こんにちは! ネイネイ(@NEYNEYx2)です。
読んだあとイヤな後味を残すミステリーである「イヤミス」。読んでいて不快に思ったり、嫌な結末で締めくくられたりするが、その独特な展開にハマってしまう中毒性があります。
今回はそんな、イヤミス作品の中から『おすすめイヤミス小説』をご紹介します。
まだ、読まれていない本があれば、これを機に読んでみてはいかがでしょうか。
面白いおすすめイヤミス小説
『告白』湊かなえ
あらすじ
「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」中学校の1年B組。終業式の日に担任である森口悠子は、教師を辞めることを生徒たちに告げた。その原因とされる、娘がプールに転落して亡くなったことについて語りだす。犯人である「A」と「B」をあげながら、すでに彼らには復讐を仕掛けた、と宣告して去っていく…。
おすすめポイント
大切なものを失った哀しみと憤りは、きれいごとだけでは語れない。それは、教師という立場にあっても同じである。さらけだされた、人の心の奥底を覗き見すれば、嫌悪感を抱くかもしれないが、それが人なのだと感じさせ、物語に引き寄せられてしまう。事件の関係者たちの独白に、人間としての本性が透けて見え、それが読者に深い余韻を残していく作品。
『殺人鬼フジコの衝動』真梨幸子
あらすじ
十数人を殺害した伝説の殺人鬼であるフジコ。彼女が11歳のとき一家惨殺事件にあいながら、ただひとり生き残った。その後、新しい人生を歩みはじめたはずの少女だが、いつしか道を大きく踏み外していき、伝説の殺人鬼フジコと呼ばれるように。彼女を知る人物がのこした記録小説として、フジコの壮絶な人生が明かされていく…。
おすすめポイント
両親からの虐待、学校でのいじめ、そんな環境で成長していった少女。そして、11歳の彼女が遭遇した事件により、転機を迎えるかに思えたが、さらに歪んだ人生を歩んでいく。読み進めれば気持ちが沈んでいくのがわかっているのに、先へ先へと進んでしまうから不思議だ。
1人の少女があゆんだ壮絶な人生を見せつけられ、つねに心がざわついてしまう物語。
『ユリゴコロ』沼田まほかる
あらすじ
亮介は、実家の押入れから「ユリゴコロ」と書かれた4冊のノート見つけた。そこには、殺人に魅了された人間の告白が生々しく記されていた。
創作とは思えぬノートの内容に、亮介の心は揺り動かされノートの真相に迫っていくのだが…。
おすすめポイント
ふとしたことから手にしたノートに惹きつけられていく青年。彼と同じように読者も物語に引き込まれていく。ノートには、抑えることのできない殺意だけでなく、もう一つの感情である愛についても綴られているところが、この物語の見どころでもある。
ノートに綴られた罪の告白を前にして、心をゾワつかせる感覚に浸ることのできる作品。
『暗黒女子』秋吉理香子
あらすじ
聖母女子高等学院で、もっとも人気がありカリスマ性を合わせもつ女生徒である白石いつみが、校舎の屋上から落下して亡くなった。1週間後に集められたのは、彼女を殺したと噂されている文学サークルの少女たちだ。
朗読会のなかで、一人ずつ彼女の死について発表していくことに。だが、彼女たちの証言は、事件を思いがけない方向へと…。
おすすめポイント
人気者であった女子の死から、彼女の死にまつわる朗読会での矛盾する証言。誰もが疑わしく思えてくる展開に、謎は深まるばかり。少しずつ見えてくる彼女たちの素顔にゾクッとさせられる。
お嬢様学校におけるヒリつく交友関係や心の機微に吸い寄せられて、目が離せなくなっていく物語。
『名もなき毒』宮部みゆき
あらすじ
今多コンツェルン広報室で働くアルバイトの原田いずみは、仕事のできないトラブルメーカーであった。そんな彼女を解雇したのだが、そのことを根に持ち会社に牙を剥いてきた。彼女との連絡窓口となり対処にあたる杉村三郎は、経歴詐称の裏付けをはじめていく。一方で、ちまたでは連続毒殺事件が騒がれていたのだが…。
おすすめポイント
平穏な日常に潜んでいる悪意。人は誰しもが心に毒をたずさえており、それが表にでることで事件へと繋がる。そんな世に蔓延している毒を恐ろしく感じるが、同時にどう向き合っていくのかを考えさせられもする。現代社会のありふれた日常のなかに隠された「毒」を、強いメッセージ性をもち心に刻み込まれる物語。
『許されようとは思いません』芦沢央
あらすじ
誤発注をしてしまった営業マン、飛躍する子役とその祖母、運命に支配されし画家の秘密、姉の逮捕により追い詰められていく主婦、罪を犯した祖母の納骨をしにきた青年。
日常にあふれる狂気を描きだし、深く人間の心に入り込むでくる、5つの短編集。
おすすめポイント
全体にただよう陰鬱な雰囲気のなかで、人の心の弱さ、醜さ、狡猾さが描かれていく。どれも日常でおこりえる話に、リアリティがあり読者は共感させられ感情移入してしまう。
日常に転がるできごとに足を滑らせ、人の心に潜んでいる闇が浮かび上がり、胸を締めつけられる痛みがおとずれる作品集。
『悪の教典』貴志祐介
あらすじ
さまざまな問題を抱える東京都町田市の高校で、英語教師をしている蓮実聖司は、爽やかで生徒や保護者、同僚から信頼され人気があった。だが、それは表向きの顔であり、素顔は自分にとって邪魔な存在を容赦なく排除する、共感性の欠如したサイコパスである。
蓮実は、自分にとって都合の悪い人びとを次々と手に掛けていく。そして、文化祭前夜に恐ろしいできごとが…。
おすすめポイント
ストーリーが進むにつれ徐々に蓮実聖司の異常さが目立つようになる。蓮実の過去を語りながら、じわじわと迫りくる恐怖と緊迫感にドキドキさせられつつ、目が離せなくなってしまう。
教師としてクラスの問題に奔走する姿と、その裏での冷酷な姿に、不気味さが伝わり背筋がゾクっとさせられる。
『ボトルネック』米澤穂信
あらすじ
恋人を弔うため東尋坊を訪れていた嵯峨野リョウ。そこで、あやまって崖下へと転落してしまった…はずだった。気づけばそこは、見慣れた街である金沢にいた。謎めいた体験を胸に自宅へもどると、そこには見知らぬ「姉」の姿が。どうやらここは、「ぼくの生まれなかった世界」らしいのだが…。
おすすめポイント
自身の世界で辛い体験をしてやってきたパラレルワールド。主人公のリョウは、自分の代わり存在している姉や自身の世界との違いを目の当たりにしていき、自分という存在を問いただしていく。若さゆえの苦悩、葛藤がなんとも痛々しくもあるが、高校生という思春期のものが抱くものであると思うと感慨深い。
ひょんなことから迷い込んだ別の世界との相違から、自身のこれまでを見つめていく姿に、選択の難しさと想像力をはたらかせて考えることの大切さに気づける作品。
『グロテスク』桐野夏生
あらすじ
日本人の母とスイス人の父の間に生まれた平凡な「わたし」。それに比べ完璧なまでの美を備えた妹のユリコ。彼女を忌み嫌う「わたし」は、名門Q女子高に入学して離れるのだが、そこはエリートが支配する階級社会だった。
ひょんなことから、周りに認められようと奮闘する佐藤和恵と知り合う。そこへ、転校してきたユリコ。「わたし」は2人を激しく憎み、おとしいれようとすのだが…。
おすすめポイント
1997年におきた「東京電力OL殺人事件」をモチーフに描かれた本作。女同士の嫉妬に確執、それに悪意が渦巻いているドロドロした世界観。これでもかと人間の醜さを見せつけながら、読者を圧倒しつつ物語のなかに引きずり込んでいく。
人間の負の感情すべてを詰め込んだ、恐ろしくも切ない、孤独を抱えた女たちの物語。
『スイート・マイホーム』神津凛子
あらすじ
長野県に住むスポーツインストラクターの清沢賢二は、寒がりである妻のひとみと可愛い娘のため、家中をたった1台のエアコンで暖められると謳った「まほうの家」を購入した。
しかし、引越し後から不可解なことが立て続けにおきはじめた。禍々しいものを凝視して静止してしまう友人、瞳に映った恐ろしい影、地下室でなにかに怯え泣きやまない娘。じわじわ歩み寄ってくる悪夢に、賢二たちは少しずつ追い詰められ心を病んでいく…。
おすすめポイント
幸せを願い購入したはずのマイホーム。安らぎを求めていたのに、ただただ戦慄するだけの場所へと変わっていく姿には、得体の知れない恐怖感とおぞましさに体を支配されてしまう。
理想の家を手にしたはずが、そこから悲劇がはじまり闇に飲み込まれていくさまは、イヤミスを超えた恐怖に満ちた「オゾミス」。
『鬼畜の家』深木章子
あらすじ
「我が家を地獄におとしいれたのは母でした…」娘が語ったのは、巧妙な殺人計画、殺人教唆、資産収奪にと母親の異常なまでのおこないの数々。
保険金目当てで家族にまで手をかけていった母親。ただひとり生き残った末娘を救うべく、元刑事である探偵の榊原聡が調査に乗りだすのだが…。
おすすめポイント
探偵の榊原聡は、不審死の真相を解き明かすため関係者をたずね、彼らの証言が語られていく。証言が進むにつれ「鬼畜の家」の歪んだ実態が浮かび上がり、人間の欲深さや醜さをまざまざと見せつけられる。
不可解な死の真相を追い求める探偵が、隠されていた真実を導きだす、『衣更月家の一族』『殺意の構図』と続いていく榊原シリーズの第1作目。
まとめ
どうですか、気になった書籍は見つかりましたか?
この記事を通して、少しでもあなたの読書生活が有意義なものになったら幸いです。
それでは、まったです。 (‘◇’)ゞ
面白いおすすめイヤミス小説 まとめ
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