哀しみを呼び寄せながらも、やがて優しい光に包まれる。一匹の蝶がそっと見守っている光と影に満ちた世界を描いた、6つの連作短編集。
おすすめポイント
独立した6つの話が、見えないところでリンクしてる本作。生きていく辛さ、哀しみにと、それぞれが苦悩を抱えながらも、それらに向き合って懸命に前へと進んでいく。暗いなかにも、やがてあらわれる光にぬくもりと希望を感じさせる。
一匹の白い蝶が紡いでいく6つの物語に、人びとの弱さと優しさが、儚くも美しい情景を見せてくれる作品集。
「神」シリーズ
『龍神の雨』
あらすじ
事故で母親を失って、再婚したばかりの継父とともに暮らしている蓮と楓。母の死後、暴力を振るい仕事もしない継父に、苛立ちを募らせていく蓮。
一方、2年前に母を亡くし続けて父も病死し、継母とささやかな生活を送っている辰也と圭介の兄弟。そして、ひとつの死がおとずれた。降り続く雨が、4人の運命を翻弄して…。
おすすめポイント
親を失って不安と苛立ちを募らせていく2組の兄弟。降りしきる雨がこの先の暗雲を予感させるように、彼らは悲しき運命と心に抱いた疑念に翻弄されていく。穏やかな日々を送っていたはずが、ちょっとしたすれ違いから悲劇に苛まれていく人びとから目が離せなくなる。
雨が降りしきる重苦しい空気のなか、血の繋がらない親とともに暮らす2組の兄弟が遭遇する悲運にさらされながらも、雲のすき間から差し込む光に希望を感じずにはいられない物語。
映画化小説
『カラスの親指』
あらすじ
人生のどん底へと落ち、詐欺を生業としている中年男の武沢とテツ。ある日、ひとりの少女を助けたことで一緒に住むことに。さらには、同居人が増えていき、5人と1匹の奇妙な共同生活がはじまった。
やがて、彼らは悲しい過去と訣別するため、また失くしたものを取り戻すために、大計画を企てていくのだが…。
おすすめポイント
辛い過去を背負いし者たち5人が、一世一代の大勝負に打ってでる。息もつかせぬ展開にハラハラさせられつつ、壮大な騙し合いに目が離せなくなっていく。
過去に囚われながらも、必死にあがき前に進んでいこうとする姿に、清々しい読後感を味わえる物語。
まとめ
どうですか、気になった書籍は見つかりましたか?
この記事を通して、少しでもあなたの読書生活が有意義なものになったら幸いです。
それでは、まったです。 (‘◇’)ゞ
道尾秀介おすすめ小説 まとめ
どんでん返しミステリー | 青春ミステリー | サスペンス | シリーズ小説 | 映画化小説 | ||||||
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