こんにちは! 予知された未来も考えものだと思ったネイネイ(@NEYNEYx2)です。
今回は、「くちびるに歌を」から7年ぶりの長編小説になる、中田永一(@adachihirotaka)さんの『ダンデライオン』を読みましたので、あらすじや感想・レビューをご紹介します。
あなたならどちらを選びますか? 予知された未来。それとも予知されていない未来。
『ダンデライオン』中田永一【あらすじ&概要】
あらすじ
11歳の僕は、目が覚めたら大人になっていた。二度読み必至の完全犯罪のような“切なすぎる”青春ミステリー。タイムリミットは、7時間。
(「BOOKデータベース」より)
おすすめポイント
頭部に強い衝撃を受けたことにより、下野蓮司は31歳と11歳の意識が一日だけ入れ替わるタイムリープの物語。
頭の中だけが交換されるので、何かものを持っていけるわけではない。 持っていけるのは情報だけなのだが、これがこの物語の面白いところでもある。
時間跳躍現象(タイムリープ)
本作品の一番の特徴ともいえる「時間跳躍現象」。
僕たちは一日を交換した。
そうかんがえるとわかりやすい。
少年時代の僕と、大人になった僕の一日が入れ替わった。
偶然に頭をぶつけた一日が存在して、その日だけ交換されたのだ。
少年時代の一日を借りて、僕にはやりたいことがある。(P34より)
タイムリープをしてどうしても、しなければならない目的がある。
ただし、元の体に意識がもどってしまう時間と場所はわかっているので、それまでに目的を達成しなければいけない。 タイムリミットは7時間である。
観測済み
ある場面を見て、そのできごとを観測したなら未来でそうなる可能性が強いのだとか。
観測された出来事は、そうなる可能性が高い。参考にできるデータがすくなすぎて、100%とは言い切れないが……。
(P42より)
時間や場所とできごとがわかっている観測点が存在する。 なんだか歴史の年表のようでもある。
どの道を進んだとしても、そのできごとが必ずおきてしまう。 この観測済みと未観測の部分が本書のエッセンスとなり、面白くしている。
ノート
大人の蓮司が子どもの蓮司と入れ替わったときに、少年時代の自分自身にあてて書きつづったノートが存在する。
それらは未来に関することで、中には折れ線のグラフもある。 少年時代の自分には理解できない記述もたくさんあるが気にしない。 そのうちに意味がわかり、ノートに記されている情報の重要性に気づくだろう。
(P56より)
20年後までの情報が書かれた予言の書のようでもある。 これさえあれば、そこに記されている未来を事前に知ることができる。
一見すると良いことずくめのようだが、全てわかってしまう人生は楽しいのか?ということも同時に問いかけているようでもある。
感想・レビュー
徐々にあかされていく蓮司が過去にもどって果たそうとしている目的。 すでに予知されている時間とそうでない時間が混ざり合い、緊迫感と臨場感を作りだしていく。
ちょっとした行動やできごとが伏線となり、後にそれらが思わぬところで回収されていき、笑みがこぼれる。
予知された未来も魅力があるが、自由な選択があり無限の可能性がまっている未来も悪くないと考えさせられる。
まとめ
タイムリープを利用して、ある目的のために行動をする物語。
あなたもこのタイムリープを経験して、観測済みの未来と観測されていない未来どちらがよいか選んでみてはどうでしょうか。
それでは、まったです。 (‘◇’)ゞ
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