こんにちは! あのフレーズが口癖になりそうなネイネイ(@NEYNEYx2)です。
今回は、スティーブン・キングさんに「わたしの書くものが好きなら、この本を気に入るはずだ。」と賛辞をおくられた、C・J・チューダーさんの『白墨人形』を読みましたので、あらすじや感想・レビューをご紹介します。
すべての謎が解き明かされたとき、あなたは叫ばずにはいられないでしょう。
『白墨人形』C・J・チューダー【あらすじ&概要】
あらすじ
あの日。僕たちが見つけた死体。そのはじまりは何だったのか。僕たちにもわからない。みんなで遊園地に出かけ、あの悲惨な事故を目撃したときか。白墨のように真っ白なハローラン先生が町にやってきたときか。それとも僕たちがチョークで描いた人形の絵で秘密のやりとりをはじめたときか――
あの夏。僕には四人の友達がいた。太り気味のギャヴ、不良を兄に持つミッキー、シングルマザーの息子ホッポ、そして牧師の娘ニッキー。
不良たちに襲撃されることも、僕がニッキーへの恋に胸を焦がすこともあったが、この日々が終わるなんて考えたこともなかった。でも町では悲劇に至る不和が広がりはじめていたのだ。
僕の母の診療所への反対運動をニッキーの父が煽り、ミッキーの兄に悲劇が降りかかり、少女の妊娠騒ぎが起こり、大人たちのあいだにも僕たちのあいだにもヒビが入りはじめた。
そして、あの事件が起きた。あの子が殺された。森で。バラバラになって。見つけたのは僕たちだった。頭部はいまも見つかっていない。そして現在。白墨人形の絵とともに、あの事件が甦る。あの人が死んだことで、事件は解決したはずなのに。僕はかつての友人たちとともに、あの夏の秘密を探りはじめる……
(「amazon内容紹介」より)
おすすめポイント
物語は、12歳の少年時代の「過去」と、42歳の大人になった「現在」が交互に描かれる展開になっていて、ちょっとずつストーリーが進んでいくので内容を把握しやすい構成になっています。
30年前の事件の真相を探る中で、さまざまな人間模様が交錯し、人の善と悪のおこないを描くことで強烈なインパクトを残します。
因果応報(カルマ)
因果応報(カルマ)の表現が作中に何度か登場します。
「因果応報ということだ。悪いことをすると、いずれは痛い目に遭う。あいつもいつか思い知るはずだ。まちがいなく」
(P95より)
自身のおこないによって、誰かを傷つけているなら必ずその報いを受けるといっています。
意図的に誰かを傷て報いを受けるのは当然ながら、知らず知らずのうちに誰かを傷つけてしまっていることもあるはずです。
この作品を読んでいると、そんな日頃の行動を見透かされ、とがめられている感覚になります。

それぞれの秘密
この作品の一番の魅力は、登場人物それぞれの秘密の部分です。 本書の中に下記の内容があります。
「まえに言われたことがあるんだ。秘密ってのは、ケツの穴と同じだって。誰でも持ってて、汚さにちがいがあるだけだってな」
(P212より)
人間だれしも大きさに違いはあれど秘密を抱えており、罪悪感や後悔の念をもっている、と考えさせられます。
胸に手をあてれば、あなたも過去にあやまちの一つや二つ心当たりがあるはずです。 そういった部分を本作は、うまく表現し、読み手の心に訴えてきます。

衝撃のラスト
ミステリー作品は必ず最後に大きな山場をもってくるので、本のPR文に「衝撃のラスト」という宣伝が使われることが多くあります。
本作品もラストが凄いと銘打っているのでが、同じ衝撃のラストと宣伝している作品の中でもこの作品は、自分自身の予想を上回る展開で絶句してしまいます。
そしてきっとあなたは、こう叫んでいるはずです。 「おい、嘘だろ。冗談きついぜ、カウボーイ」ってね。

感想・レビュー
最初と終わりに、ノーモーションでの渾身のストレートをくらいます。 予兆がない状態でいきなりくるので身構えることもできずに、凄まじい衝撃でハッてなってしまいます。
最後にどうしても、人間のダークな部分が頭の中に残るので、読み終えたあとにその部分をはきだしたい衝動にかられます。

まとめ
あなたの心の奥底にしまいこんだ秘密はなんですか? そんなことを読み終えた後に話したくなる作品です。
来年早々に次回作の刊行がすでに決定しているようなので、そちらも楽しみですね~
それでは、まったです。 (‘◇’)ゞ