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『骨を弔う』宇佐美まこと【あらすじ/感想】人生に向き合うための自分探しの旅

こんにちは! 著者が女性だったとあとで知ったネイネイ(@NEYNEYx2)です。

2017年『愚者の毒』で第70回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門を受賞した、宇佐美まことさんの最新作の『骨を弔う』を読みましたので、あらすじや感想・レビューをご紹介します。

人生の分岐点に立たされたなら、ぜひ読んでいただきたい作品です。

 

目次(タップできます)

『骨を弔う』宇佐美まこと【あらすじ&概要】

あらすじ

骨格標本が発掘されたことを報じる地元紙の小さな記事を見つけた家具職人・豊は、数十年前の小学生時代、仲間数人で山中に骨格標本を埋めたことを思い出す。
しかし、それは記事の発掘場所とは明らかに異なっていた。同時に、ある確かな手触りから「あれは本当に標本だったのか」との思いを抱いた豊は、今は都内で広告代理店に勤務する哲平に会いに行く。
最初は訝しがっていた哲平も、ふと、記憶の底に淀んでいたあることを口にする。
リーダー的存在だった骨格標本埋葬の発案者・真実子の消息はわからないまま、謎は思いも寄らぬ方向に傾斜していく。

(「amazon内容紹介」より)

おすすめポイント

29年前の小学校時代に5人でいった骨を山の中に捨てにいった楽しい思い出の小旅行から、大人になりそれぞれが闇を抱えて生活しています。

ある人は、夫に虐げられて家に居場所がないもの。ある人は、震災で家族をすべて失い、生きる希望を見いだせないもの。

そんな日々が、29年前の真相を探す旅の中で、徐々にそれぞれの心境に変化が生まれていく過程が本書の見所です。

 

目次が存在しない

最初に気になったのが、本の冒頭にあるはずの「もくじ」が存在していなかったことです。

大抵の本にはそれがあるはずですが、というか、なかったことが今まで自分は経験がなかったので戸惑いました。

ネイネイの驚き顔
ネイネイ
なんでそれがないのかな⁉

 

また、他にも登場人物を紹介する時に、下の名前はあるのですが、なかなか苗字がでてこなかったりで頭の中にうまく登場人物がはいってこなかったです。

それもこれもすべて著者の罠だと知るのはこの本を読み終わった時でした……。

ルーシー
ルーシー
すでに術中にハマっていたのね。

 

犯人は重要じゃない

ミステリーというと犯人を推理したりすると思いますが、この作品においてはそれは重要ではありません。

何故なら、結構早い段階で犯人の目星がついてしまうように物語が構成されているからです。

重要なのは、そうなった経緯やそれに関わる人間関係がどう絡み合っているのかという所です。

モンブラン
モンブラン
重要なモノは他にあるとはな!

 

この作品の良さは……

読み進めていくと途中で犯人もおおよその検討もでき、物語としてだいたい理解したと思ってしまいます。

ですがチョットだけ我慢してください。 メインディッシュはまだなので。コース料理の前菜だけ食べて満足してしまっては非常にもったいない。

最後にこの作品の最大のメインがまっているので、それまでどうぞ辛抱して読み進めてください。

ネイネイの泣き顔
ネイネイ
最後におとずれる感動に涙します。

 

感想・レビュー

少年が大人になるにつれて直面する問題に対して、それぞれがどう向き合っていくのかを描いた様はさすがの一言。

本書にでてくる言葉で頭の中にずっと残っている下記の内容があります。

この世界は、まだまだ捨てたものじゃない。

(P318より)

人生長く生きていれば、辛いことも、悲しいことも、理不尽なこともたくさん経験するけど、それも含めて人生で、歩みをやめなければいつかそんな日々も自分の糧になると。

本作品から、そんな苦難を乗り越えていこうとする勇気をちょっぴり分けてもらったように思います。

 

まとめ

人生の進むべき道に迷ってしまった人も、この作品を読んで自分探しの旅にでかけてはいかがでしょうか。

この作品を読み終えたときには、それまで覆っていた霧が晴れるような気分になることでしょう。

それでは、まったです。 (‘◇’)ゞ

『骨を弔う』のPV

 

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この記事を書いた人

30代の元開発エンジニア。本の書評多め(ミステリ、ファンタジー、気になった本を読む雑食系)。現在は、自由な働き方で生活していけるように、日々の『喜び・怒り・悲しみ・楽しみ』を書きつづっています。

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