こんにちは! ネイネイ(@NEYNEYx2)です。
知念実希人さんは、現役医師として培われた医療知識とミステリーを掛け合わせた作品が特徴的です。
今回はそんな、知念実希人さんの本の中から『おすすめ小説』をジャンル別にてご紹介します。
まだ、読まれていない本があれば、これを機に読んでみてはいかがでしょうか。
知念実希人おすすめ小説【ジャンル別】
知念実希人さんは、1978年10月12日生まれの沖縄県南城市出身だが、生まれて1歳になるまえに東京へ移り住み、池袋で育ちます。
2004年に内科医として勤務。4年間働いたのち内科医の認定医になってから本格的に小説の執筆にとりかかります。2011年に『誰がための刃 レゾンデートル』(『レゾンデートル』に改題して2019年に文庫化)で第4回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞して、2012年に同作で作家デビューをしています。
2018年の『崩れる脳を抱きしめて』2019年の『ひとつむぎの手』2020年の『ムゲンのi』と3年連続して本屋大賞ベスト10入りをはたしており、今もっとも注目を集めている作家になっています。
現役医師ということから医療知識には高いものがあり、病院が抱える問題、医師や患者の心情が非常にリアルに描かれ、読者が感情移入しやすい作品が多いのが特徴です。
本格ミステリー
『硝子の塔の殺人』
あらすじ
雪深き森で、キラキラ輝く硝子の塔。ミステリーマニアである大富豪の呼びかけで、刑事、霊能力者、小説家、編集者たちゲストが招かれた。やがて、この館で次々とおきる惨劇に巻き込まれていく。
館の主人が毒殺され、ダイニングでは血塗れの遺体があり、謎めいたメッセージが血文字で記されていた。この謎を追うのは名探偵の碧月夜と医師の一条遊馬だが、はたしてその真相とは…。
おすすめポイント
雪に閉ざされた山奥にたたずむガラス張りの奇妙な塔。ミステリをこよなく愛する大富豪によって、集められたゲストたちの前で惨劇が繰り返される。クローズドサークル、連続密室殺人や暗号、読者への挑戦にと、これでもかと詰め込まれた謎に夢中にさせられてしまう。
雪崩により孤立した館で、繰り広げられる謎の数々に挑んでいく名探偵と医師に、著者の本格ミステリー愛を感じさせる物語。
短編小説
『祈りのカルテ』
あらすじ
研修医である諏訪野良太は、初期臨床研修を受けるなかで、内科、外科、小児科など、様々な科をまわって医師としての基礎力を身につけようと精進していた。さまざまな科で患者たちと接していくなかで、自分がどの科を専門にするのかを決めかねていた。
おすすめポイント
洞察力に優れ、患者に寄り添うことができる良太だが、それが故に不向きな科もある。読み進めるごとに彼の人柄に触れることになり、その魅力に引き込まれていく。ひとりの研修医が患者と触れ合うなかで、自身の方向性を見出そうとしながら人として成長していく姿に、心揺さぶられる作品。
『十字架のカルテ』
あらすじ
日本でも指折りの精神鑑定医である影山司は、正確な鑑定のためなら労力を惜しまない。そんな彼の助手に志願した新人医師の弓削凛は、犯罪者の心の奥底に隠された闇と対峙することになる。究極の頭脳戦のはてに、影山だけが見ている情景とは。そして凛が精神鑑定を必死に学ぶのは、過去のできごとが関係していた……。
おすすめポイント
精神鑑定医として新米である凛が、患者の心の闇や自身の過去にふれて苦悩に苛まれながらも、一歩ずつ成長していくさまは、たくましくもあり考えさせられるものがあった。刑事裁判の論点にもなりうる精神鑑定医の仕事を通して、人の心の奥深さや難しさに、その重みを感じずにはいられない物語。
サスペンス小説
『レゾンデートル』
あらすじ
若手の外科医である岬雄貴は、自らが末期癌であることを告げられ、自暴自棄となり酒に溺れた生活を過ごしていた。あるとき、街の不良から暴行を受けた彼は、体を鍛えあげて復讐をはたすのだが、現場には一枚のトランプが残されていた。そのカードは、世の中を騒がせている連続殺人鬼「切り裂きジャック」のものと同一だった。その日から、ジャックと岬の奇妙な関係がはじまりを告げるのだが…。
おすすめポイント
人生の終わりが見えてしまったとき、人はどうあるべきなのか。病状の進行や心情にシリアスさもあるが、ある少女との出会いがそれらを変えていく。そんな情景には温かみを感じてしまう。残り少ない命をかけて、自分の「存在理由」を見出そうとする姿は、切なくも心に響くものがある物語。
『リアルフェイス』
あらすじ
麻酔科医の朝霧明日香は、恩師の紹介によって、天才美容外科医である柊貴之のクリニックで働く。お金さえ積めばどんな要求でも叶える彼のもとには、次々に奇妙な依頼が舞い込んでくる。そんなある日、朝霧はある噂を耳にした。それは、柊が4年前におきた整形美女連続殺人事件に関係しているようなのだと…。
おすすめポイント
口が悪いのだが、仕事にたいしては独自の感性で情熱を注ぎ込んでいく、そんな柊の姿はどこか惹かれるものすらある。美を創りだす芸術家のように振る舞いをみせる柊に興味を抱きつつ、4年前におきた事件の真相が気になって読み進めてしまう。
『誘拐遊戯』
あらすじ
東京の白金で女子高生が誘拐され、身代金を5000万円要求してきた。犯人は4年前の女子中学生誘拐事件で、警察を振り回した「ゲームマスター」を名乗る。そして、交渉役には元警視庁刑事の上原真悟を指名してきた。ゲームマスターに次々に仕掛けられるミッションをはたすべく、上原は東京中を走り回るのだが…。
おすすめポイント
4年前の誘拐事件ですべてを失い気力を削がれていた上原だが、ゲームマスターとの再戦に生気を取り戻して情熱の限りを費やしていく姿には感情移入させられる。真相がわかったときの衝撃が逸品のビターテイストな作品。
ファンタジー風小説
『ムゲンのi』
あらすじ
28歳の女医である識名愛衣が勤務する病院で、4人の患者が謎の病気にかかった。ひたすら眠り続ける特発性嗜眠症候群、通称イレスという奇病。愛衣は患者を同時に3人もかかえ戸惑いを感じていたが、患者には共通して発症前に心に深い傷を負って、人生に絶望していたということに気づく。愛衣は受け継がれしユタの力で、目醒めない患者の夢の世界に入り込み、魂の救済を試みていく…。
おすすめポイント
心に深い傷を負い立ち上がれずにいる者たち。そんな、自身の殻に閉じこもり前に進めずにいるものの背中をそっと後押ししてくれる物語に、心がほんのりと温かくなってくる。夢幻の世界というミステリーとファンタジーが織り交ぜられた新感覚の体験を味わうことのできる作品。
青春小説
『屋上のテロリスト』
あらすじ
1945年にポツダム宣言を受諾しなかった日本は、その後に東西を分断した。そして月日は流れて、70数年後のいま。高校生の酒井彰人は、学校の屋上で出会った同級生である佐々木沙希の「バイトする気ない?」という誘いにまんまと乗っかり、彼女の仕組んだ壮大なテロ計画に巻き込まれていく…。
おすすめポイント
表題からは物騒で重い話のように思われるがそんなことはない。沙希に振り回されている彰人を見ていると、おもいのほか心地よいから不思議だ。女子高生の沙希がこのテロ行為を画策したその思いに、心を揺り動かされる。
恋愛小説
『崩れる脳を抱きしめて』
あらすじ
研修医の碓氷は実習に訪れた病院で、脳腫瘍をわずらう女性ユカリと出会う。外の世界を恐れているユカリと、過去に苛まれる碓氷。心に傷をもったふたりは徐々に心を通わせていく。実習を終えた碓氷のもとに、ユカリの死の知らせが届くのだが…。
おすすめポイント
恋愛要素のみならず、碓氷の過去への苦悩、ミステリーありと、さまざまな要素が散りばめられて、読者を飽きさせることなく、次の展開に期待がどんどん膨らんでいく。心に傷を持ちながらも、それに向き合っていく2人の心情には感情があふれでてしまう。
ヒューマンドラマ小説
『ひとつむぎの手』
あらすじ
平良祐介は心臓外科の執刀医を志しながら、大学病院の過酷な勤務に耐えている。ある日、医局の最高権力者である赤石教授に、3人の研修医の指導を命じられる。赤石教授曰く、彼らのうち2人以上を入局させたなら、念願の心臓外科医への道が開けるという、だが失敗すれば…。さらには、赤石が論文データの捏造をしたと告発する怪文書が出回った。祐介は「犯人探し」を命じられるのだが…。
おすすめポイント
医局内での権力争いに巻き込まれながら、不器用であるが人情味ある医師がひたむきに仕事に接して背中で語る姿は、どのように仕事へ向き合うのかを問われているようにも感じる。権力闘争と日々の激務にありながら、自身が進むべき道を模索していく姿に、胸を熱くさせてくれる物語。
シリーズ小説
天久鷹央シリーズ
『天久鷹央の推理カルテ』『天久鷹央の推理カルテⅡ』『天久鷹央の推理カルテⅢ』『スフィアの死天使』『天久鷹央の推理カルテⅣ』『幻影の手術室』『天久鷹央の推理カルテⅤ』『甦る殺人者』『火焔の凶器』『魔弾の射手』『神話の密室』『久遠の檻』の12作がシリーズ作品。
このシリーズは、各作品は関連するものの続編ではなく独立した作品となっているので、どれから読んでも問題ありません。
『天久鷹央の推理カルテ』
あらすじ
小鳥遊優は、天医会総合病院に設立された統括診断部で働くことになった。そこには、各科で「診断困難」と判断された患者が集まってくる。「河童に会った」という少年、「人魂を見た」と怯える看護師、「突然赤ちゃんを身籠った」と訴える女子高生、ただただ面倒な患者でしかないと思いきや、奇怪な証言の裏には思いもよらぬ病が隠されていた…。頭脳明晰、博覧強記だが未成年にしかみえない天才女医の天久鷹央がそんな謎に挑んでいく。
おすすめポイント
鷹央にいつも振り回されてばかりの小鳥遊だが、そんな2人のコミカルな掛け合いも見どころの一つだ。小気味よいテンポ進んでいく展開と、医療の知識をおりまぜた謎解きに夢中になれる作品集。
病棟シリーズ
このシリーズは、各作品は関連するものの続編ではなく独立した作品となっている。しかしながら、『仮面病棟』を読んだ後に『時限病棟』を読むことをおすすめします。なぜなら、『時限病棟』の中に『仮面病棟』のネタバレ的なものが含まれているためです。
『仮面病棟』
あらすじ
外科医の速水秀悟は、療養型である田所病院で当直バイトをしていた。そんななか、不気味なピエロの仮面をかぶった男が、病院へと駆け込んできた。そして、自らが脇腹を銃で撃った川崎愛美を治療するよう要求してくる。男はそのまま病院に籠城して、秀悟と愛美たちは人質として監禁を余儀なくされてしまう。なんとか脱出を試みるうちに、徐々に隠されていた病院の秘密が明かされていく…。
おすすめポイント
閉鎖された病院が舞台のクローズド・サークルもの。ピエロの不可解な行動、なにか隠している感じのある院長たち、疑心暗鬼のなかで進むさまに、ハラハラドキドキが止まらなくなっていく。それはまさにジェットスターに乗ったかのごとく。次から次へと謎が押し寄せる展開にスリルと緊張で、最後まで目が離すことができず一気読みさせられる作品。
『時限病棟』
あらすじ
彼女が目を覚ますとそこは、病院のベットの上で点滴を受けていた。まわりには、見ず知らずの男女5人が集められていた。クラウンと名乗る謎のピエロからの、命がけのリアル脱出ゲームの幕があがる。タイムリミットは6時間。犯人は一体誰なのか、無事にこの廃病院から脱出できるのか…。
おすすめポイント
謎を解かないと先に進めない「脱出ゲーム」とともに、刻々と過ぎてゆく時間が掛けあわさることで、緊張感とドキドキ感がより増幅されていく。読みながら読者も一緒に「脱出ゲーム」に挑戦しているような緊張感を味わえ、ラストに待ち受ける真相に驚かされる。
死神シリーズ
『優しい死神の飼い方』『黒猫の小夜曲(セレナーデ)』の2作がシリーズ作品。
このシリーズは、各作品は関連するものの続編ではなく独立した作品となっているので、どれから読んでも問題ありません。
『優しい死神の飼い方』
あらすじ
犬の姿を借りて人間界におりたった死神のレオ。彼が派遣されたのは、緩和ケアを専門とするホスピスだった。そこで、死に目前に控えた人間たちの、この世に対する未練を救うため、レオは患者たちの過去の謎に挑んでいく。しかし、彼の行動により、患者たちは思わぬ事態に見舞われていく…。
おすすめポイント
人の感情には興味を示さず、魂を「我が主様」に導くだけだったレオが、患者たちとの関わりのなかで人の心情に寄り添っていく姿は、微笑ましくもある。抗いようのない最後のときを充実した人生で迎えれるため、奮闘していく犬の姿をした死神に、心を癒され胸がほんのり温かくなる作品。
『黒猫の小夜曲(セレナーデ)』
あらすじ
黒猫の姿となって、死神クロは地上に降臨した。この世に未練を残して地縛霊となった魂を救うのが仕事だ。記憶を失った魂と出会ったクロは、その魂を昏睡状態の女性の体に入れて、彼女の飼い猫として街の魂を救いながら、失われた記憶を探りはじめる。だが、魂たちはなぜかある製薬会社に関係する人とばかりだと気づいて…。
おすすめポイント
クロの猫ならではの仕草の数々には、ほっこりさせられる。その一方で、未練を残した魂のため奔走する姿、人びととの関わりには温かみを感じる。また、飼い主との関係も注目の一つだ。相手のことを想う気持ちの大切さに気づけるとともに、死神クロと人間との交わりに心を揺さぶられる物語。
まとめ
どうですか、気になった書籍は見つかりましたか?
この記事を通して、少しでもあなたの読書生活が有意義なものになったら幸いです。
それでは、まったです。 (‘◇’)ゞ
知念実希人おすすめ小説 まとめ
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