こんにちは! 人生について考えさせられたネイネイ(@NEYNEYx2)です。
今回は、日本内科学会認定医の資格をもち、2015年「仮面病棟」で啓文堂文庫大賞を受賞した、知念実希人(@MIKITO_777)さんの『崩れる脳を抱きしめて』を読みましたので、あらすじや感想・レビューをご紹介します。
主人公の研修医と、余命いくばくもない患者のユカリがおりなす、淡い恋に酔いしれてみてはいかがでしょうか。
『崩れる脳を抱きしめて』知念実希人【あらすじ&概要】
あらすじ
研修医の碓氷は実習に訪れた病院で、脳腫瘍をわずらう女性ユカリと出会う。外の世界を恐れているユカリと、過去に苛まれる碓氷。心に傷をもったふたりは徐々に心を通わせていく。
実習を終えた碓氷のもとに、ユカリの死の知らせが届くのだが…。
おすすめポイント
1章と2章の2部構成になっていて、1章でも謎が解きがあってひと区切りついて、「この後どうなるの?」と引き込まれていく。
2章に入って物語が急速に加速していき一気にラストまで駆け抜けるまで、読み進めさせる魔力がある。
DNR
DNRとは蘇生処置拒否ともいい、心肺停止状態に心肺蘇生をおこなわないで、自然に逝かせて欲しいという患者の意思表示。
この意思表示が前もって確認できている場合、その患者にたいして挿管しての人工呼吸や心臓マッサージはおこなわないのだそうです。
死への考え方って、人それぞれ違いますよね。このあいだ読んだ「ある葬儀屋の告白」でも死について深く考えさせられました。
金の亡者
碓氷先生は、15年前の土砂降りの雨の日に自分たち家族を捨てて出て行ってしまった父親を恨んでいる。
母子家庭で育ったことのあり生活は貧しく、将来はアメリカで脳外科医としてお金を稼ぐことを目標にして異常なまでのストイックな生活を送っている。
生活する上では、当然「お金」が必要なわけで、それを稼ぐのは悪いことではないけれど、「それだけに固執、執着する人生はつまらないよ」って教わっている感覚になります。
生きている意味
若くして「死」を宣告され、それでも前を向いて生きていくために、なにができるのかを考えている場面があります。
「だから、なにか遺したいって言ってた。自分が生きてきた意味を。この世に生まれた意味を」
(P282より)
「生きている意味」、これをすでに見つけている人は少ないと思います。一生とういう時間をついやして見つけ出す、辿り着くのが人生なのではと思う。
感想・レビュー
「死とは?」、「生きるとは?」というテーマを重くなりすぎずに考えさせてくれる作品でもある。主人公の碓氷先生の人としての成長していく姿も本作品の魅力になっている。
最後に謎も含め、2重3重に仕掛けられたワナを発動させてくる展開には、読みごたえと爆発力を感じる。読み終わった後に、清々しい気持ちにさせてくれるところもイイですね。
まとめ
碓氷先生の遅れてやってきた初恋と成長の物語。
この解けそうで解けない謎に、あなたも挑んでみてはどうでしょうか。
それでは、まったです。 (‘◇’)ゞ
『崩れる脳を抱きしめて』のPV
コチラの記事もどうぞ
おすすめ記事
コメント