こんにちは! 涙腺が完全に崩壊してしまったネイネイ(@NEYNEYx2)です。
今回は、2015年に「屋上のウインドノーツ」で第22回松本清張賞を受賞した、額賀澪(@NUKAGA_Mio)さんの『風に恋う』を読みましたので、あらすじや感想・レビューをご紹介します。
部活に青春をささげているあなた、自分の進む道べき将来にまよっているあなた、そんなときに読むにふさわしい物語。
『風に恋う』額賀澪【あらすじ&概要】
あらすじ
突然部長に指名された一年生男子。嫉妬、大学受験、ブラック部活問題を乗り越え、全日本へ行けるのか!?
吹奏楽感動長編。(「BOOKデータベース」より)
おすすめポイント
吹奏楽部にすべてをささげる高校生の茶園基、自分のやりたいことがわからずに迷子になっている吹奏楽部のコーチの不破瑛太郎、この二人のそれぞれが抱える問題と、苦悩しながらも自分なりに答えを導きだそうとする姿に惹きつけられます。
いちいち心にグサグサ突き刺さるような言葉の連続で、感情を揺さぶられ涙腺の蓋がゆるみっぱなしになること必死です。
目標と理想
練習に身が入っていない吹奏楽部の生徒に向けていった、こちらの言葉があります。
「全日本に出たいという目標は素晴らしいが、君達には目標があっても理想がない。闇雲に目標を追いかけて、追いかけることがマンネリ化して、モチベーションが下がってる」
(P51より)
目標は掲げたけれど、目標を達成するために今の自分に足りない部分を考えて、それを実行したのか?っと問われています。
目標を立てただけでは意味がなくて、それを成し遂げるために必要なことを「自分で見つけ」その上で「行動する」ことが重要だと気づかさせれます。
ブラック部活動
最近なにかとニュースで目にすることの多い「ブラック〇〇〇」ってありますが、この作品の中でもブラック部活動が取り上げられています。
顧問からの体罰や罵声、炎天下の中で水分補給をゆるされない、異常なほどの練習量、つい先日も話題になったルールを逸脱したプレー問題がありました。
そういった問題で、直さなければいけないところはキチンと正して、でもそれで部活を精一杯やってる人達がやりにくくい環境にならないようにと、本作品に訴えかけられます。
好きなこと
本書の中で自分自身が一番好きなフレーズがこれです。
好きなものを好きでいるには、覚悟がいる。我慢や努力がいる。だから彼等の「好き」を守りたい。好きなものを嫌いにさせない。好きでいることで、彼等を傷つけさせない。
好きなものを真剣に抱きしめた時間が、人を大きくする。そう、信じたいから。(P267より)
自分の好きなことを続けるのは、とってもとっても難しいことなのだと。
うまくいかないことへの焦りや苛立ち、しんどさ、周囲からの冷ややかな目、親からのプレッシャー、それらを抱えてもなお「好き」でいられることがあるなら、それはとっても幸せなことだといえます。
感想・レビュー
部活動をする生徒が抱える「部活と勉強の両立」や「自分が将来なにをやりたいか」といった学生なら誰しもが考えるテーマあり、それにもがき苦しみながらも、ひたむきに打ち込む姿に胸が熱くならないわけがありません。
また、コーチという大人の視点が加わることで「学生時代の失敗や後悔」が際立って、こういうことに注意しなくちゃダメだよと語りかけてきます。
そして、それらをすべてをのみこむ心地よい風が吹き抜けて「ああ、明日も頑張ろ」って思える作品です。
まとめ
青春の真っ最中の学生が読んでも、社会人になった大人が読んでも、心に響いて号泣すること間違いなしの作品。
読み終えた後に吹き抜ける、この清々しい風にあなたも酔いしれてみてはどうでしょうか。
それでは、まったです。 (‘◇’)ゞ
『風に恋う』のPV
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