こんにちは! 色彩の才能ゼロなネイネイ(@NEYNEYx2)です。
今回は、2016年「虹を待つ彼女」で第36回横溝正史ミステリ大賞を受賞しデビューした、逸木裕(@yu_itk)さんの『星空の16進数』を読みましたので、あらすじや感想・レビューをご紹介します。
自分自身の個性でお悩みでしたら、この作品をご覧になってはいかがでしょうか。
『星空の16進数』逸木裕【あらすじ&概要】
あらすじ
ウェブデザイナーとして働く17歳の藍葉は、“混沌とした色彩の壁”の前に立つ夢をよく見る。
それは当時6歳だった自分が誘拐されたときに見た、おぼろげな記憶。 あの色彩の壁は、いったい何だったのだろうか——その謎は、いつも藍葉の中にくすぶっていた。
ある日、届け物を依頼されたという私立探偵・みどりが現れ、「以前は、大変なご迷惑をおかけしました」というメッセージと100万円を渡される。
かつての誘拐事件しか心当たりのない藍葉は、みどりに誘拐事件の犯人・朱里の捜索を依頼する。
当時、誘拐事件はわずか2時間で解決されていた。藍葉の思い詰めた様子と自身の好奇心からみどりは朱里を捜し始め、藍葉は“色彩に満ちた部屋”の再現を試みる。
己の“個性”と向き合う藍葉と、朱里の数奇な人生を辿っていくみどりはやがて、誘拐事件の隠された真相に近づいていくが――。(「Google Books」より)
おすすめポイント
藍葉とみどりの独特の感性をもった2人が、仕事に悩み、苦悩し、正解を必死に追い求め、人として成長していく姿に共感をもてる作品です。
本作を読むと、色に魅せられ、色をもっと知りたくなり、勉強したくなっちゃいます。
16進数とは
タイトルにある、16進数とはウエッブデザイナー等が使用している「カラーコード」のことで、色を表現するために用いる文字の羅列をいいます。
「カラーコード」は、#の後に6桁の文字が並び、最初の2桁が「赤」、真ん中の2桁が「緑」、最後の2桁が「青」になります。
文字列は「16進数」で表していて、0~9、A~Fの16種類で、0が一番薄い色で、Fが一番濃い色となっています。
本作品の中には、カラーコードが多数でききますので、カラーコード変換サイトなどを利用して、スマホ片手に色を確認しながら読み進めると物語を理解しやすくなるのでお勧めです。
個性
本書の中では、個性的な2人が描かれていますが、自分が開発エンジニアをしていた時にも、周りにいた人達の中には独特な個性をはなった人が多かった印象があります。
そのせいで話し合いの場で意見が対立し、前に進まないこともしばしば……。でも、重宝される人達の多くは個性の強い人が多く、そういった人達はみな技術力が群を抜いていました。
「個性が強い」というと、どことなく癖があり、あまり良い印象を持たないイメージもありますが、周りにはない独自のモノをもっていることで、他の人では代えがきかないともいえます。
個性について深く考えさせられます。
気づき
藍葉もみどりも仕事の仕方で、悩んでいるところが描かれていますが、そんな状態を抜け出すのに「気づき」が大きく影響しています。
「気づき」の過程は、自己学習、周りのサポート、経験などさまざまだと思います。 気づきを得られれば、モノの見方が変化し、今までにない視点で仕事にプラスの影響を与えることになります。
その「気づき」の過程を本書の内容と、自分自身の会社での仕事の仕方と比較しながら、読み進めるのも面白しろいですね。
感想・レビュー
本作品では、「藍葉のパート」と「みどりのパート」が交互に展開されて物語が進んでいきます。(最近読んだ本だと、「白墨人形」も過去と現在のパートをいききする構成です)
2つのパートをいききすることで、物語の内容が理解しやすく読みやすくなっています。
また、後半の真相が徐々に明らかになってくる展開においては、この交互のパートが絶妙な間隔で入れ替わることで「いい場面で流れるTVのコマーシャル」のように次の展開が気になる効果が生まれ、ページをめくる手が止まらなくなる衝動にかられます。
まとめ
「ものづくり」をなりわいにしている方なら、共感する部分が多い作品になっています。
あなたも「ものづくり」の仕事にしている、あるいは興味があるなら、この作品を手に取ってみてはどうでしょうか。
それでは、まったです。 (‘◇’)ゞ
『星空の16進数』のPV
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