こんにちは! ネイネイ(@NEYNEYx2)です。
寒気を感じるほどの恐怖体験。怖いとわかっていながら、ついつい見てしまうホラー小説。
今回はそんな、背筋をゾクッとさせられる作品の中から『2023年版おすすめホラー小説』をご紹介します。
まだ、読まれていない本があれば、これを機に読んでみてはいかがでしょうか。
【2023年版】面白いおすすめホラー小説
サイコ系ホラー小説のおすすめ
『黒い家』貴志祐介
あらすじ
生命保険会社の京都支社で、保険金の支払い査定をおこなっている若槻慎二。あるとき、顧客の家に呼ばれ訪問した先で、子どもが首を吊った状態で亡くなっているのを発見してしまう。
ほどなくして、死亡死亡保険金が請求されたのだが、顧客の態度に不信感をつのらせた若槻は、独自の調査に乗り出していく。しかし、それが悪夢のはじまりになろうとは思ってもいなかった…。
おすすめポイント
保険金をめぐり描かれる人間の怖さ。欲望のためなら手段は選ばずに、躊躇なく実行する人間の恐ろしさがヒシヒシと伝わってくる。また、ひょっとしたら自分の身にこんなトラブルがおきるのでは、と思わせる恐怖感もある。
元保険会社に勤務していた著者ならではの、迫りくる人間の恐さを強烈なまでに心に刻み込まれる作品。
『リカ』五十嵐貴久
あらすじ
印刷会社に勤める本間隆雄は、家族を愛する42歳の平凡なサラリーマン。軽いノリではじめた「出会い系サイト」で、ひとりの女性と知り合った。「リカ」と名乗る彼女とやり取りをしていたが、次第に常軌を逸した行動が目立ちだしたため、本間は携帯の番号を変えて連絡を断つことに。
しかし、リカの執拗なまでのストーキングに追い詰められていく。周囲の者にまで被害がおよび、本間はリカとの対決を決意するのだが…。
おすすめポイント
異常なまでの手段で追ってくる女性リカ。何をしでかすか分からない彼女が、じわじわ迫りくる不気味さにハラハラさせられる。そんな、現実でもおこりそうなストーカーの恐ろしさが、恐怖感を増幅させていく。
狂気に満ちた1人の女性が、徐々に忍び寄ってくる恐怖に戦慄を覚える作品。
『殺戮にいたる病』我孫子武丸
あらすじ
東京の繁華街でつぎつぎと猟奇的な殺人を繰り返していた蒲生稔が逮捕された。通報したのは、独自の調査を進めていた元警察官の樋口。その逮捕現場には、息子が犯人なのではと疑っていた、母親の雅子の姿もあった。
そして物語は、これまで蒲生稔がおこなってきた残忍な犯行があかされていくのだが…。
おすすめポイント
街でくり返される猟奇的殺人事件。冒頭の犯人逮捕のシーンからはじまり、犯人、元刑事、犯人の家族、という3つの視点から事件をさかのぼって語られていく。グロテスクな描写も多いが、ぐいぐい読者を引き込んでいき、驚きの展開にしばし言葉を失う。
シリアルキラーの男がこれまで歩んできた軌跡に、恐ろしさとともに衝撃を受ける物語。
『闇祓』辻村深月
あらすじ
転校してきたばかりの要は、クラスに馴染めずにいた。そんな彼に親切にしていた委員長の澪。しかし、そんな彼女に要は不審な態度を見せはじめる。
突然「今日、家に行っていい?」と言ってきたり、家の周りに出没したりと。あやしい行動を繰り返す彼に恐怖を覚えた澪は、憧れの先輩である神原に助けを求めるのだが…。
おすすめポイント
学校、隣人、同僚、そして家族にと、さまざまな場所で自分の思いや事情を一方的に相手に押しつけ、不快にさせる闇ハラスメント。何気ないく言ったことが相手を追い詰め、おかしくさせていくさまは現実世界にもあるように思わせ、背筋がゾッとさせられる。
名前をつけようのない悪意が、身近な日常のなかで広がって人の心を蝕んでいく闇ハラに、自分の近くにも存在するかもしれぬ怖さを感じさせる作品。
『殺人鬼 覚醒篇』綾辻行人
あらすじ
90年代のある夏に、双葉山をおとずれた「TCメンバーズ」の面々。突然あらわれた殺人鬼によって、次々と惨殺されていく。血しぶきが夜をまい、引き裂かれた肉が散乱する。
いつまで続くのかわからぬ地獄に惑わされてはいけない。惨劇の裏に仕掛けられた驚愕のトリックとは…。
おすすめポイント
双葉山にサマーキャンプをしに訪れた親睦団体のTCメンバーズ。だが、そんな楽しいひと時も、殺人鬼によって一変する。まるで、スプラッター映画のような残虐極まりないシーンの連続に目を覆いたくなるが、その裏ではある仕掛けが…。
グロテスクな表現が苦手な人は決して手を出してはいけない、読み手を選ぶミステリー作品。
『ぼっけえ、きょうてえ』岩井志麻子
あらすじ
岡山の遊郭で醜い女郎が寝つけぬ客に、身の上話をぽつりぽつりとはじめた。血と汚辱にまみれた地獄道であった彼女の人生には、ある秘密が隠されていた…。
岡山地方の方言で「とても、怖い」という意味の表題作を含む、4つの短編集。
おすすめポイント
閉鎖された田舎で暮らす人びとの貧困や差別がもたらす、心の闇がおぞましい4つの短編。閉さ゛された社会での息苦しさと、人の業の深さを感じさせ、不気味な情景に魅せられていく。
岡山の方言で語られる人の悪意と愛憎に、怖さと哀しみが迫りくる作品集。
『夏と花火と私の死体』乙一
あらすじ
9歳の「わたし」は、夏休みにあっけなく殺されてしまった。幼なじみのあの子によって。「わたし」の死体を巡り、犯人とその兄が隠そうと奔走していく。
幾度となくおとずれる危機に、彼らは大人たちの追及を逃れようと画策していくのだが…。そんな彼らをすぐそばで眺めているのは死体になった「わたし」。
おすすめポイント
死んでしまった「わたし」の視点で、物語が語られていく斬新な本作。いつ死体が発見されてもおかしくないハラハラ感と、子どもであるが故の残酷さが、サスペンス感を増していき読者を飽きさせない。
幼くも恐ろしい子どもたちの夏休みを斬新な語り手によって描かれ、ゾクっとさせられる作品。
ファンタジー系ホラー小説のおすすめ
『夜市』恒川光太郎
あらすじ
不思議な市場「夜市」では、妖怪たちがさまざまな品物を売っている。そこでは望むものは、なんでも手に入れることができる。幼いころ迷い込んだ夜市にて祐司は、弟と引き換えにして「野球の才能」を手に入れていた。エースとして野球部で活躍するまでに成長した裕司だが、たえず罪悪感に苛まれていた。
再びこの夜市をおとずれた今夜、弟を買い戻すため裕司は、強い意志のもと足を踏み入れていく…。
おすすめポイント
対価と引き換えに、ありとあらゆる物が手に入る「夜市」。日常からふと迷い込んだ別世界は、妖しくも興味をそそられるもので溢れている。それは、誰しもが子どもの頃におとずれた夏祭りのような懐かしさを抱かせ、読み手もいつの間にかその世界観に引き込まれていく。
幻想的でいて美しくも切なくもある雰囲気に、心惹かれ異界にいざなわれてしまう物語。
『秋の牢獄』恒川光太郎
11月7日の水曜日である1日を何度も繰り返している女子大生の藍。なにをしても、朝になればすべてリセットされ日々。そんな悪夢のようななかで、彼女と同じ「リプレイヤー」の隆一に出会って…。
美しく彩られた世界に魅せられる、3つの短編集。
時間や不思議な家といった、ある空間に閉じ込められる人びとを描いた3つの物語。日常のすぐそばにある異世界にいざなわれ、理不尽さと不安に掻き立てられるが、どこか居心地のよさを感じさせるから不思議だ。
それぞれが何かに囚われる者たちを描き、読み手の想像意欲をたっぷりと刺激させる、儚くも美しい怪奇幻想譚。
『Another』綾辻行人
あらすじ
1998年の春。夜見山北中学校に転校してきた榊原恒一は、3年3組のなにかに怯えているような暗いクラスの雰囲気に違和感を覚えた。左目に眼帯をしている不思議な少女であるミサキ・メイに惹かれていく。しかし、他のクラスメイトは彼女を認識していないようだった。
そんなある日、ある生徒の凄惨な死がおきた。3年3組で一体なにがおきているのか…。
おすすめポイント
なにかがおかしい3年3組。重苦しい空気がただようなか榊原恒一は、少しずつ募っていく違和感に苛まれていく。ついには、理不尽な不幸がおきはじめ、謎が深まるとともに恐怖が襲ってくる。
不思議でいて、おどろおどろしい雰囲気に魅了され、謎の真相を夢中で追いかけてしまう物語。
『玩具修理者』小林泰三
あらすじ
子どもだけが知っている、なんでも直してくれる玩具修理者。壊れたものを全部バラバラにして、奇妙な声とともに瞬く間に完成させてしまう。どんなに複雑であろうと、たとえ死んでいようとも。
ある日、幼ないころの私はあやまって弟を死なせてしまう。親に怒られると思った彼女は、どうにかしようと玩具修理者のところへ弟を持っていくのだが…。
おすすめポイント
どんなものでも直してしまう玩具修理者に、あやまって死なせた弟を連れてきた。現実から非日常にいざなわれ、いつの間にか不思議な世界に足を踏み入れとらわれてしまう。
ホラーに、SFものにとテイストの違う2編に、見慣れた日常が揺らいでいく感覚を味わうことになる作品集。
『夜行』森見登美彦
あらすじ
ある英会話スクールに通う6人の仲間は、鞍馬の火祭を見物にでかけた10年前の夜に、仲間の一人である長谷川さんが姿を消した。昔の仲間5人で鞍馬の火祭のため10年ぶりに集まったのは、彼女のことを誰も忘れられずにいたからだ。
夜が更けていくなか、それぞれが旅先で出会った不思議なできごとを語りだす。彼らは、みなが岸田道生という画家の描いた「夜行」という絵画を目にしていた。はたして彼らは、ふたたび長谷川さんに会えるのか…。
おすすめポイント
仲間たちで出かけた鞍馬の火祭で、神隠しにあったように長谷川という女性が姿を消してしまう。それから10年後、残された者たちでふたたび鞍馬の火祭をおとずれ、それぞれ旅の思い出を語りだす。仄暗い夜道をひとりで歩いているような不安な気分にさせられ、ざわざわとした不穏さが、なんとも言えぬ余韻を醸しだす。
夜の静けさと不安がせまり不穏な感覚をおぼえながらも、不可思議な世界にいざなわれ魅せられてしまう物語。
怪奇系ホラー小説のおすすめ
『ぼぎわんが、来る』澤村伊智
あらすじ
幸せな新婚生活をおくっていた田原秀樹。あるとき彼の会社に、とある来訪者があった。それをきっかけに、秀樹の周りで超常現象というほかない怪異なできごとが頻発していた。
怪異から愛する家族を守るため、伝手をたどり比嘉真琴という女性霊媒師をたよることになった秀樹。はたして、迫り来るとてつもなく凶暴な存在から逃れられるのだろうか…。
おすすめポイント
イクメンである田原秀樹の「訪問者」、秀樹の妻である香奈の「所有者」、オカルト・ライターである野崎の「部外者」の3つの章で構成される本作。得体の知れないものが近づいてくる恐怖と緊迫感に、不安を掻きたてられ目が離せなくなっていく。また、視点が変わることで浮かび上がる人間の闇も見どころの一つとなっている。
日常が脅かされる怪異に、恐ろしさと不気味さを堪能しつくすことのできる物語。
『残穢』小野不由美
あらすじ
小説を生業にしている「私」のもとに、ファンの女性から1通の手紙が届いた。怖い話を募集したところ、その呼びかけに応えたものだった。彼女によれば、マンションでなにかが畳を擦るような音がするというのだ。
興味をそそられた「私」は調査をはじめるが、怪異に悩まされているのは他にもあることが判明していく。浮かび上がってくる事実の数々、その先にまっている真相とは…。
おすすめポイント
ルポルタージュ形式で語られるため、実話のようなリアルさがある本作。派手さはないがジリジリ伝わる恐ろしさに、読後も頭から離れずにあとから恐怖がやってくる。それが本作の特徴であり、厄介なところでもある。
現実と虚構の区別がつきにくい語り口に、自分の周りでも怪異がおきるのでは、と恐怖心が募っていく物語。
『火のないところに煙は』芦沢央
あらすじ
「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」。そんな依頼に作家である「私」は、8年前の凄惨な体験を思い出す。
結婚を考えていた恋人の男性とともに、当たると評判の「神楽坂の母」という占い師をたずねた角田尚子。だが、結婚は不幸になると告げられ、ふたりの関係はギクシャクしていき、ある悲劇が。ある日、仕事でたずさわった交通広告のポスターに奇妙なシミが見つかり…。(「染み」)
おすすめポイント
フィクションをドキュメンタリーのように描かれた本作。あたかも実話かな、と思わせるようなリアルな話に恐怖を覚えつつも、読み進めた先におとずれる仕掛けに背筋が凍りつく。
リアリティのある一つ一つの話に慄きながら、じわじわ迫りくる恐怖にゾッとさせられる。
『首無の如き祟るもの』三津田信三
あらすじ
奥多摩にある媛首村。そこは、かつて首を斬られて亡くなった女の怨霊である淡首様の伝承が残る地でもある。そんな村の秘守家には、13歳になると「十三夜参り」という儀式があった。
その儀式のさなか惨劇ははじまり、さらには10年後にも悲劇がおきていき…。
おすすめポイント
媛首村でおきた2つの未解決事件。巧妙に練りあげられた構成、密室の謎にトリックや叙述にと、仕掛けがふんだんにあり、読者はそれに振り回されながらも存分に楽しめる。また、怪異なその雰囲気もまた本作を盛り上げている。
怪異とミステリーの融合された世界観を堪能しながらも、謎解きを存分に味わうことのできる「刀城言耶」シリーズ第3作目の傑作。
『るんびにの子供』宇佐美まこと
あらすじ
生い茂った草があるため入ることを禁じられた池で、園児たちが水から上がってくる同い年くらいの少女を茫然と眺めていた。のちに、園でも女の子を見かけて…。(「るんびにの子供」)妹を嫌っている姉が、犬の散歩で目にした片方のみの手袋。いつの間にか家に近づいてきて…。(「手袋」)
普段の暮らしにそっと忍び寄ってくる怪異を描いた短編集。
おすすめポイント
日常のなんでもない暮らしなかで、ふとした瞬間に顔をのぞかせる怪異を描いた本作。怪異を描きつつも、人間の心の奥底に潜んでいる闇を浮かび上がらせ、じわじわと恐怖が迫ってくる。
なんでもない生活のなかで、人間の心の隙間に入り込んでくる、じっとりした怖さを味わえる作品集。
『リング』鈴木光司
あらすじ
苦悶の表情とともに4人の少年少女たちが、同日の同時刻に亡くなった。姪の死を不審に感じた雑誌記者の浅川は、怪死の真相を調査しはじめた。そして手にしたひとつのビデオテープ。
彼らは、このビデオテープを見た1週間後に死亡している。恐怖と期待が入り交じるなか浅川は、デッキに震える手でビデオテープを差し込んだ。画面に光があらわれ、静かに再生がはじまり…。
おすすめポイント
そのビデオを見たものは1週間後に死ぬという呪いのビデオ。呪いを解くため探っていくミステリー要素に加えて、にじり寄るようなスリルと恐怖に、興味をそそられ目が離せなくなってしまう。
忌まわしいビデオをめぐる謎解きと、迫りくるタイムリミットに、恐怖心を煽られるホラーを堪能できる作品。
『背の眼』道尾秀介
あらすじ
作家である道尾が、旅先の白峠村で耳にしたなんとも不気味な声。彼は恐ろしさのあまり、「霊現象探求所」を営んでいる真備のもとをたずねた。そこで目にしたのは、被写体の背中に人の眼が写った4枚の心霊写真だった。
しかも、それらは白峠村の近くで撮られもので、のちに彼らは全員が自殺しているのだという。はたして偶然なのか、それとも。真相を追い求めて、道尾は再び白峠村に向かうのだが…。
おすすめポイント
子どもの神隠しが頻発する白峠村で、作家の道尾はなんとも言えぬ声を耳にする。真相を探るため、霊現象探求所をかまえる友人の真備のもとへ。少年たちの失踪、4枚の心霊写真とが漂わせる怪しさに惹かれ、謎解きに魅入ってしまう。
売れない作家がおとずれた白峠村をめぐる数々の謎に、不気味さを感じつつもミステリーを堪能できる物語。
『天使の囀り』貴志祐介
あらすじ
ホスピスで終末期医療にたずさわる精神科医の北島早苗。恋人の高梨は、異常なまでの死恐怖症であった。だが、新聞社主催のアマゾン調査隊に参加してから人格が変わったのごとく死に魅せられ、自殺をしてしまう。
さらには、他の調査隊メンバーも、異常な方法で次々に自殺を遂げていることがわかった。アマゾンで、なにがあったのか。迫りくる死の予兆と快楽への誘惑が、漆黒の闇へといざなう…。
おすすめポイント
アマゾン奥地を調査したメンバーたちが、帰国後に異常なまでの自死を遂げていく。亡くなる直前に「天使の囀りが聞こえる」といった高梨の真意に迫りながら、おぞましい描写に背筋がゾクっとさせられる。
抗うことができずに人格が変貌していく姿に、いいようのない恐ろしさが込み上げてくる作品。
おすすめホラー小説まとめ
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それでは、まったです。 (‘◇’)ゞ
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