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『地球星人』村田沙耶香【あらすじ/感想】世の中の常識が正しいの?私が変なの?

こんにちは! ちょっと憂鬱な気分になったネイネイ(@NEYNEYx2)です。

今回は、2016年に「コンビニ人間」で芥川賞を受賞した、村田沙耶香(@sayakamurata)さんの『地球星人』を読みましたので、あらすじや感想・レビューをご紹介します。

学生を卒業したら会社に就職し、結婚して子供を作るそんな世の中に生きづらさを覚えているなら、この本を手に取ってみてはどうでしょうか。

 

目次(タップできます)

『地球星人』村田沙耶香【あらすじ&概要】

あらすじ

私はいつまで生き延びればいいのだろう。いつか、生き延びなくても生きていられるようになるのだろうか。
地球では、若い女は恋愛をしてセックスをするべきで、恋ができない人間は、恋に近い行為をやらされるシステムになっている。
地球星人が、繁殖するためにこの仕組みを作りあげたのだろう—。
常識を破壊する衝撃のラスト。村田沙耶香ワールド炸裂!

(「BOOKデータベース」より)

 

おすすめポイント

世間体を気にしながら生きていくことの苦しさ、辛さが痛いほど伝わってくる。そこから逃げ出したい気持ちも。

おかしいのは自分自身なのか、それともこの世の中なのかを考えさせられる作品。

 

家庭内での居場所

主人公の奈月は幼少期、家庭内で疎まれた存在でした。姉と比べられ出来が悪いと、さげすまれて育てられ家庭に居場所がない。

兄弟姉妹での比較されるのは、兄弟姉妹のいる家庭ではあるあるです。勉強、運動神経、恋愛、結婚、それらで比較されやすいですよね。

 もっと勉強を頑張って、大人にとって都合がいい子供になりたい。
 そうしたら、出来損ないでも、あの家から捨てられることはないだろう。
 私は野人ではないから、あの家から見捨てられたら飢え死にするしかない。

(P45より)

上記は本文中の内容ですが、こんなことを幼い子が思ってしまうなんて心が苦しくなってしまいます。

ネイネイの困り顔
ネイネイ
理解して欲しい存在に疎まれるほど、苦しいものはないですよね。

 

工場

本書の中で、人間を作り続けようとするこの世の中を「工場」と表現しています。

女性なら当然のことながら子供を産むのが当たり前だ、とした世の中を揶揄した言い方なのでしょう。

つい先日、某政治家がはっした「生産性がない」発言が物議をかもしましたが、現代では様々な考え方があり一概にこれが正しい、常識だといった内容がなくなってきているように思います。

本書では、それらの物事の多様性について深く考えさせられます。

ルーシー
ルーシー
100人いれば、100の考え方があってもいいよね。

 

普通の大人

主人公の奈月は「普通の大人」を、異常なことを平気で無視する人としています。

困っている人が目の前にいても誰も助けくれない。それどころか、罵声や人格否定をしてくると。

職業や肩書だけで、その人が「いい人である」って決めつけることも外見だけで判断して内面をみていない人が多いってことも頷けますよね。

モンブラン
モンブラン
本当に重要なのは、中身なのにな。

 

感想・レビュー

生々しい描写やダークな部分が前面にでていることで、「社会の常識」「価値観のズレ」「生きづらさ」といったメッセージがより力強くなり心に深く刻み込まれる

ただし、グロテスクな表現が苦手な人にとっては、不快な気分に陥りやすい。ラストはぶっ飛んでいるので、衝撃とするか、壊れている、となるかで意見が分かれそうです。

全体的にダークな面が多いので、コンビニ人間より読み手を選ぶ作品になっている印象がする。こちらが本来の村田ワールドなのでしょう。

ネイネイの驚き顔
ネイネイ
最後に心の中を黒く塗りつぶされた感じになりました。

 

まとめ

深い闇が全開の今作品ですが、訴えかけてくる言葉はどれもが共感できるものばかりです。

自身の価値観と、世間の価値観に疑問があるなら本作品を読んでみてはいかがでしょうか。

それでは、まったです。 (‘◇’)ゞ

 

コチラで紹介している「『コンビニ人間』村田沙耶香 / 普通って?少数派は間違いなの?」記事もよかったらどうぞ。

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この記事を書いた人

30代の元開発エンジニア。本の書評多め(ミステリ、ファンタジー、気になった本を読む雑食系)。現在は、自由な働き方で生活していけるように、日々の『喜び・怒り・悲しみ・楽しみ』を書きつづっています。

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