こんにちは! 伝えることの難しさを思い知ったネイネイ(@NEYNEYx2)です。
今回は、「告白」で2009年に本屋大賞を受賞している、湊かなえさんの『ブロードキャスト』を読みましたので、あらすじや感想・レビューをご紹介します。
挫折を味わいながらも、懸命にあらたな道を模索していく高校生に、あなたも心ふるわせてみてはいかがでしょうか。
こんな人におすすめ
- 放送部に興味があるorやっていた人
- 部活で怪我をして挫折を味わっている人
- クラスに居場所をみつけられない人
『ブロードキャスト』湊かなえ【あらすじ&概要】
あらすじ
町田圭祐は、中学生のころ陸上部に入っており、全国大会を目指す駅伝の選手だった。そののち、陸上の名門である青海学院高校に進むも、ある理由で陸上を続けることを断念する。
そんなとき、同じ中学出身の正也から誘いを受け、軽い気持ちで放送部に入学してしまう。未練が陸上にありながらも、正也や咲楽、先輩女子たちの熱意に触発されながら、放送部にのめり込んでいく。
ラジオドラマ部門で全国高校放送コンテストに出場することが目標になっていたが、部内でいろいろと問題がおきてしまうのだが…。
おすすめポイント
運動部の人が思っている文化部への偏見の目、部内での意見の相違、クラス内でのいじめ、自分の居場所がわからず周りに流される日々。
やりがいを何処に見出していくのか、その過程で自身の人としての成長、また学校という場で学ぶべきことは何なのか?っということを見つめ直すことができる作品。
放送部ってなにするの?
そもそも放送部ってなにをするのか知らない人がほとんどなのではないでしょうか?(自分もまったく知りませんでした……。)
本書では下記のようにしています。
- 学校行事の司会、撮影
- 地域行事の司会、撮影等の補助
- 作品制作
- アナウンス、朗読
この中で一番メインとなってくるのが、作品制作なのだとか。放送コンテストの全国大会があり、そこに向けて作品を制作して応募するのだとか。
放送コンテストは下記の部門があるようです。
- ラジオドキュメント部門
- ラジオドラマ部門
- テレビドキュメント部門
- テレビドラマ部門
- アナウンス部門
- 朗読部門
本日26日は #Nコン 決勝戦!ということで再び取材に伺ってきました。
『#ブロードキャスト』で物語の中心となる創作ラジオドラマ部門では、市立札幌新川高等学校の「親知らず」が優勝しました、おめでとうございます!
『ブロードキャスト』の放送部員たちにもぜひ優勝作品を聴かせてみたいですね…! pic.twitter.com/QA0VCpQaH1— 湊かなえ『ブロードキャスト』『ドキュメント』公式 (@minatobroadcast) July 26, 2018
採点競技の難しさ
放送コンテストの順位は、審査員の採点の合計で競われ得点とともに、「講評」なるものが存在します。
講評とは、説明を加えて理由をはっきりさせながら、良い点・悪い点を指摘するものです。人が審査するので、それぞれの感じ方、とらえ方に大きく左右される。
相手がなにを良い・悪いと評価する傾向にあるのか、またその時々の流行りにも気を配らないといけないのだとか。
小説でも同じ内容を取り扱ったものが乱立していたら、読者に飽きられてしまうのと同じですね。
怪我
運動部の選手にとってつきまとう問題の一つに「怪我」がある。本書の圭祐や良太も怪我に悩まされたエピソードが描かれている。選手は今この瞬間のことだけで頭がいっぱいで、その先のことなんか考えていないと。
先日までおこなわれていた、夏の甲子園。金足農業が秋田県勢として103年ぶりに決勝戦に進出し盛り上がりをみせました。
ただその裏で問題視されているのが、吉田投手の投球数です。11試合で合計1517球これはさすがに異常ですし多すぎです。将来プロに進んだ場合に肘や肩に故障をおわないか心配になってしまいます。
本作品を読むと、そういった問題にどうするべきなのかと考えさせられます。
感想・レビュー
本作品では「伝える」ということの大切さ、重要さ、そして難しさを訴えかけられる。
自分自身で想っていることがあっても、相手にキチンと伝えなければ意味がないし、変化もおきない。それが正しいおこないだったとしても……。
面と向かっていうのは難しいなら、他の方法(電話、SNS、手紙)もあるはず。あとは行動するか、しないかだけだと。
「伝える」という行動は、非常に大きな勇気のいることだけれど、それを乗り越えたときに訪れる景色をこの物語がみせてくれている。
まとめ
制作の奥深さ、難しさ、楽しさを知れる作品になっています。
イヤミスの女王が書き下ろした、青春小説の読後を味わってみてはどうでしょうか。
それでは、まったです。 (‘◇’)ゞ
「ジョジョの奇妙な冒険」等の声優として活躍されている、興津和幸さんによる本作の一部朗読が期間限定にて配信されています。
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