映像化されたおすすめエンタメ小説【ジャンル別】

映像化されたおすすめエンタメ小説【ジャンル別】

こんにちは! ネイネイ(@NEYNEYx2)です。

爽快な気分を味わうことのできる、原作が映像化されたエンタメ小説。

今回はそんな、映画化・ドラマ化された作品の中から『おすすめエンタメ小説』をご紹介します。

まだ、読まれていない本があれば、これを機に読んでみてはいかがでしょうか。

 

もくじ
ミステリー小説サスペンス小説
ホラー小説SF・ファンタジー小説
青春小説恋愛小説
感動小説医療小説
社会派小説歴史・時代小説
まとめ

 

映像化されたおすすめエンタメ小説【ジャンル別】

 

ミステリー小説

ミステリー小説

『マスカレード・ホテル』東野圭吾

あらすじ

都内で3つの殺人事件がおきた。殺人事件現場に残された奇妙な暗号。どうやら次の犯行場所は、一流ホテルの「ホテル・コルテシア東京」と推測された。刑事の新田浩介は、ホテルマンに扮して潜入捜査する。彼の教育係としてフロントクラークの山岸尚美が選ばれ、2人でホテルにあらわれる怪しげな客に向かっていく。

おすすめポイント

容疑者もターゲットも不明のなか、繰り広げられるホテル内の攻防に息を呑む。悪を暴きだそうと目を光らせる刑事とお客さまをおもてなしする女性の対比も魅力である。仮面に隠された真実に挑む、立場の違う2人がおりなす正義感に心踊らされる物語。

『謎解きはディナーのあとで』東川篤哉

あらすじ

国立署の新人刑事である宝生麗子。その正体は、世界的にも有名な「宝生グループ」のお嬢様だが、職場では秘密にしている。職場では、パンツスーツに黒縁メガネという地味な着こなしながら、大豪邸に戻ればドレスに着替えて優雅にディナーを楽しむ麗子。難事件により捜査が進まなくなると、執事の影山にいつも相談しては、「失礼ながら、お嬢様の目は節穴でございますか?」と毒を吐かれながらも、事件の謎を解き明かしていく。

おすすめポイント

お嬢様の麗子と毒舌の影山ふたりの、痛快でいてユーモアたっぷりの掛け合いが、本作の最大の魅力になっている。またそこに、おぼっちゃんの風祭警部がスパイスを加えて、ライトミステリーを堪能することができる。

お嬢様刑事と暴言を吐く執事の軽快な会話をたのしみながらも、謎解きの爽快感を味わえる作品集。

『屍人荘の殺人』今村昌弘

あらすじ

神紅大学ミステリ愛好会の一員である葉村譲と会長の明智恭介は、同じ大学の「探偵少女」である剣崎比留子に誘われて、いわくつきの映画研究部の夏合宿に参加することに。

合宿初日の夜に、きもだめしをしようと映研のメンバーたちで出かけるのだが、予想だにしない事態に巻き込まれ「紫湛荘」に立てこもらざるを得ない状況になった。翌朝になり、密室で変わりはてた姿でメンバーの1人が見つかり…。

おすすめポイント

本作は、紫湛荘にあることで閉じ込められるクローズド・サークルものなのだが、その設定があまりに斬新で読者を惹きつける。また、紫湛荘のなかで繰り広げられる連続殺人には、緊迫さがこちらまで伝わり目が離せない。

大胆な密室ものの設定と緻密なトリックが融合し、謎解きの楽しさを存分に味わえる物語。

『ファーストラヴ』島本理生

あらすじ

ある日の夕方、川沿いを血まみれで歩いていた女子大生の聖山環菜が逮捕された。殺されたのは彼女の父親で「動機はそちらで見つけてください」といって、マスコミなどで大きな話題となっていた。

ノンフィクション執筆のため臨床心理士の真壁由紀は、環菜やその周辺の人びとへの面会を重ねて真実を探っていく。やがて、浮かび上がってくる少女の過去とはいったい…。

おすすめポイント

就職活動をするさなか、父親殺しの容疑で逮捕された女子大生の環菜。この事件の執筆を依頼された臨床心理士の由紀は、彼女を凶行に走らせた動機を探っていく。誰にも気づかれず、胸の奥底に押し殺してきた負の感情に、息苦しさを感じつつも心に刺さるものがある。

徐々に浮かび上がる彼女が抱えていた心の闇に考えさせられながら、傷ついた過去に向き合った先に、闇夜をほのかに灯すひかりに救われる物語。

『告白』湊かなえ

あらすじ

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」中学校の1年B組。終業式の日に担任である森口悠子は、教師を辞めることを生徒たちに告げた。その原因とされる、娘がプールに転落して亡くなったことについて語りだす。犯人である「A」と「B」をあげながら、すでに彼らには復讐を仕掛けた、と宣告して去っていく…。

おすすめポイント

大切なものを失った哀しみと憤りは、きれいごとだけでは語れない。それは、教師という立場にあっても同じである。さらけだされた、人の心の奥底を覗き見すれば、嫌悪感を抱くかもしれないが、それが人なのだと感じさせ、物語に引き寄せられてしまう。事件の関係者たちの独白に、人間としての本性が透けて見え、それが読者に深い余韻を残していく作品。

 

サスペンス小説

サスペンス小説

『陽気なギャングが地球を回す』伊坂幸太郎

あらすじ

嘘を見抜く「成瀬」、演説の達人「響野」、スリの天才「久遠」、正確な体内時計をもつ「雪子」、4人は史上最強の銀行強盗のはずだった…。思わぬ誤算が発生し、せっかくの「売上」を逃走中に横取りされてしまう。そこで奪われた「売上」を取り戻そうと動き出す。

おすすめポイント

軽妙でいてテンポよく進むストーリーに、気を楽にしてサクサク読み進めることのできる作品。個性的なキャラクターが繰り広げられる、コメディ劇場にスカッとした読後を味わえる。

『グラスホッパー』伊坂幸太郎

あらすじ

元教師の鈴木は、妻を殺され復讐しようと裏社会に潜り込む。しかし、復讐相手の男が目の前で車に轢かれてしまう。どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の犯行らしいのだ。鈴木はその者の正体を探ろうとあとを追う。一方で、自殺屋の「鯨」、ナイフ使いの「蝉」らも、それぞれの理由で「押し屋」を追っていく。

おすすめポイント

鈴木、鯨、蝉、それぞれの視点で物語は進んでいく。それらがいつの間にか交差して、予想だにしなかった展開に…。殺し屋たちに比べ、ただの一般人である鈴木が、妻との思い出を唯一の武器として駆け抜けていく姿に魅了される。

『孤狼の血』柚月裕子

あらすじ

昭和63年の広島呉原。ヤクザとの癒着を疑われる刑事の大上のもと、捜査二課に配属された新米の日岡は、暴力団系列の会社員が失踪した事件を捜査することに。違法捜査をいとわない強引すぎる大上の捜査に戸惑いながらも、日岡は仁義なき極道の男たちに立ち向かっていく。

やがて金融会社の社員失踪事件をきっかけに、暴力団同士の抗争がはじまった。衝突を止めるため、大上が突拍子もない秘策を打ちだしていくが…。

おすすめポイント

暴力団系列のヤミ金社員の失踪事件を追いかける、捜査二課の大上と新人の日岡。捜査のためには手段を選ばない大上だが、彼なりの信念にもとづき正義を貫こうとする。人間味に溢れたその姿から、目が離せなくなっていく。また、日岡の成長も一つの見どころになっている。

常識外れのマル暴刑事と極道のプライドを賭けた闘いに、胸を熱くさせるハードボイルド小説。

『仮面病棟』知念実希人

あらすじ

外科医の速水秀悟は、療養型である田所病院で当直バイトをしていた。そんななか、不気味なピエロの仮面をかぶった男が、病院へと駆け込んできた。そして、自らが脇腹を銃で撃った川崎愛美を治療するよう要求してくる。男はそのまま病院に籠城して、秀悟と愛美たちは人質として監禁を余儀なくされてしまう。なんとか脱出を試みるうちに、徐々に隠されていた病院の秘密が明かされていく…。

おすすめポイント

閉鎖された病院が舞台のクローズド・サークルもの。ピエロの不可解な行動、なにか隠している感じのある院長たち、疑心暗鬼のなかで進むさまに、ハラハラドキドキが止まらなくなっていく。それはまさにジェットスターに乗ったかのごとく。次から次へと謎が押し寄せる展開にスリルと緊張で、最後まで目が離すことができず一気読みさせられる作品。

 

ホラー小説

ホラー小説

『ぼぎわんが、来る』澤村伊智

あらすじ

幸せな新婚生活をおくっていた田原秀樹。あるとき彼の会社に、とある来訪者があった。それをきっかけに、秀樹の周りで超常現象というほかない怪異なできごとが頻発していた。

怪異から愛する家族を守るため、伝手をたどり比嘉真琴という女性霊媒師をたよることになった秀樹。はたして、迫り来るとてつもなく凶暴な存在から逃れられるのだろうか…。

おすすめポイント

イクメンである田原秀樹の「訪問者」、秀樹の妻である香奈の「所有者」、オカルト・ライターである野崎の「部外者」の3つの章で構成される本作。得体の知れないものが近づいてくる恐怖と緊迫感に、不安を掻きたてられ目が離せなくなっていく。また、視点が変わることで浮かび上がる人間の闇も見どころの一つとなっている。

日常が脅かされる怪異に、恐ろしさと不気味さを堪能しつくすことのできる物語。

『リカ』五十嵐貴久

あらすじ

印刷会社に勤める本間隆雄は、家族を愛する42歳の平凡なサラリーマン。軽いノリではじめた「出会い系サイト」で、ひとりの女性と知り合った。「リカ」と名乗る彼女とやり取りをしていたが、次第に常軌を逸した行動が目立ちだしたため、本間は携帯の番号を変えて連絡を断つことに。

しかし、リカの執拗なまでのストーキングに追い詰められていく。周囲の者にまで被害がおよび、本間はリカとの対決を決意するのだが…。

おすすめポイント

異常なまでの手段で追ってくる女性リカ。何をしでかすか分からない彼女が、じわじわ迫りくる不気味さにハラハラさせられる。そんな、現実でもおこりそうなストーカーの恐ろしさが、恐怖感を増幅させていく。

狂気に満ちた1人の女性が、徐々に忍び寄ってくる恐怖に戦慄を覚える作品。

『悪の教典』貴志祐介

あらすじ

さまざまな問題を抱える東京都町田市の高校で、英語教師をしている蓮実聖司は、爽やかで生徒や保護者、同僚から信頼され人気があった。だが、それは表向きの顔であり、素顔は自分にとって邪魔な存在を容赦なく排除する、共感性の欠如したサイコパスである。

蓮実は、自分にとって都合の悪い人びとを次々と手に掛けていく。そして、文化祭前夜に恐ろしいできごとが…。

おすすめポイント

ストーリーが進むにつれ徐々に蓮実聖司の異常さが目立つようになる。蓮実の過去を語りながら、じわじわと迫りくる恐怖と緊迫感にドキドキさせられつつ、目が離せなくなってしまう。

教師としてクラスの問題に奔走する姿と、その裏での冷酷な姿に、不気味さが伝わり背筋がゾクっとさせられる。

『リング』鈴木光司

あらすじ

苦悶の表情とともに4人の少年少女たちが、同日の同時刻に亡くなった。姪の死を不審に感じた雑誌記者の浅川は、怪死の真相を調査しはじめた。そして手にしたひとつのビデオテープ。

彼らは、このビデオテープを見た1週間後に死亡している。恐怖と期待が入り交じるなか浅川は、デッキに震える手でビデオテープを差し込んだ。画面に光があらわれ、静かに再生がはじまり…。

おすすめポイント

そのビデオを見たものは1週間後に死ぬという呪いのビデオ。呪いを解くため探っていくミステリー要素に加えて、にじり寄るようなスリルと恐怖に、興味をそそられ目が離せなくなってしまう。

忌まわしいビデオをめぐる謎解きと、迫りくるタイムリミットに、恐怖心を煽られるホラーを堪能できる作品。

 

SF・ファンタジー小説

SF・ファンタジー小説

『有頂天家族』森見登美彦

あらすじ

狸や天狗が人の姿となり、人間界になじんでいる京都の街。糺の森で暮らす下鴨家の三男である下鴨矢三郎は、「面白きことは良きことなり!」を口癖に、気の向くままの日々を過ごしていた。

しかし、そんな下鴨家に父を亡きものにした人間たちの魔の手が迫っていた。やがて、父の死の裏に隠されていた真実が浮かび上がり…。

おすすめポイント

京の街を闊歩する狸や天狗たち。いまは亡き狸界の頭領を父にもつ三男の矢三郎は、面白く生きるをモットーとし、恋に、ライバル狸との張り合いにと大忙し。そんな彼らの愉快さと家族の絆に、心穏やかな気持ちにさせられる。

化け力をつかい人に変身して、京の街を疾走していく毛玉たちに、ユーモアさと家族愛を味わい尽くせる作品。

『鴨川ホルモー』万城目学

あらすじ

2浪のすえ京都大学に入学した安倍は、一目惚れした女性に近づくため「京大青竜会」という怪しいサークルに入会することに。しかしそのサークルは、鬼をあやつり戦わせる謎の競技「ホルモー」をする集まりだった。

鬼との契約の儀をへて、ホルモー道を邁進していく若者たち。そして、恋や友情、対抗戦にと、奇想天外なキャンパスライフを謳歌していくことになるが…。

おすすめポイント

レジャーサークルとおぼしき「京大青竜会」に加入した大学一回生の安倍。だがそこは、鬼を使役して戦う「ホルモー」なる競技をおこなう集団だった。若者たちが恋愛や友情に悩みながら大学生活を味わい尽くす姿に、ユーモアと甘酸っぱい青春を感じずにはいられない。

謎のサークルに入部したことで、繰り広げられる大学生たちの友情や恋愛、成長にと、青臭くも輝かしい青春に夢中にさせられる物語。

『図書館戦争』有川浩

あらすじ

2019年。昭和から正化へときは流れ、表現を規制するための「メディア良化法」が成立して30年。日本は、メディア良化委員会と図書隊がながらく抗争を繰り広げていた。

高校のとき出会った、検閲の窮地から救ってくれた図書隊員の「王子様」の姿を追い求めて、過剰なまでの検閲から本を守っている図書隊に入隊をはたした笠原郁。不器用ながらも、エリート部隊である図書特殊部隊に配属されるのだが…。

おすすめポイント

表現の規制が高まった近未来の日本で、「メディア良化法」により検閲が求められる世界。本の自由を守ろうと立ち上がる図書隊に入隊した笠原郁は、仲間たちと厳しい訓練や業務をおこなう。数々の困難な任務や闘いに挑みながら、まっすぐ突き進んでいく彼女の成長に、魅せられてしまう。また、鬼教官である堂上篤との恋の行方も機になるところです。

過熱した表現の規制のなか、本の自由を守る図書隊の奮闘を描きつつ、仲間たちの成長や恋愛を愉しめるエンタメ小説。

『時をかける少女』筒井康隆

あらすじ

ある日の放課後、誰もいない理科実験室でガチャンとなにかが割れる音がした。振り向いた芳山和子は、壊れた試験管からただよう甘い香りを嗅いで意識を失い、その場に倒れ込んでしまう。

そして、目覚めた彼女の周りでは、時間と記憶をめぐる奇妙な事件がいくつも起こりはじめた。思春期の少女が体験する、時をこえた不思議な世界に胸をときめかせる。

おすすめポイント

ひょんなことから、時間を自由に行き来できる力を手にした和子。そんな彼女が、さまざまな事件に巻き込まれていく。ミステリー性にわくわくさせられ、淡い恋に胸をときめかせ、なんとも言えぬ余韻を残していく。

時間と記憶をめぐる不思議な体験をしながら、思春期ならではの甘酸っぱさと、切なさがギュッと詰まったタイムループものを味わえる不朽の名作。

 

青春小説

青春小説

『君の膵臓をたべたい』住野よる

あらすじ

高校生の僕は、病院でたまたま拾った「共病文庫」なる文庫本。それは、クラスメイトである山内桜良が綴っていた秘密の日記帳であった。なかには、彼女が肝臓の病気であり、余命いくばくもないことが記されていて…。

「名前のない僕」と「日常のない彼女」のふたりが紡ぐ、青春小説。

おすすめポイント

日記を拾ったことで、接点のなかった2人が関わりだし主人公の僕は、桜良に振り回されてしまう。病気であるはずなのに、無邪気に駆けまわる日々を過ごす桜良についつい余命が残り少ないことを忘れる。

しかし、着実に迫ってくるそのときが、切なくもあり、現実の非情さが深く心に刻まれるとともに、生きることの大切さを伝えているようでもある。

性格のまったく正反対の2人が出会い、迫りくるそのときまで今を謳歌して生きていく姿に、胸をふるわせる物語。

『桐島、部活やめるってよ』朝井リョウ

あらすじ

バレー部の頼れるキャプテンの桐島が、突然として退部した。そのことがきっかけで、同高校の生徒たちに小さな波紋のが広がっていく。

野球部ユーレイ部員、バレー部の補欠、ブラスバンド部、女子ソフトボール部、映画部。部活も校内での立場もまったく違う5人それぞれの日常に変化をもたらして…。

おすすめポイント

とある田舎の高校。バレー部のエースである桐島が部活をやめたことで、周囲の高校生たちの生活に少しずつ変化をあたえていく。同級生5人それぞれが抱える悩みや葛藤が、読み手の学生時代を呼びおこさせ心に響いてくる。

ひとりの退部から、浮き彫りになっていく17歳の生徒たちのリアルな心情が、瑞々しくも心を揺さぶる物語。

『蜜蜂と遠雷』恩田陸

あらすじ

若いピアニストたちの登竜門として世界的にも注目される芳ヶ江国際ピアノコンクール。

養蜂を生業とする父と移動生活をし、自宅にピアノを持たない16歳の少年・風間塵。かつて天才少女といわれたが母の死を境に、ピアノから離れていた20歳の栄伝亜夜。楽器店に勤務するサラリーマンで妻子持ちである、28歳の高島明石。完璧なまでの演奏技術と音楽性を兼ね備えて、優勝候補とされる19歳のマサル。

若き才能たちによる、熱き闘いの幕が上がる…。

おすすめポイント

ピアノコンクールに懸ける、それぞれが抱えている想いや葛藤に引き寄せられ感情移入させられる。また、本作の魅力の一つとなっている演奏シーン。文字として描かれているのに、ピアノが奏でる音をまるで読者もホールで聴いているかのごとく興奮させられる。

国際ピアノコンクールに挑んでいく、若き才能のピアニスト4人たちの姿に、音楽の世界にいざなわれ心を揺さぶられる物語。

『夜のピクニック』恩田陸

あらすじ

全校生徒が夜を徹して80キロを歩き続ける、高校生活の最後をかざるイベント「歩行祭」。この北高の伝統行事に、甲田貴子はある想いを胸に秘めてのぞんだ。

高校生たちのそれぞれの思惑が交錯するなかで、小さな賭けをする貴子だったが…。

おすすめポイント

夜を徹して80キロを歩くという、とある高校の伝統行事「歩行祭」。非日常的なイベントが醸しだす雰囲気に、さまざまな想いを抱えた高校生たちの感情が入り混じる。複雑な家庭環境、友人関係、恋心にと思春期ならではの葛藤を見せながら、爽やかな風が駆け抜けていく。

高校生たちが夜通し歩き続ける1日に、彼らとともに読者も一緒に「歩行祭」に参加している気持ちにさせられ、青春の甘酸っぱさを感じられる物語。

『小説の神様』相沢沙呼

あらすじ

学生で作家デビューしたが、作品は酷評されて売り上げも振るわずにいる高校生の千谷ちたに一也いちや。そんなとき、編集者の提案により人気作家との小説の共作をすることに。

その人気作家とは、同じ学校に転校してきた小余綾こゆるぎ詩凪しいなであった。まったく正反対のふたりが反発しあいながらも物語を紡いでいくうちに、一也は詩凪が抱える大きな秘密を知ることになるが…。

おすすめポイント

作品が売れずに自分を見失いつつある千谷一也。一方で、人気作家として注目され、クラスでも人気者の小余綾詩凪。そんな一也と詩凪のふたりが、壁にぶつかり思い悩みながらも、物語を綴ることに情熱を傾けていく姿に魅せられてしまう。

作家の厳しい実情を訴えかけながら、「どうして小説を書くのか」という問いに真摯に向き合いつつ、前に進んでいこうとする2人に、胸を熱くさせる物語。

 

恋愛小説

恋愛小説

『君は月夜に光り輝く』佐野徹夜

あらすじ

どこか投げやりに生きてきた高校生の岡田卓也。クラスの寄せ書きを届けるために卓也は、長らく病院に入院している同級生・渡良瀬まみずにお見舞いにいくことに。そして、彼女が「発光病」という、細胞の異常により月の光に照らされると体が淡く光るとされる、不治の病であることを知る。

余命わずかな彼女は、死ぬまでにやりたいことがあるのだという。卓也は、彼女の代わりその「やりたいこと」を手伝うことにするのだが…。

おすすめポイント

ひょんなことから、不治の病にかかっている女性の「やりたいこと」を叶える手伝うこととなった卓也。彼女に振り回される一方で、少しずつ惹かれ合うふたり。大切な人を失うことの苦しみと、生きたくて仕方がない辛さが、手に取るように伝わり切なくもあるが、それが故に命の尊さがありありと感じられる。

残りわずかの命のまみずと、彼女に翻弄される卓也の切なくも淡い恋心が、胸に響いてくる作品。

『恋する寄生虫』三秋縋

あらすじ

失業中の青年の高坂賢吾と、不登校少女である佐薙ひじり。孤独を抱えたふたりが、社会復帰に向けてリハビリをおこなう中で惹かれて恋に落ちていく。

だがそれは、虫によってもたらされた「操り人形の恋」であることを彼らは知らない。社会に馴染めないふたりの切なくも幸福な恋の物語。

おすすめポイント

極度の潔癖症でいて失業中の高坂と、視線を合わせられない不登校女子の佐薙ひじり。人生に行き詰まっていた者が、あることをきっかけにして閉ざされていた心を開いていく姿に、魅せられてしまう。

社会に溶け込めずにいる不器用なふたりが出逢い、互いの距離を縮めていくさまが、儚くも美しいラブストーリー。

『植物図鑑』有川浩

あらすじ

ある日、飲み会の帰り道にOLのさやかは、マンションの前で倒れている一人の男を見つけた。「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか。咬みません。躾のできたよい子です」という彼を面白がり、さやかは部屋にあげてしまう。

そして、イケメンとの6ヶ月という期限付きでの同居生活がはじまった。異常なまでに植物にくわしい彼との距離を少しずつ縮めていく、さやかだったのだが…。

おすすめポイント

OLのさやかは、ひょんなことから家事万能のイツキとの同居生活をはじめる。週末に近所の河川敷へと出かけては、道端に生えている草花を草花を摘みとり、おいしく料理するイツキとさやか。そんな、ふたりの微笑ましくも甘酸っぱい恋の行方に、目が離せなくなる。

突然あらわれた料理上手なイケメンの彼との甘い同居生活に、胸キュンさせられる物語。

『陽だまりの彼女』越谷オサム

あらすじ

幼なじみと10年ぶりに再開した僕。かつて「学年有数のバカ」とまで言われた彼女は、冴えないイジメられっ子だったが、今は仕事のできるモテ系の女性へと驚異の変貌をとげていた。

そんな彼女に恋をする僕だが、誰にも知られていない秘密を彼女は抱えていて…。

おすすめポイント

中学時代にいじめから救った同級生と再開し、恋に落ちていく僕。幸せな日々を送っていく2人だが、少しずつ不穏な空気が漂いだして。誰かを好きでいることの愛おしさに、ほっこりさせられる。

ベタ甘なふたりの関係にキュンとさせられながらも、切なさと温かみを感じられる作品。

『私をくいとめて』綿矢りさ

あらすじ

もうすぐ33歳になる、黒田みつ子。悩みごとは脳内の相談役「A」がすべて解決してくれるから、ひとりで生きていくことに抵抗なんてない、そう思っていた。

やっぱり私は、あの人のことが好きなのかな。でも、いつもと違うことをして何かが決定的に変わってしまうことに戸惑いながらも、一歩前に進もうとして…。

おすすめポイント

30歳をすぎて、おひとり様を満喫している黒田みつ子。迷ったときは、脳内の「A」が最適解を導いてくれる。他人との関わりを持たずに独身ライフを謳歌するも、予期しない恋に戸惑いながらも、なんとか前に進もうとする彼女に共感せずにはいられない。

おひとり様の自由気ままな生活を満喫しつつも、繊細すぎる心の揺れや、いまにも溢れでそうな不安を、切なくもユーモラスに描いた物語。

『愛がなんだ』角田光代

あらすじ

ひょろひょろで猫背のマモちゃん出会って、恋に落ちたOLのテルコ。彼からの電話なら仕事中でもお構いなしに長話、誘いがあればさっさと退社。すべて彼を最優先のおこないに、会社もクビ寸前。。

しかし、そんな彼はテルコのことを好きではない。彼女の片想いは、どんどんエスカレートしていって…。

おすすめポイント

OLのテルコはマモちゃんベタ惚れで、すべてを投げ打って彼に愛を捧げている。一歩引いてみれば、ただの都合のよい女になっているだけなのだが、恋によって周りが見えなくなる、その一途な想いも分からなくはない。それは誰しもがどこかで、恋は盲目にさせるという経験をしているからではないだろうか。

惚れた彼に一途なまでの片思いを続けるひとりの女性に、イライラさせられもどかしくもあるが、心に刺さるものがある作品。

 

感動小説

感動小説

『旅猫リポート』有川浩

あらすじ

交通事故にあい瀕死だった野良猫のナナは、自分を助けてくれた心優しいサトルと暮らすことに。5年の月日が流れ、ある事情からサトルはナナを飼えなくなってしまう。

一匹の猫と青年は銀色のワゴンに乗って、新しい飼い主を探す旅にでる。懐かしい面々に会い、美しい風景を眺めながら、徐々に明かされていくサトルの秘密とは…。

おすすめポイント

猫であるナナの視点で描かれる本作。サトルとの出会いから、銀色ワゴンでの旅でめぐり会う風景や人びとに和ませられ癒されていく。また、少しずつ明かされていく真実には、誰しもが胸を締めつけられつつも、サトルとナナの関係に温かみを感じてしまう。

新しい飼い主を探す旅のなかで過ごしていく、サトルとナナの幸せな時間に、切なくも優しさ溢れるふたりに熱いものがこみ上げてくる作品。

『ナミヤ雑貨店の奇蹟』東野圭吾

あらすじ

3人の男たちは悪事を働いて古い家に逃げ込んでいく。かつてその雑貨店は、どんな悩み相談にも答える店主・浪矢雄治がいる店であった。そんな廃業している店内に、シャッターの郵便口から突然に、悩み相談の手紙が落ちてくるのだった。それは、時空を超えて過去から投函されたと思われる手紙であった。3人は戸惑いながらも返事を書くのだが…。

おすすめポイント

人びとの悩み相談をしていくことで、3人の心にも変化が生まれてくる。その様子を目の当たりにした読者の心にも響くものがある。切実な悩みに誠実に向き合っていく、その姿に心があたたかくなる。もっとも泣けると評される感動ミステリー。

『漁港の肉子ちゃん』西加奈子

あらすじ

ダメ男だまされ続けた母の肉子ちゃんと、娘のキクコが流れ着いた北の漁港の町。ぽっちゃり体型で、とにかく明るく思ったことをすぐ口にする母親が最近ちょっと恥ずかしい、大人びた性格のキクコ。

まともな大人なんて何処にもいない。だけど、それでもみんな生きている。港町に生きる母と娘、その周りの人びとの活気に満ちたさまを描く。

おすすめポイント

各地を転々とする母と娘が流れ着いた北の漁港。そんな町の焼肉屋で働くことになった、すべてが豪快でいて、誰にでも優しい肉子ちゃん。そんな母を少し恥ずかしく思う、クールで賢い娘のキクりん。対照的なふたりの母娘の関係をとおし、ありのままで生きることの尊さに気づかされる。

裏表がなく生きることが難しい現代社会において、自分を偽らずにどこまでも真っ直ぐに生きる姿が、心に沁みてくる作品。

『キネマの神様』原田マハ

あらすじ

突然として大企業を辞めてしまった39歳の娘。その頃、ギャンブルに依存する父が倒れて、多額の借金があることが判明。

ある日、父は情報誌の「映友」に娘の文章を投稿したことで、編集長の目にとまり彼女を採用し、なぜか父の映画ブログをはじめることになった。映画の神様が壊れかけた家族に、救いの手を差しだした。

おすすめポイント

家庭崩壊の危機を迎えてしまった父と娘。無職の娘にギャンブル依存の父、そんなふたりに共通するのが映画をスクリーンで観ること。映画をとおして繋がっていく家族や人びとの想いに魅せられ、映画館に足を運びたくなってしまう。

映画が好きという想いに突き動かされて、紡がれる数々のできごとに、じんわりと心の奥を温めさせられる物語。

『とんび』重松清

あらすじ

昭和37年の夏に、瀬戸内の運送会社で働いているヤスさんに息子アキラが誕生する。待望の第一子が生まれたことで、愛妻の美佐子さんとともに喜びと幸せを噛みしめながら過ごす日々。

しかし、そんな幸せな日常は突然の悲劇により失われてしまう。不器用な父親であるヤスさんの愛情と、周囲の人びとの支えにより成長していく我が子を、高度経済成長にわいた時代を背景に描かれる物語。

おすすめポイント

不器用でいて照れ屋であるヤスさんが、我が子に溢れんばかりの愛情を注いでいく。ひねくれたところのある彼だが、人情味あふれる深い情を感じさせ、感情移入させたれた読み手は自然と涙があふれてしまう。

いい加減でいて不器用な父親のヤスさんが、我が子をまっすぐに育てようとする姿は、深く心にしみるものがある物語。

『カラフル』森絵都

あらすじ

生前のあやまちにより、輪廻のサイクルから外れたぼくの魂。しかし、天使業界の抽選にあたり、もう一度チャンスをもらった。そして、ぼくは「小林真」という中学3年生の体にホームステイし、前世での悪事を思い出さなければいけなくなった。

ところが、ガイド役の天使からは、父親は自己中なヤツで母親は不倫中だと告げられる。気乗りしないホームステイであったが、よくよく周りを見渡してみれば、世の中そんなに単純じゃないことに気づいていき…。

おすすめポイント

再挑戦のチャンスを手にし、前世の罪を思い出さなければいけなくなった「ぼく」。生きていれば誰しも、あやまちを犯すことはある。とくに悩んで追い詰められたり、自分の世界にこもってしまうと、周りが見えなくなってしまう。

しかし本作では、人それぞれに個性があり決して1色ではなく、この世はもっと鮮やかに彩られていると、大切なことを教えてくれる。

いい加減な天使により与えられたチャンスに、今まで見えていなかったことに気づかされ、生きづらさを感じていた景色がまったく違ったことに心を救われる作品。

 

医療小説

医療小説

『イン・ザ・プール』奥田英朗

伊良部総合病院の地下にある神経科をおとずれる患者たちは、「いらっしゃーい」っと、甲高い声に迎えられる。色白でいて巨体を揺らす、精神科医の伊良部一郎。彼のもとには、プール依存症、ケータイ中毒、慢性勃起症状にと、一癖ある患者ばかりがやってくる。

だが、治療する医者はもっと変だった。彼の言動は無茶苦茶で、患者が困惑するほどだ。しかし、なぜか病は不思議と快方に向かっていき…。

強烈すぎる個性を放つ、精神科医の伊良部。彼の診察室には、深刻な悩みをもったクセの強い患者たちがやってくる。そんな患者たちに、常識はずれな治療をほどこすが、なぜかそれが良い方向に。ユーモアあふれるそのさまが、病みつきになってしまう。

変人医師のハチャメチャな言動に、笑わずにはいられないハートフルな作品集。

『チーム・バチスタの栄光』海堂尊

あらすじ

東城大学医学部付属病院では、「チーム・バチスタ」という心臓移植の代替手術であるバチスタ手術専門チームを作り、驚異の成功率をほこっていた。

しかし、そんなチームが立て続けに3例の術中死に見舞われていた。次の患者は、世間からも注目を集めるゲリラ兵の少年ということもあり、内部調査に乗り出した。不定愁訴外来の田口医師が調査を進めるさなか、厚生労働省の変人とされる白鳥圭輔があらわれて…。

おすすめポイント

大学病院内での人間模様、手術シーンでの緊迫感がリアルに伝わり読者を引き込んでいく。また、田口と白鳥の一見するとアンバランスな2人が作品にいい味を加えている。

ミステリーでありながら、医療現場の人間ドラマも存分に楽しむことのできる物語。

『神様のカルテ』夏川草介

あらすじ

信州にある「24時間、365日対応」の病院に勤めている、29歳の内科医である栗原一止(くりはら いちと)。ここは常に医師が不足しており、睡眠を3日取れないことも珍しくない。妻のハルに支えられながら、経験豊かな看護師と、変わり者たちの優秀な外科医に助けられ、なんとか日常の診療をおこなっている。

そんなある日、母校の信濃大学医局から誘いの声がかかる。大学に戻れば、最先端の医療に携われるし、休みも増える。だが、大病院では診てもらえない患者たちと、向き合う医者でありたいと悩むのだが…。

おすすめポイント

田舎にある過酷な現場で働いている内科医の栗原一止。日常の業務を繰り返しながら、直面するシビアな問題に医療の難しさを感じつつも、患者一人一人に向き合っていく主人公から目が離せなくなっていく。また、一止夫婦が暮らす「御嶽荘」にいる個性豊かな仲間たちとのコミカルな会話も一つの見どころになっている。

夏目漱石を敬愛する若き医師が、患者に真摯に寄り添いながら、自分の道を歩んでいこうとする姿に、そっと心を癒される物語。

『いのちの停車場』南杏子

あらすじ

長きにわたり救急救命センターで働いていた、62歳の医師である白石咲和子。ある事件の責任をとり退職し、故郷の金沢に戻り「まほろば診療所」で在宅医として働くことに。

だがそこは、これまで咲和子が培ってきた「命を助ける」現場とは違い、患者の「命を送る」医療に戸惑うことばかりだった。そして、病に倒れた自身の親の介護に向き合いながら、在宅医療について学んでいくのだが…。

おすすめポイント

都会の救命救急センターを退職し、地元の金沢に戻って訪問診療の医師として働くことになった白石咲和子。在宅医療の現場を描き、さまざまな事情を抱える患者と向き合いながら、人生の最期をどのように迎えるかを問いかけてくる。

在宅医療をテーマに、日本の医療の現実と問題点を浮き彫りにし、患者にどのように寄り添うべきかを考えさせられる作品。

『閉鎖病棟』帚木蓬生

あらすじ

長野県のとある精神科病院。死刑執行が失敗により生きながらえた秀丸。サラリーマンであったが幻聴に悩まされるチュウさん。不登校により通院している中学生の由紀。患者たちは、家族からも世間からも疎まれながらも、前を向いて生きようとしていた。

そんな平穏な日々を激変させる殺人事件が院内でおきた。彼らの日常に暗い影を落とすこの事件はなぜおこったのか。法廷でその真相が明かされていく…。

おすすめポイント

それぞれに暗い過去を抱えたものがいる精神科病院。いろいろな事情により集まりし人びとが、喜びや哀しみを分かち合いながら、ひたむきに日々を過ごしている。社会から疎まれ偏見を持たれる彼らだが、心に傷を負いながらも懸命に生き抜こうとするその姿は、現代社会の生きずらさに対する警鐘を感じずにはいられない。

社会から遠ざかった不器用な人びとが、互いに助け合いつつ日々の生活を送るさまは、心に刺さるものがある物語。

 

社会派小説

社会派小説

『罪の声』塩田武士

あらすじ

京都で紳士服のテーラーを営む曽根俊也は、ある日父の遺品のなかからカセットテープと黒革のノートを見つけた。ノートには大量の英字のほかに「ギンガ」と「萬堂」の文字が書かれていた。また、テープを再生すると、幼いころの自分の声が聞こえてきた。それは、31年前に日本を震撼させた脅迫事件に使われた男の声とまったく一緒であった…。

同じころ、大日新聞の記者である阿久津英士も、この未解決事件を追っていくことに。

おすすめポイント

グリコ森永事件をモチーフにした本作。大企業を標的にした誘拐に身代金要求、毒物混入をばらまく凶悪さに加えて、マスコミや警察を挑発して巻き込んだ劇場型犯罪。その未解決事件の真相に迫っていく新聞記者と脅迫テープの声の男。まったく立場の違うふたりが交錯し、事件の闇に挑んで苦しみ葛藤しながら、自分なりの答えを見いだしていく姿に心を揺さぶられる。

昭和最大の未解決事件に関わってしまった人びとの深淵に胸が締め付けられながらも、心に染みいる物語。

『七つの会議』池井戸潤

あらすじ

一部上場の子会社である中堅電機メーカーの東京建電。ある日、トップセールスマンであるはずのエリート課長の坂戸宣彦が、パワハラで訴えられた。社内委員会に訴えたのは、ぐうたらで有名な万年係長の八角民夫だった。問題があるのは明らかに八角にあるように見えたが、役員会が下したのは坂戸を他部署に飛ばすという不可解な人事。

この会社で一体なにがおきているのか。事態を収拾するため、万年二番手に甘んじてきた原島万二が指名された。徐々に浮かび上がる会社の深い闇に、原島も巻き込まれていく…。

おすすめポイント

さまざまな人びとの視点から、東京建電を取り巻いている人間模様を描いていく。会社で働く立場の違う人びとが苦悩や葛藤しながら、自身が思う正しきことを貫こうとする。それらの姿を通して、会社で働く上でなにを大切にすべきなのか、ということを投げかけてくる。

ひょんな人事異動から見え隠れしていく会社に隠された大きな秘密に、働く者としてどう行動すべきか考えずにはいられない作品。

『ちょっと今から仕事やめてくる』北川恵海

あらすじ

ブラック企業に勤める青山隆は、精神的に追い詰められ心身ともに衰弱していた。あるとき、電車に飛び込もうした彼を、同級生の「ヤマモト」と名乗る男に助けられた。関西弁で親しみやすいヤマモトと打ち解けた青山であったが、本物の同級生とは別人であることを知る。

彼は一体だれなのか。なぜここまで自分を気遣ってくれるのか。そこには、ある事情が…。

おすすめポイント

新社会人として企業に勤め、はじめて味わう苦悩や葛藤が描かれる本作。会社で働いていれば、理不尽に怒られることもあるし、やりたくのない仕事もあるだろう。しかし、会社のために自分の人生を犠牲にする必要はあるのだろうか。冷静になれば答えられる問いでも、日々の忙しい業務に没頭していると見失いがちな大切なことを読者に突きつけてくる。

仕事により身も心もボロボロになった主人公が、謎の男に助けられ自分と向き合い人生を見つめ直す姿が、心に残るものがある作品。

『何者』朝井リョウ

あらすじ

ひとつの部屋に集まりし男女5人。大学の演劇サークルで脚本を書いていた拓人。拓人がひそかに想いを寄せる瑞月。瑞月とは元恋人であり、拓人とルームシェアをしている光太郎。瑞月の留学仲間でいて意識高めの理香。就活はしないと宣言している、理香と同棲中の隆良。そんな5人は、理香の部屋を「就活対策本部」として定期的に集まるようになる。

SNSや面接で発言する奥深くには、それぞれの本音や自意識が見え隠れし、互いの思いが交錯しいく。やがて、彼らの関係を少しずつ変えていき…。

おすすめポイント

就活対策本部と称した部屋に集まる5人の男女。就活の難しさや焦りがリアルに展開され、将来に不安を抱きながら葛藤する日々は、読み手も息苦しくなるが共感させられる部分も多い。そのため、自分自身のおこないを見つめ直すキッカケをくれる作品でもある。

人生における大きな分岐点でもある就活をとおし、自分の弱さを見つめつつ成長していく彼らの姿は、心に刺さるものがある物語。

 

歴史・時代小説

歴史・時代小説

『燃えよ剣』司馬遼太郎

あらすじ

武州多摩のバラガキと呼ばれた、百姓の生まれの土方歳三。里で喧嘩に明け暮れていた彼は、近藤勇、沖田総司らとともに幕府の徴募にまじり京へ向かった。京都守護職御預の名のもと「新選組」を結成する。

副長である土方は、厳しい法度を定めて類まれな手腕を振るいながら、寄せ集めであった新選組を最強の集団へと導いていく。そして、その名を幕末の世に轟かせていくのだが…。

おすすめポイント

幕末の動乱において名を馳せた新選組の副長・土方歳三の生涯を描いた本作。武士に憧れを抱きながら京に上り、喧嘩師としての才に、組織作りや戦略の天性によって新選組を強化していくことに心血を注いでいく。激動の世に翻弄されつつも、己の意思を貫いていく姿に胸を熱くさせる。

田舎のならず者たちが、京の地で成り上がった苛烈なまでに時代を駆け抜けた彼らの生きざまに、誰しもが魅せられてしまう物語。

『のぼうの城』和田竜

あらすじ

ときは戦国期。天下統一を目前とする豊臣秀吉だが、落とせずにいる城があった。周囲を湖で囲まれ「浮城」の名を持った、武州の忍城。

秀吉方の石田三成が率いる約二万の軍勢にたいして、わずか五百。城代の成田長親は、武勇も智謀も将たる武勇も智謀もない、でくの坊であった。だが、なぜか領民からは好かれ、異常なまでの人気を集めていた…。

おすすめポイント

圧倒的な兵力をもって攻め込まれた武州の忍城。その城を守のは、のぼう様こと、成田長親。百姓にさえ馬鹿にされる長親だが、不思議と人望だけはある。そんな、つかみどころがない武将に、魅せられてしまう。

武勇や智謀に優れているわけでもないが、民からの絶大なる信頼を寄せられる武将の姿に、得体の知れない魅力を感じずにはいられない物語。

『八朔の雪 みをつくし料理帖』高田郁

あらすじ

幼いころに両親を水害で亡くし天涯孤独の身となった澪。やがて故郷の大阪をあとにし、江戸で上方料理をだす蕎麦屋「つる家」の料理人として働くことに。大阪と江戸の味の違いに悩まされながらも、天性の味覚をもって試行錯誤をする日々を送っていた。

そんなある日、名の知れた料理屋「登龍楼」が彼女の腕を妬んで、妨害を仕掛けてくるのだが…。

おすすめポイント

孤独の身である澪が、生まれ持った感性と負けん気で料理と向き合い、人びとに笑顔を届けていく。そんな彼女を手助けする人情味あふれる人びとに、思わず涙腺を緩めてしまう。

周囲の人びとに支えられながら、度々おとずれる困難を乗り越えていく彼女の成長に、ほっこりさせられ心温められる物語。

『天地明察』冲方丁

あらすじ

徳川四代将軍家綱の治世。「日本独自の暦」を作るというプロジェクトが立ちあがった。そんな、改暦を遂行するべく選ばれたのは渋川春海。碁打ちに長けた春海は、己の行き方に飽きを感じ、算術や天文観測に生きがいを見いだしていく。天を相手にした、彼の長い長い勝負がはじまる。

おすすめポイント

苦節と挫折を乗り越え、新しい暦を作ることに生涯を捧げていく渋川春海。そんな彼を支える人びとの想いに応えるべく、情熱を傾けていく彼の人柄に、魅せられてしまう。

江戸時代に改暦をなすべく人生をかけた勝負に挑んだひとりの青年の成長物語に、胸を躍らせてくれる作品。

『陽炎ノ辻 居眠り磐音』佐伯泰英

あらすじ

直心影流の達人である坂崎磐音。ある哀しい事件がもとで自藩を離れ、浪人の身となる。江戸深川の長屋で暮らしはじめた磐音は、ふとした縁から両替屋の用心棒として働きだす。

しかし、幕府をも揺るがす大きな陰謀に巻き込まれて、大切なものを守ため彼は立ち向かっていくのだが…。

おすすめポイント

哀しい過去を背負いながらも、穏やかでいて誰にでも優しく、おまけに剣も立つ磐音。彼の人柄と剣を握った姿のギャップに引き寄せられ、いつの間にか魅せられてしまう。また、剣での緊迫する立ち会いも見どころの一つになっている。

悲運を胸に抱えながらも、前をしっかり見据え周りの人びとを剣術で助ける彼の優しき人柄に、心を掴まれてしまう作品。

 

まとめ

どうですか、気になった書籍は見つかりましたか?

この記事を通して、少しでもあなたの読書生活が有意義なものになったら幸いです。

それでは、まったです。 (‘◇’)ゞ

 

映像化されたおすすめエンタメ小説 まとめ

ミステリー小説サスペンス小説ホラー小説SF・ファンタジー小説青春小説恋愛小説感動小説医療小説社会派小説歴史・時代小説

マスカレード・ホテル (集英社文庫)

『マスカレード・ホテル』
東野圭吾

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謎解きはディナーのあとで (小学館文庫)

『謎解きはディナーのあとで』
東川篤哉

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屍人荘の殺人 (創元推理文庫)

『屍人荘の殺人』
今村昌弘

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ファーストラヴ (文春文庫)

『ファーストラヴ』
島本理生

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告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

『告白』
湊かなえ

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陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)

『陽気なギャングが地球を回す』
伊坂幸太郎

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グラスホッパー (角川文庫)

『グラスホッパー』
伊坂幸太郎

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孤狼の血 (角川文庫)

『孤狼の血』
柚月裕子

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仮面病棟 (実業之日本社文庫)

『仮面病棟』
知念実希人

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ぼぎわんが、来る (角川ホラー文庫)

『ぼぎわんが、来る』
澤村伊智

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リカ (幻冬舎文庫)

『リカ』
五十嵐貴久

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悪の教典 上 (文春文庫)

『悪の教典』
貴志祐介

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リング (角川ホラー文庫)

『リング』
鈴木光司

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有頂天家族 (幻冬舎文庫)

『有頂天家族』
森見登美彦

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鴨川ホルモー (角川文庫)

『鴨川ホルモー』
万城目学

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図書館戦争 図書館戦争シリーズ (1) (角川文庫)

『図書館戦争』
有川浩

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時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)

『時をかける少女』
筒井康隆

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君の膵臓をたべたい (双葉文庫)

『君の膵臓をたべたい』
住野よる

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桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)

『桐島、部活やめるってよ』
朝井リョウ

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蜜蜂と遠雷(上) (幻冬舎文庫)

『蜜蜂と遠雷』
恩田陸

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夜のピクニック (新潮文庫)

『夜のピクニック』
恩田陸

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小説の神様 (講談社タイガ)

『小説の神様』
相沢沙呼

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君は月夜に光り輝く (メディアワークス文庫)

『君は月夜に光り輝く』
佐野徹夜

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恋する寄生虫 (メディアワークス文庫)

『恋する寄生虫』
三秋縋

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植物図鑑 (幻冬舎文庫)

『植物図鑑』
有川浩

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陽だまりの彼女 (新潮文庫)

『陽だまりの彼女』
越谷オサム

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私をくいとめて (朝日文庫)

『私をくいとめて』
綿矢りさ

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愛がなんだ (角川文庫)

『愛がなんだ』
角田光代

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旅猫リポート (講談社文庫)

『旅猫リポート』
有川浩

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ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫)

『ナミヤ雑貨店の奇蹟』
東野圭吾

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漁港の肉子ちゃん (幻冬舎文庫)

『漁港の肉子ちゃん』
西加奈子

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キネマの神様 (文春文庫)

『キネマの神様』
原田マハ

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とんび (角川文庫)

『とんび』
重松清

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カラフル (文春文庫)

『カラフル』
森絵都

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イン・ザ・プール (文春文庫)

『イン・ザ・プール』
奥田英朗

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新装版 チーム・バチスタの栄光 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

『チーム・バチスタの栄光』
海堂尊

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神様のカルテ (小学館文庫)

『神様のカルテ』
夏川草介

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いのちの停車場 (幻冬舎文庫)

『いのちの停車場』
南杏子

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閉鎖病棟 (新潮文庫)

『閉鎖病棟』
帚木蓬生

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罪の声 (講談社文庫)

『罪の声』
塩田武士

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七つの会議 (集英社文庫)

『七つの会議』
池井戸潤

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ちょっと今から仕事やめてくる (メディアワークス文庫)

『ちょっと今から仕事やめてくる』
北川恵海

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何者 (新潮文庫)

『何者』
朝井リョウ

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燃えよ剣(上) (新潮文庫)

『燃えよ剣』
司馬遼太郎

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のぼうの城 上 (小学館文庫)

『のぼうの城』
和田竜

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八朔の雪―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-1 時代小説文庫)

『八朔の雪 みをつくし料理帖』
高田郁

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天地明察(上) (角川文庫)

『天地明察』
冲方丁

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陽炎ノ辻 居眠り磐音(一)決定版 (文春文庫)

『陽炎ノ辻 居眠り磐音』
佐伯泰英

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