こんにちは! 家族になることについて考えさせられたネイネイ(@NEYNEYx2)です。
今回は、東野圭吾さんの『希望の糸』を読みましたので、あらすじや感想・レビューをご紹介します。
もしもあなたが、家族のあり方に悩んでいるなら、本書を手に取ってみてはいかがでしょうか。
こんな人におすすめ
- 家族のあり方について悩んでいる人
- 友人・家族・恋人に隠しごとをされて、それがなんであるのか悩んだ経験がある人
- 加賀恭一郎シリーズが大好きな人
『希望の糸』東野圭吾【あらすじ&概要】
あらすじ
小さな喫茶店のオーナーの女性が殺された。捜査線上に浮上した常連客の男。災害で2人の子どもを亡くした彼は、深い苦悩に苛まれていた。
それぞれの家族の運命が複雑に絡みあいながら交差していく。若き松宮刑事が事件に隠された真実に挑む。どうしたら、本当の家族になれるかを問う物語。
おすすめポイント
震災によって二人の我が子を失った家族の話、老舗旅館を営む女将の家族の話、喫茶店を経営している女性にまつわる話、三つの家族が絡みあいながら徐々に真実が明かされていく。
それぞれの家族のあり方、生き方を考えさせられる物語になっています。
主要な登場人物
- 松宮脩平・・・警視庁捜査一課の刑事。今回の殺人事件では、被害者の人間関係などを調べる「鑑取り捜査」にあたっている。
- 加賀恭一郎・・・警視庁捜査一課の警部補。松宮とは従兄弟であり、上司でもある。
- 花塚弥生・・・『弥生茶屋』というカフェを経営。ケーキがおすすめで、お客さんへの対応も親切・丁寧で常連客も多かったようだ。
- 綿貫哲彦・・・花塚弥生の元夫。11年前に離婚してそれ以来、弥生とは連絡を取っていなかったが、殺される一週間前に弥生から連絡を受けていた…。
- 芳原亜矢子・・・金沢で旅館『たつ芳』を営む女将。あることで、それまで面識のなかった、松宮脩平に接触をしようとしていた。
- 汐見行伸・・・地震によって子供二人とも亡くしてしまう。その後、不妊治療すえに女の子をもうける。
- 汐見萌奈・・・中学生でテニス部に在籍。最近の親子関係は、一緒に食事をしないまでにギクシャクしている。
あんないい人
目黒区自由が丘にある喫茶店『弥生茶屋』の店主、花塚弥生が殺されて周辺の聞き込みにあったるが、皆が同じことをいうのである。「あんないい人が殺されるなんて信じられない」と、恨みや妬みを買うような人物ではない、と口々にいい犯人につながる情報が得られない。
ミステリー小説で、「いい人」と何度もいわれると表の顔とは別に、裏の顔があり二面性のある人物なのではないか?と疑ってしまったのは、自分だけでしょうか。そうしているうちに、あれもこれもが疑わしく思えてくる魔法にかかっていくのです…。
巡り会い
カフェの店主である花塚弥生さんは、巡り会いを大切にしている人だったそうです。さまざまな人との巡り会いが人生を豊かにしてくれると考えていたのです。
これは、人もそうですが、本でも同じことが言えるのではないでしょうか。読んだ内容に感銘を受けて影響されたり、考えさせられるテーマに自分自身も頭を悩ませたりとすることで、人への接し方や相手を思いやりる気持ちも変化してくるはずです。
そんな本への巡り会いを期待しながら、本を手にするのもよい考えなのかもしれないと思ってしまいました。
人の生きがい
誰しもが生きていれば、嫌なことの一つや二つは経験します。ですが、生きていくのが心底辛いと思うような経験をする人は少数なのではないでしょうか。
汐見行伸は、震災によって二人の子供を亡くし、妻との関係も悪化の一途で、明日への希望が見出せずにいた。前を向いて歩んでいくためにお互いが選んだ道が、新たに子供をもうけることだったようです。
強いショックから立ち直れずにいるときに、その状況から抜け出すには何らかのキッカケが必要になるのではないでしょうか。趣味、仕事、家族、それらをキッカケにどん底から這い上がることも多いはずです。
人は、目標や目的がはっきりとしているときほど、前向きに生きていけると感じられます。
身代わり
汐見萌奈は、小さな頃から亡くなった二人の兄姉の話を聞かされ続けて育てられてきた。そのことでのちに「身代わりのように扱われるのは耐えられない」となって反発していくのです。
親が我が子を心配するあまり掛けているはずの言葉が、子はまった違う印象で受けとっていることもあります。愛情を持って接しているはずなのに、相手にはそれが全く伝わらない。むしろ悪い印象を与える。
言葉の重み、伝えることの難しさと重要さがズシリとのしかかってくるエピソードに、自分ならどうしていたか?っと考えを巡らせてしまいました。
感想・レビュー
刑事が犯人を逮捕しようと事件の真相を暴こうとするのは自然なことではあるが、真相を追求することで、事件に関わる人の人生を大きく変えてしまうかもしれない事柄に、どのように扱ったらよいか苦悩する松宮刑事にこの作品の魅力が詰まっているように感じられます。
事件の容疑者たちは大きな秘密を抱えている。そのことが今回の事件における謎になっているのですが、人の心理をうまくついています。大切に想っている人が隠しごとをしていると知ったときどうするのか?隠しごとが何なのか確かめたくて仕方がない人、逆に真実と向き合うのが怖いから知らないままでよいと考える人。この隠しごとを通じて、相手への接し方や言葉の伝え方の重要性にあらためて気づかされます。
現代において、家族のあり方も様々になってきています。結婚をして家庭を築く人。結婚はせずに事実婚として生活をおくる人。離婚や死別するなどし、子を親一人で育てる環境の家庭も少なくないと思います。その中で、「家族」になること、「家族」でいることに対して、一番大切なこととは何なのかを本作品では問いかけられます。それぞれの家族によって大切なものは違えども、相手への想いが重要なのは、どの家族でも一緒なのだと感慨にふけってしまいます。
まとめ
「家族」になるということ、「家族」をもうけるということを考えさせられる物語。
あなたも「家族になることとは?」という問いで、感慨にひたってはどうでしょうか。
それでは、まったです。 (‘◇’)ゞ
コチラの記事もどうぞ
おすすめ記事
コメント