こんにちは! ちょっと背中が涼しくなったネイネイ(@NEYNEYx2)です。
今回は、芦沢央(@AshizawaYou)さんの『火のないところに煙は』を読みましたので、あらすじや感想・レビューをご紹介します。
怪談話が苦手な人でも、ミステリー要素があることで1度読みだしたら「謎」を追い求めて最後まで読んでしまいたくなる、暑くなってきたこの季節にピッタリの涼しくなれるこの本を手にしてみてはいかがでしょうか。
『火のないところに煙は』芦沢央【あらすじ&概要】
あらすじ
「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」突然の依頼に、作家の「私」は、かつての凄惨な体験を振り返る。
解けない謎、救えなかった友人、そこから逃げ出した自分。「私」は、事件を小説として発表することで情報を集めようとするが—。
予測不可能な展開とどんでん返しの波状攻撃にあなたも必ず騙される。
一気読み不可避、寝不足必至!!読み始めたら引き返せない、戦慄の暗黒ミステリ!(「BOOKデータベース」より)
おすすめポイント
自分は、怪談作品をほとんど読まないのですが(怖いの苦手なので…)、この作品は怪談+ミステリーになっているおかげで「この謎、めっちゃ気になる~」っとどんどん読み進めてしまいました。
6話からなる短編小説になっていて、1話1話がそれほど長くない話なのでサクサク読めるのも良かったです。
モキュメンタリー
本作品には「モキュメンタリー」という手法が用いられていて、フィクションをあたかも実際に起こったできごとのように描く手法のことで、映画では「パラノーマル・アクティビティ」に用いられています。
この作品を読むとフィクションなのか実際に現実に起きたことなのかわからない「リアリティ」がそこにあります。 というのも、著者の芦沢央さんが執筆中に実際に車にひかれそうになったそうで、そういった実体験をおりまぜることで、より物語が面白く、あたかもノンフィクションのように思えてきます。
おすすめの話
個人的には、2話の「お祓いを頼む女」がお勧めです。
「わたし、祟られているんです 」という母親がお祓いをお願いしてくる話なのですが、この母親は怪現象をすべて「祟り」のと決めつけてしまっています。
この「祟り」のミステリーがやがて解き明されていく推理でけでは終わらないところが、この作品の魅力でもあります。
最終話
最後の話は20ページ程だったので、その他の話より少ないこともありそれほど期待していなかったのですが、このラストは凄かった……。
それまで意味をなさなかったピースが一気に1つに集まり、それらが形を成していくさまはミステリー作家ならではの表現で鳥肌が立つ瞬間でもあります。
この話が付け足されることで、この作品が何倍にも面白くも怖くもなっているんです。(昼間に読んでてよかったw)
感想・レビュー
怪談という論理的に説明のつかない「謎」と、ミステリーの論理的に解き明かそうとする構図がかけあわさることで、物語に、怪異に引き込まれて抜け出せなくなります。
読み終わったあとも、怪異の解くことのできない「謎」が頭の中にのこり、「アレは、いったいなんだったんだろう」っと頭の中で考えをグルグルと巡らせてしまいます。
まとめ
新ミステリーの女王の名にふさわしい、戦慄の暗黒ミステリー作品に仕上がっています。
あなたも、この実体験とフィクションからなる怪談ミステリーを1度あじわってみてはいかがでしょうか。
それでは、まったです。 (‘◇’)ゞ
『火のないところに煙は』のPV
コチラの記事もどうぞ
おすすめ記事
コメント