こんにちは! ネイネイ(@NEYNEYx2)です。
淡い恋心を抱くものに、切なくも瑞々しい恋愛を描いたものから、大人だからこその葛藤に胸を締め付けられる恋愛。
今回はそんな、胸がときめく作品の中から『2023年版おすすめ恋愛小説』をご紹介します。
まだ、読まれていない本があれば、これを機に読んでみてはいかがでしょうか。
【いま話題】おすすめ恋愛小説
いま話題のおすすめ恋愛小説
『汝、星のごとく』凪良ゆう
あらすじ
瀬戸内の島で生まれ育った高校生の暁海(あきみ)と、男なしでは生きていけない母にふりまわされ島に転校してきた櫂(かい)。お互いに孤独と欠落を抱えていた2人は、惹かれ合い、すれ違い、そして少しずつ成長していくが…。
生きることの自由さと幸せのあり方について描き出し、ひとつではない愛の物語を紡がれる。
おすすめポイント
17歳から15年にも及ぶ、暁海と櫂のふたりの恋愛とともに、思うようにいかない苦難に満ちた人生が描かれる。互いに惹かれあっていたはずの2人が、歳月を重ねるにつれ少しずつすれ違い、それぞれの人生を選択していく。
ふたりの恋愛をとおして、自分が生きたいと思う人生を歩むことの難しさと、選択の大切さを考えさせられる物語。
『赤と青とエスキース』青山美智子
あらすじ
留学先のメルボルンで女子大生のレイは、現地に住んでいる日系人のブーと恋に落ちた。しかし、レイの帰国の日が刻々と近づいている。そんな2人は「期間限定の恋人」として付き合いはじめるのだが…。(「金魚とカワセミ」)
1枚の「絵画(エスキース)」が織りなす、さまざまな人びとの恋を紡いだ短編集。
おすすめポイント
メルボルンで出会ったレイとブーの期限付きの恋からはじまる、第1章からなる4つの作品集。それぞれが順風満帆な人生ではないながらも、もがきながら前に進んでいく姿に自分の人生を重ねて共感してしまう。長い年月を旅する絵画がそっと寄り添う人びとの縁が、読者の心のを優しく包み込んでくれる。
「エスキース」という1枚の絵画をめぐり、浮かび上がる色とりどりの愛の形に、じんわりと心を温められる作品集。
甘酸っぱい恋愛小説のおすすめ
甘酸っぱい恋愛小説
『阪急電車』有川浩
あらすじ
宝塚から西宮北口間をわずか15分で走り抜けるローカル線である阪急今津線。その電車に、それぞれの愛や想いを密かに抱えながら、たまたま乗り合わせた人びとがいた。
乗客それぞれの人生がそっと交錯し、それがやがて小さな奇跡を紡いでいく。前に一歩踏み出せば、そこにはいつもと違う景色が待っている。
おすすめポイント
片道15分という短い8つの駅の阪急今津線に、居合わせた人びとを各駅ごとに描いた本作。たまたま、その電車に乗り合わせた人びとが影響しあいながら、それぞれの人生に変化をもたらせる。電車という限られた空間で、交わされる会話から普段とは違う景色を見せられ、読者の心をほっこりさせてくれる。
えんじ色の電車に乗り合わせた乗客たちが、ふとした偶然が重なり紡がれていく愛の数々に、ほのぼのさせられる物語。
『植物図鑑』有川浩
あらすじ
ある日、飲み会の帰り道にOLのさやかは、マンションの前で倒れている一人の男を見つけた。「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか。咬みません。躾のできたよい子です」という彼を面白がり、さやかは部屋にあげてしまう。
そして、イケメンとの6ヶ月という期限付きでの同居生活がはじまった。異常なまでに植物にくわしい彼との距離を少しずつ縮めていく、さやかだったのだが…。
おすすめポイント
OLのさやかは、ひょんなことから家事万能のイツキとの同居生活をはじめる。週末に近所の河川敷へと出かけては、道端に生えている草花を草花を摘みとり、おいしく料理するイツキとさやか。そんな、ふたりの微笑ましくも甘酸っぱい恋の行方に、目が離せなくなる。
突然あらわれた料理上手なイケメンの彼との甘い同居生活に、胸キュンさせられる物語。
『桜のような僕の恋人』宇山佳佑
あらすじ
夏も終わりかけのある日の午後、美容室をおとずれたカメラマン見習いの晴人。そこで出会った美容師の美咲に一目惚れしてしまう。彼女目当てで、その店に通い詰めやがてふたりは恋人同士となる。
だが、幸せな時間は長くは続かず、美咲は普通のひとの何十倍もの早さで老いていく難病をわずらってしまう。自分が老いていく姿を晴人にだけは見せたくないと悩んだ美咲は、別れを告げるのだが…。
おすすめポイント
カメラマン見習いの晴人が美容師の美咲と出会い、やがて恋人同士となったふたり。ゆっくりと幸せを育んでいくふたりだったが、美咲が急速に老いていく難病を発症してしまう。突如として告げられた余命に混乱しながら決断を迫られる彼女には、辛いものがあるが同時に、今という時間を過ごすことの大切さに気づかされる。
恋人が不治の病になりながらも互いを思いやる気持ちには、切なくも心を揺さぶられる物語。
『勝手にふるえてろ』綿矢りさ
あらすじ
片思いしか経験がない26歳OL女子である江藤良香。中学時代の同級生にずっと片想いしてきたが、ある日突然なんとも思っていない同期に告白された。おたく系女子の良香は、片想いとリアル恋愛、ふたつの恋に悩まされる日々。
理想と現実のはざまで揺れ動き、恋愛に臆病な女子がときに暴走しながらも、本当の自分を解き放っていこうとするのだが…。
おすすめポイント
ずっと気になっている同級生と、意中の人ではないがアプローチをしてくる男性とで葛藤するOLのヨシカ。脳内で膨らんだ理想と現実のはざまで揺れ動かされ、ときに暴走する彼女は可愛らしくも、共感させられ引き込まれてしまう。
妄想に浸りすぎて自分を見失いそうな彼女は、コミカルでいて不器用な恋心に魅了されてしまう作品。
『キスまでの距離 おいしいコーヒーのいれ方』村山由佳
あらすじ
高校3年になる春に、父の転勤により、いとこ姉弟と同居することとなった勝利。そんな彼は、久しぶりにあった5歳年上のかれんの変貌した美しさに驚きを隠せない。
そして彼女は、彼が通う高校の新任美術教師でもある。同じ屋根の下で暮らすなか、かれんの秘密を知った彼は、哀しみに満ちた想いに気づき、守ってあげたい衝動にかられる。かれんを女性として意識する彼の恋の行方は果たして…。
おすすめポイント
ひょんなことから、いとこ姉弟とひとつ屋根の下で暮らすことになった高校3年の勝利。やがて、5歳年上のかれんに恋心を抱くように。日々膨れ上がっていく想いや、抑えきれなくなっていく嫉妬心に思春期のリアルな男の心情を感じさせる。
瑞々しくも不器用なふたりの甘酸っぱい恋の行方に、トキメキを感じずにはいられない物語。
『陽だまりの彼女』越谷オサム
あらすじ
幼なじみと10年ぶりに再開した僕。かつて「学年有数のバカ」とまで言われた彼女は、冴えないイジメられっ子だったが、今は仕事のできるモテ系の女性へと驚異の変貌をとげていた。
そんな彼女に恋をする僕だが、誰にも知られていない秘密を彼女は抱えていて…。
おすすめポイント
中学時代にいじめから救った同級生と再開し、恋に落ちていく僕。幸せな日々を送っていく2人だが、少しずつ不穏な空気が漂いだして。誰かを好きでいることの愛おしさに、ほっこりさせられる。
ベタ甘なふたりの関係にキュンとさせられながらも、切なさと温かみを感じられる作品。
大人の恋愛小説のおすすめ
大人の恋愛小説
『マチネの終わりに』平野啓一郎
あらすじ
若くして世界的なクラシックギタリストの蒔野聡史。ある日、演奏会のあと国際ジャーナリストである小峰洋子と出会った。互いに惹かれあう蒔野と洋子であったが、洋子には婚約者がいた。
それぞれ人生を尊重するが故にままならない互いの関係。現実に向き合うなか、蒔野と洋子の想いは徐々にすれ違いが生じていく。そんな、ふたりに待ち受けている愛の結末とは…。
おすすめポイント
初めて出会ったときから強く惹かれ合うふたりだが、洋子には婚約者がいる。互いに想いを寄せながらも、ちょっとしたすれ違いにより交わることのないふたり。相手を尊重しながら揺れ動く心情には、もどかしくも深すぎる愛情を感じさせる。
40代に迫ったふたりが見せる、切なくも美しい大人の恋の行方が、心に染みわたる作品。
『傲慢と善良』辻村深月
あらすじ
それぞれ30代の西澤架と坂庭真実は、婚活アプリで知り合い、一緒に住んでおり結婚も決まっていた。互いに充実した日々を過ごしていると思っていた。しかしある夜、真実は突如として失踪するのだった。彼女の居場所を探すため架は、彼女が秘密にしていた過去とある真実を知ることになる…。
おすすめポイント
架と真実の2人は、謙虚で自己評価が高いわけではない。しかし、自己愛が強いがゆえに知らず知らずのうちに多くを相手に求めていた。それらの現実をつきつけられ、傲慢と善良について、読者の心を大きくえぐっていく。
恋愛や結婚への息苦しさを前に、もがきながらも自身の心と向き合っていく姿は、胸に刺さるものがある。
『ナラタージュ』島本理生
あらすじ
大学2年の春、泉のもとに高校の演劇部顧問であり、想いを寄せていた葉山から電話があった。卒業式のあるできごとを胸に秘めながら、泉はときめく気持ちが募っていく。
お互いに距離を縮めていたとき、葉山が妻との離婚が成立していないことを知ってしまう。そして、彼への想いを忘れようとする泉は、別の男性とともに幸せな道を歩んでいこうとするのだが…。
おすすめポイント
泉がずっと想いを寄せる葉山先生。彼には妻がいて、叶わない恋とわかっていながらも消えることのない恋心。そんな彼女の心情は、やるせなく切なくもあるが、読み手を惹きつけて離さない。
お互いに想い合いながら、すれ違う2人のもどかしく切ない恋愛に、心を揺さぶられる物語。
『きらきらひかる』江國香織
あらすじ
10日前に結婚した私たち。しかし、この結婚を説明することは、かぎりなく難しい。アルコール依存症の笑子と、同性愛者の睦月。ふたりは互いにすべてを許しあって結婚したはずだった。
日が経つにつれて芽生えてくる友情に、恋愛。大切に想うあまり、傷つき傷つけられながら辿りつく先とは…。
おすすめポイント
妻の笑子、夫の睦月、そして夫の恋人である紺という奇妙な三角関係。すべて割り切った上での結婚のはずだったのだが…。それぞれに相手を思いやりるも、それが故に傷つき苦しくなる。不器用な人たちが見せる幸せのかたちに、心を大きく揺さぶられてしまう。
優しくも繊細な人びとが織りなす愛情が、切なくも心に沁みてくる物語。
『愛がなんだ』角田光代
あらすじ
ひょろひょろで猫背のマモちゃん出会って、恋に落ちたOLのテルコ。彼からの電話なら仕事中でもお構いなしに長話、誘いがあればさっさと退社。すべて彼を最優先のおこないに、会社もクビ寸前。。
しかし、そんな彼はテルコのことを好きではない。彼女の片想いは、どんどんエスカレートしていって…。
おすすめポイント
OLのテルコはマモちゃんベタ惚れで、すべてを投げ打って彼に愛を捧げている。一歩引いてみれば、ただの都合のよい女になっているだけなのだが、恋によって周りが見えなくなる、その一途な想いも分からなくはない。それは誰しもがどこかで、恋は盲目にさせるという経験をしているからではないだろうか。
惚れた彼に一途なまでの片思いを続けるひとりの女性に、イライラさせられもどかしくもあるが、心に刺さるものがある作品。
『恋愛中毒』山本文緒
あらすじ
夫と離婚をし、深い傷を心に抱え「もう二度と他人を愛しすぎない」と誓った水無月。翻訳の仕事をしながら、弁当屋でアルバイトをする質素な暮らしを送っていた。
そんなある日、バイト先に有名な小説家の創路がふらっと弁当を買いにやってきた。そして、彼女の堅く閉ざされた心に、創路は強引に踏み込んでくる。やがて、誓いを破って他人を愛してしまい…。
おすすめポイント
過去の痛手から、もう人を愛さないと決めていたはずの水無月。だが、そんな彼女の前にある有名な作家があらわれ、深みにハマっていく。地味でいて平凡な彼女が、恋愛にのめり込んでいく姿は恐ろしくもあるが、どこか共感させられるものがある。それは、誰しもが心に抱える寂しさや孤独感のようにも感じる。
恋愛に不器用でいる女性が、感情を抑えきれずに暴走するさまは痛々しくもあるが、彼女にシンパシーを感じずにはいられない物語。
『ノルウェイの森』村上春樹
あらすじ
雨が降りしきる暗くて重い空をくぐり抜け、ハンブルク空港に到着する。すると、飛行機の天井についたスピーカーから、ビートルズの『ノルウェイの森』が聴こえてきた。
1969年、僕はもうすぐ20歳になろうとする学生時代のことを思い出し、頭が激しく混乱して動揺を覚えていた。かぎりない喪失にもがきながらも、ゆっくりと再生へと歩みを進めていこうとするが…。
おすすめポイント
37歳のワタナベが飛行機のBGMで、学生時代の記憶を回想していく。亡くなった親友の恋人である直子に惹かれていくが、ある日突如としていなくなってしまう。恋人を失った深い喪失感に苛まれ、もがきながらも再生へと向かうさまに、若さゆえの不完全さが心に響きわたる。
暗く先が見通せない深い森に迷い込んでしまったかのごとく、不安にさせられつつも、青春のほろ苦さと美しさに浸ることのできる物語。
SF・ファンタジー恋愛小説のおすすめ
SF・ファンタジー恋愛小説
『いま、会いにゆきます』市川拓司
あらすじ
妻の澪に先立たれて1年、6歳になるひとり息子とひっそり暮らしている巧。梅雨の季節のとある雨の日、いつもどおりの散歩をしに出かけた森で、亡くなったはずの妻に出会う。
しかし、彼女は過去の記憶をおぼえていなかった。そんな彼女をやさしく迎え入れた巧たちは、3人でのちょっと不思議な共同生活をはじめるのだが…。
おすすめポイント
「雨の季節に戻ってくる」という言葉を残してなくなった妻。ある雨の日に、夫と息子の前にあらわれた彼女そっくりな人物に出会ったのだが。
ささやかな日常にある幸せが愛おしく描かれる。不器用でありながらも、ひたむきな愛に心を奪われてしまう。切なくもあるが、胸に沁みるものがある物語。
『夜は短し歩けよ乙女』森見登美彦
あらすじ
大学の後輩である「黒髪の乙女」にひそかに片想いしている「先輩」。彼女を追い求めて、夜の先斗町や、下鴨神社の古本市、大学の学園祭にと、歩きまわる日々だが、彼女になかなか気づいてもらえない。
そんな2人を待ち受ける、奇妙な人びとがおこす珍事件へと巻き込まれてしまう。京都の夜を自由に渡り歩いていく黒髪の乙女に、先輩の恋は一体どこに向かっていくのか…。
おすすめポイント
「黒髪の乙女」こと大学の後輩に、恋心を抱いている「先輩」。偶然の出会いを装いつつ近づこうとする先輩だが、京都の町で繰り広げられる面白おかしな事件の数々に巻き込まれていく。ちょっと風変わりな面々と、コメディタッチの独特な世界観に魅了されてしまう。
自由奔放な女性である後輩に、振り回される先輩が愛おしくあり、その奇想天外なストーリーに惹かれてしまう作品。
『塩の街』有川浩
あらすじ
すべてが塩に埋め尽くされた塩害の世界。塩は街をも飲み込んで、社会は失われつつあった。そんな崩壊が迫りくる東京で暮らす男の秋庭と、少女の真奈。静かに世界の片隅で生きるふたりの前を、さまざまな人びとが現れては、消えていく。
ある日、訪れたひとりの来客が、秋庭と真奈さらには世界の運命を変えることに…。
おすすめポイント
塩害により感染した者は塩化してしまう世界。そんな時代に出会った、元自衛官の秋庭と女子高生の真奈。崩れゆく世界で、お互いに想いを募らせていく姿に、かつてないほどのピュアな愛を感じさせる。
感染した人は塩になる病が蔓延する世界で、大切な人を守るために動いていくさまは、美しくもベタ甘な恋愛を抱かせる物語。
『君の話』三秋縋
あらすじ
親しい者もおらず、孤独のなかで暮らしている20歳の青年・天谷千尋。そんな夏に、実在していないはずの幼なじみの夏凪灯花と出会った。戸惑いを隠せない彼に灯花は、「君は、色んなことを忘れてるんだよ」と告げた。
この恋は、出会う前から続いていて、はじまる前に終わっていた恋の話である。
おすすめポイント
テクノロジーの発展により、「義憶」という仮の記憶を植え付けることができる世界。手違いにより望まぬ義憶をあたえられた千尋は、存在しないはずの幼なじみ灯花に出会った。虚構と現実に揺り動かされながらも、彼女に惹かれていく千尋の恋の行方から目が離せなくなっていく。
記憶改変により偽りの記憶を埋め込まれた青年の、儚くも美しい夏の思い出に浸ることのできる物語。
『君は月夜に光り輝く』佐野徹夜
あらすじ
どこか投げやりに生きてきた高校生の岡田卓也。クラスの寄せ書きを届けるために卓也は、長らく病院に入院している同級生・渡良瀬まみずにお見舞いにいくことに。そして、彼女が「発光病」という、細胞の異常により月の光に照らされると体が淡く光るとされる、不治の病であることを知る。
余命わずかな彼女は、死ぬまでにやりたいことがあるのだという。卓也は、彼女の代わりその「やりたいこと」を手伝うことにするのだが…。
おすすめポイント
ひょんなことから、不治の病にかかっている女性の「やりたいこと」を叶える手伝うこととなった卓也。彼女に振り回される一方で、少しずつ惹かれ合うふたり。大切な人を失うことの苦しみと、生きたくて仕方がない辛さが、手に取るように伝わり切なくもあるが、それが故に命の尊さがありありと感じられる。
残りわずかの命のまみずと、彼女に翻弄される卓也の切なくも淡い恋心が、胸に響いてくる作品。
『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』七月隆文
あらすじ
京都の美大に通っている南山高寿は、通学電車のなかで出会った福寿愛美に一目惚れした。高嶺の花と思える彼女に、勇気を振りしぼり声をかけるのだが、なぜか突然、涙を見せるのだった。困惑する高寿だが、彼女の涙の意味を知るよしもなかった。
やがて、ふたりは距離を縮めていき、交際がスタートする。しかし、愛美は想像もしていない重大な秘密を抱えていたのだった…。
おすすめポイント
愛美に一目惚れした高寿は、少しずつ愛を育んでいくのだが、彼女の言葉に見え隠れしてくる違和感。そんな、彼女が隠している秘密には胸を締め付けられ、思わず涙腺が緩んでしまう。
大切な人との日常に思いを馳せつつも、ふたりの切なすぎる運命に、心を震わせる物語。
『パラレルワールド・ラブストーリー』東野圭吾
あらすじ
敦賀崇史は、親友の恋人がかつて一目惚れをした女性であったことに驚き、嫉妬に苛まれる。ところが、ある朝、目を覚ますと親友の彼女が、なぜか自分の恋人として隣にいた。混乱する崇史は、本当の現実を取り戻すため、記憶と真実を巡ることに…。
おすすめポイント
交差する2つの世界に翻弄されながら、恋と友情に苦悩する想いに切なさもある。二転三転するストーリーに混乱しながらも、真実と恋の行方に目が離せなくなる、一味違うラブストーリー。
『鴨川ホルモー』万城目学
あらすじ
2浪のすえ京都大学に入学した安倍は、一目惚れした女性に近づくため「京大青竜会」という怪しいサークルに入会することに。しかしそのサークルは、鬼をあやつり戦わせる謎の競技「ホルモー」をする集まりだった。
鬼との契約の儀をへて、ホルモー道を邁進していく若者たち。そして、恋や友情、対抗戦にと、奇想天外なキャンパスライフを謳歌していくことになるが…。
おすすめポイント
レジャーサークルとおぼしき「京大青竜会」に加入した大学一回生の安倍。だがそこは、鬼を使役して戦う「ホルモー」なる競技をおこなう集団だった。若者たちが恋愛や友情に悩みながら大学生活を味わい尽くす姿に、ユーモアと甘酸っぱい青春を感じずにはいられない。
謎のサークルに入部したことで、繰り広げられる大学生たちの友情や恋愛、成長にと、青臭くも輝かしい青春に夢中にさせられる物語。
ミステリー恋愛小説のおすすめ
ミステリー恋愛小説
『崩れる脳を抱きしめて』知念実希人
あらすじ
研修医の碓氷は実習に訪れた病院で、脳腫瘍をわずらう女性ユカリと出会う。外の世界を恐れているユカリと、過去に苛まれる碓氷。心に傷をもったふたりは徐々に心を通わせていく。実習を終えた碓氷のもとに、ユカリの死の知らせが届くのだが…。
おすすめポイント
恋愛要素のみならず、碓氷の過去への苦悩、ミステリーありと、さまざまな要素が散りばめられて、読者を飽きさせることなく、次の展開に期待がどんどん膨らんでいく。心に傷を持ちながらも、それに向き合っていく2人の心情には感情があふれでてしまう。
『イニシエーション・ラブ』乾くるみ
あらすじ
大学4年の鈴木は、乗り気ではなかったが友人に誘われた合コンに参加した。だが、そこで歯科衛生士のマユと出会い、ふたりはやがて付き合うようになり、甘い学生生活をおくることに。
しかし、地元の静岡の会社に就職した鈴木だったが、すぐに東京勤務を命じられマユとは長距離恋愛になってしまう。次第にふたりの間にズレが生じていき…。
おすすめポイント
時代背景がうかがえ、懐かしみを覚える展開。大学生から社会人にかけての淡い恋愛模様と思わせる。しかし、張り巡らされた伏線に気づいたとき、頭のなかが真っ白におちいってしまう。
ありふれた男女の恋愛を描きながらも、その裏に用意された仕掛けにまんまと騙され、感嘆の声をもらす作品。
『ずっとあなたが好きでした』歌野晶午
あらすじ
スーパーでアルバイトするために年齢をいつわる中学生の大和。バイト先の高校生の三千穂といい感じなのだが、正社員の宗像がふたりの間を邪魔して…。(「ずっとあなたが好きでした」)脱サラして会社を立ち上げるも倒産し、妻も去っていった五十嵐。富士の樹海で集団自殺をとげようと、ネットで知り合った者たちで出かける。しかし、その中のひとりの女性に恋をして…。(「黄泉路より」)
恋にまつわる13の作品集に酔いしれているとサプライズが待ち受けることに。
おすすめポイント
恋をめぐる物語と見せかけて、そこは仕掛けもなく終わるはずもなく…。巧みな構成に踊らされながら読み進め、やがて訪れるサプライズにしてやられる。
恋心を綴っただけとあなどってはいけない、それはすべて著者の策略なのだから。
『葉桜の季節に君を想うということ』歌野晶午
あらすじ
元私立探偵である成瀬将虎は、いつも利用しているフィットネスクラブに通う久高愛子から、身内が巻き込まれた悪質な保険金詐欺について証拠を掴んでほしいと依頼された。
同じころ、将虎は地下鉄に飛び込もうとしていた麻宮さくらを助け、それをきっかけにデートを何度かする仲になっていく。やがて、保険金詐欺と将虎の恋の2つのできごとが交わり…。
おすすめポイント
「何でもやってやろう屋」を称している成瀬将虎が、依頼を受けた保険金詐欺の調査に奔走していく。軽快に進んでいくストーリーに気を取られていると、みごとに足元をすくわれ、ハッとさせられてしまう。
予想だにしない展開に、爽やかに騙されながらも、タイトルに込められた想いに馳せてしまう作品。
『午前零時のサンドリヨン』相沢沙呼
あらすじ
ポチと呼ばれる須川くんが、高校に入学して一目惚れしたクラス女の子。人を寄せ付けぬ雰囲気のある酉乃初は、なんと凄腕のマジシャンだった。放課後にレストラン・バー『サンドリヨン』でマジックの腕を磨く彼女は、学校でおきた謎の事件を、マジックを駆使して鮮やかに解決していく。
しかし、彼女は人間関係には臆病で他人に心を閉ざしている。そんな中で、須川くんは酉乃との距離を縮めていこうとするのだが…。
おすすめポイント
同級生に恋をした須川くん。彼女は、女子高生ながら凄腕マジシャンという別の顔をもっていた。須川くんが持ち込む学園内の謎を紐解いていく彼女。ちょっと不器用な彼女に、近づこうと画策する須川くんの姿は、微笑ましくもある。
マジックの力で人助けする女子高生、そんな彼女に一目惚れした須川くんのふたりが織りなす、甘酸っぱい学園青春ミステリー。
『ルパンの娘』横関大
あらすじ
代々泥棒を生業としてきた一家の娘である三雲華。そんな彼女が、恋人の桜庭和馬の家に挨拶におとずれた。そこで目にした家族写真には、全員が警察官の制服に身を包んでいる姿があった。和馬の家は、代々つづく警察一家であったのだ。
一方、荒川の河川敷で華の祖父の巌らしき男の焼死体が見つかり、華は独自に犯人を捜していくのだが…。
おすすめポイント
泥棒の娘と警察の長男との恋愛を描きつつも、殺人事件の謎に迫る。コメディ要素もありながら、軽快なテンポで進んでいくストーリーに胸を躍らせていく。
ユーモアあふれる面々に、駆け抜ける疾走感と爽快感を愉しめる、現代版ロミオとジュリエット。
『Nのために』湊かなえ
あらすじ
セレブが住んでいる高層マンション「スカイローズガーデン」の一室で、野口貴弘と奈央子の夫妻が殺害された。現場に居合わせたのは、夫妻に招かれた杉下希美、フレンチレストランの出張サービスで訪れた成瀬慎司、貴弘の部下である安藤望、奈央子の依頼で訪れた西崎真人。彼らの証言により、それぞれが想いを寄せるNと事件の真相が明らかになっていく。すべては「N」のために…。
おすすめポイント
純粋な愛、歪んだ愛、そしてすれ違い。人を愛するとは何なのか、と思わずにはいられない。大切な人を想っての行動が、ほんの少しずれた歯車により、あるできごとに繋がっていく。証言に込められた4人の男女のそれぞれの想いに、切なさと純愛に酔いしれる物語。
おすすめ恋愛小説まとめ
どうですか、気になった書籍は見つかりましたか?
この記事を通して、少しでもあなたの読書生活が有意義なものになったら幸いです。
それでは、まったです。 (‘◇’)ゞ
小説を読んでいる時間がない人はコレがおすすめ
通勤中や家事をしながらの、「ながら時間」を利用して耳で聴く読書はいかがでしょうか。
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