こんにちは! ネイネイ(@NEYNEYx2)です。
日常の暮らしにある家庭の温かさを感じさせるものに、複雑な家庭環境を描いたものや、家族の絆について考えさせられる小説。
今回はそんな、家族がテーマの作品の中から『おすすめ家族小説』をご紹介します。
まだ、読まれていない本があれば、これを機に読んでみてはいかがでしょうか。
おすすめ家族小説
『とんび』重松清
あらすじ
昭和37年の夏に、瀬戸内の運送会社で働いているヤスさんに息子アキラが誕生する。待望の第一子が生まれたことで、愛妻の美佐子さんとともに喜びと幸せを噛みしめながら過ごす日々。
しかし、そんな幸せな日常は突然の悲劇により失われてしまう。不器用な父親であるヤスさんの愛情と、周囲の人びとの支えにより成長していく我が子を、高度経済成長にわいた時代を背景に描かれる物語。
おすすめポイント
不器用でいて照れ屋であるヤスさんが、我が子に溢れんばかりの愛情を注いでいく。ひねくれたところのある彼だが、人情味あふれる深い情を感じさせ、感情移入させたれた読み手は自然と涙があふれてしまう。
いい加減でいて不器用な父親のヤスさんが、我が子をまっすぐに育てようとする姿は、深く心にしみるものがある物語。
『朝が来る』辻村深月
あらすじ
栗原清和と佐都子の夫婦は、長らく不妊治療をしてきたが子どもに恵まれず、特別養子縁組という手段を選んだ。男の子に「朝斗」と名づけ、我が子と平穏な毎日をおくっていた。そんななか、夫妻のもとに「子どもを返して欲しい」という電話がかかってきた。その後「片倉ひかり」なる女性が訪ねてくるのだが…。
おすすめポイント
栗原夫婦の長きにわたる不妊治療の辛さ、養子として迎えた朝斗との平穏な日々。一方でひかりは、ごく普通の中学生活からちょっとしたボタンの掛け違いから人生が歪んでいく。リアルな心情にやるせなさが募っていき、目が離せなくなってしまう。交わるはずのなかった産みの親と育ての親の人生、それらが交差した先に待ち受けている未来に胸が熱くなる。
『52ヘルツのクジラたち』町田そのこ
あらすじ
自分の人生を家族によって搾取され続けてきた女性の貴瑚。祖母の遺した古家がある、海辺の田舎に引っ越してきた彼女。そんなある日、口がきけない不思議な少年に出会った。どうやら彼が、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていることを貴瑚は知ってしまう。
家族の愛を受けずに孤独に苛まれて生きてきた2人が出会い、少年の誰にも届かないはずの悲痛な叫びを救うための物語がはじまりを告げるのだが…。
おすすめポイント
辛い過去を抱えた貴瑚が、たどり着いた小さな海辺の町。そこで出会ったのが、彼女と同じように心に深い傷をおった少年だった。孤独に苦しみながら誰にも気づいてもらえない彼を、自分がかつて救ってもらったように貴瑚が奔走するさまは、弱者の叫びに耳を傾けることの難しさとともに、現代社会の抱える闇を考えさせられる。
悲痛な叫びを聴きとることの大切さに気づかされ、孤独でいる者にそっと寄り添う人びとの温かさが、心に刺さるものがある物語。
『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ
あらすじ
幼くして実母を事故で亡くし、継父継母が幾度となく変わり、そのたび名字が変わった高校生の森宮優子。そして今は、20歳しか年の離れていない父と過ごしている。
血が繋がらない親を渡り歩きながらも、すべての家族に愛情をたっぷり注がれ育てられた彼女。そんな彼女が、人生のパートナーを見つけたときに…。
おすすめポイント
幾人かの父と母をへて名字も3回変わり、今は森宮さんとふたりで暮らしている森宮優子。複雑な家庭にあっても優子は、辛さや不幸に思ったことはない。それは、実父や血の繋がらない親たちから、深い愛情を受けてまっすぐに成長してきたからだ。そんな彼女の穏やかでいて温かい日常にほっこりさせられる。
大人の都合で血の繋がらない親たちをリレーするも、すべての親から愛を注がれる主人公に、心穏やかな気持ちに浸ることのできる作品。
『家日和』奥田英朗
あらすじ
ネットオークションの高評価にハマり、次々と出品しはじめた主婦。(「サニーデイ」)会社が倒産して、気がつけば専業主夫となったサラリーマン。(「ここが青山」)ロハスに凝る妻とその周りの人びとに困惑を隠せない作家。(「妻と玄米御飯」)
日常の暮らしので、ちょっとした瞬間におとずれる心の機微を軽妙に描いた、やさしく温かい6つの短編集。
おすすめポイント
どこかの家庭に存在しているかのような小さな事件を描いた本作。独特のユーモアを織り交ぜながら、それぞれの家族のあり方を覗かせつつも、どこか温かさを感じさせ心を癒させる。
現代における家庭のできごとを皮肉を効かせながら描きだす、ほのぼのした日常の数々に、幸せを分けてもらえる作品集。
『東京バンドワゴン』小路幸也
あらすじ
東京下町にある古本屋「東京バンドワゴン」。そんな老舗を経営するのは、4世代の風変わりな大家族。60歳なのに金髪で伝説のロッカー我南人、未婚の母であり画家の藍子、美形でしょっちゅう違う女が家にくる青。
クセのある愉快な人びとが一つ屋根の下で、ときに笑い、ときに泣いて一晩中騒いでいる。そんな堀田家には、ご近所のちょっと困った事件が舞い込んでくるのだった…。
おすすめポイント
4世代が一つ屋根の下で暮らしている大家族の堀田家。個性豊かな面々が織りなす日常とちょっとした事件の数々に、笑ったり悩んだりしながらも、ほのぼのとした日々を送っている。賑やかな大家族のドタバタ劇に、心地よさを感じずにはいられない。
懐かしい昭和のホームドラマのような雰囲気をただよわせた物語に、ほっこりさせられ作品。
『キネマの神様』原田マハ
あらすじ
突然として大企業を辞めてしまった39歳の娘。その頃、ギャンブルに依存する父が倒れて、多額の借金があることが判明。
ある日、父は情報誌の「映友」に娘の文章を投稿したことで、編集長の目にとまり彼女を採用し、なぜか父の映画ブログをはじめることになった。映画の神様が壊れかけた家族に、救いの手を差しだした。
おすすめポイント
家庭崩壊の危機を迎えてしまった父と娘。無職の娘にギャンブル依存の父、そんなふたりに共通するのが映画をスクリーンで観ること。映画をとおして繋がっていく家族や人びとの想いに魅せられ、映画館に足を運びたくなってしまう。
映画が好きという想いに突き動かされて、紡がれる数々のできごとに、じんわりと心の奥を温めさせられる物語。
『昨夜のカレー、明日のパン』木皿泉
あらすじ
7年前、25歳という若さで亡くなった一樹。あとに遺された嫁のテツコは、一樹の父・ギフと一緒に暮らす日々を送っていた。
ふたりは周囲の人びとと交わりながら、ゆるゆると彼の死を受け入れていく。なにげない日常のなかで、発せられるコトバが優しく心に語りかけてくる。
おすすめポイント
大切な人を亡くし、遺された家族。穏やかな日々を過ごしながらも、心に抱えた喪失感。失ったものを想いながらも、ゆっくりと日常に身をまかせ生を感じつつ、徐々にではあるが前へと進んでいく。そのさまは、愛おしくも、ほっこりさせられる。
辛いはずの過去に囚われるのではなく、悲しみの中でも日々の暮らしに幸せを見いだしていく姿は、切なくも心にしみるものがある作品。
『みかづき』森絵都
あらすじ
昭和36年。放課後の用務員室で、子どもたちに独自の勉強を教えていた大島吾郎。あるとき、少女の母親である千明に声をかけられ、ともに学習塾を立ち上げた。それこから、3世代にわたる大島家の波瀾万丈な人生がはじまった。
結婚して、家族になったふたり。戦後の経済成長とベビーブームに乗っかり、順調に成長する塾であったが、予期していなかったトラブルがふたりを襲うことになるのだが…。
おすすめポイント
教育への強い信念をもつ千明に、促され学習塾をはじめる吾郎。教育に熱い情熱を傾ける人びとが、理想とする教育を求め奮闘していく。時代とともに変化していく教育に振り回されつつ、正解を探して邁進する姿に、胸を熱くさせられる。
昭和から平成にかけて教育にすべてを注いできた家族をとおし、後世に紡がれていく想いに、心を震わせる物語。
『オー!ファーザー』伊坂幸太郎
あらすじ
自由奔放な母親のため、高校生の由紀夫には4人の父親が存在しいる。頭脳明晰「悟」、ギャンブル好き「鷹」、スポーツ万能「勲」、料理が得意で女好き「葵」、見た目も性格も違う4人と一緒に暮らしている。由紀夫が次々に事件に巻き込まれていく。4人の父親は、由紀夫を助けようとし奮闘するのだが…。
おすすめポイント
複雑な家庭環境のように見えるが、由紀夫がピンチになれば、それぞれの得意分野を駆使して守ろうとする姿には、微笑ましさを感じる。トラブルに直面したときに、父親の愛情や人びとの絆を感じることのできる作品。
まとめ
どうですか、気になった書籍は見つかりましたか?
この記事を通して、少しでもあなたの読書生活が有意義なものになったら幸いです。
それでは、まったです。 (‘◇’)ゞ
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