こんにちは! 「騙したり、騙されたる」ことについて考えさせられたネイネイ(@NEYNEYx2)です。
今回は、「虹の岬の喫茶店」がベストセラーとなった、森沢明夫(@morisawa_akio)さんの『雨上がりの川』を読みましたので、あらすじや感想・レビューをご紹介します。
人はそれぞれに悩みを抱えていて助けを求めている、そんな「人の見方」を感じてみてはいかがでしょうか。
『雨上がりの川』森沢明夫【あらすじ&概要】
あらすじ
川合淳は中堅出版社に勤めるサラリーマン。妻・杏子と娘・春香とともに、マイホームで穏やかに暮らしていた。
しかし春香がいじめにあったことで、「ふつうの幸せ」を失い、バラバラになる川合家。家族の絆を救ったのは、まさかの…。
心の隅々まであたたかさが染み渡る、家族小説の傑作!(「BOOKデータベース」より)
おすすめポイント
複数の人物が自身の視点から物語をかったっており、それぞれが想う相手がおり、それが「人とのつながり」を感じさせる。
誰と誰がつながりがあるかは、物語が進まないとわからず、それがちょっとしたミステリー風のようでもある。
霊能者
妻の杏子は、いじめが原因でふさぎ込んでしまった娘をなんとかしようと頼ったのが、「霊能者」だったのだ。
霊能者というと、なんだか怪しい、疑わしい、胡散臭い、っといったイメージが先行するかと思います。
そんな疑いの目から人は信じてしまうのか、それが救いなのか、ただ騙されているだけなのか、といった疑心暗鬼の状態で読み進めさせるところが本作品の上手さでもあり面白みでもある。
見抜く能力
娘の春香は、いじめを受けたことで嘘を見抜く能力が向上したのだとか。
わたしは嘘をついている人を見抜く能力についてはかなり自信を持っているのだ。とりわけ、いじめがはじまってからは、もう、本当にたくさんの人に嘘をつかれ、傷つけられてきたせいで、心と裏腹の言葉を口にした人の表情に関してはとても敏感なのだった。相手が大人であれ、子供であれ、わたしにはだいたい分かってしまう。
(P114より)
皮肉なものかもしれないが、表情を見抜く能力が敏感になることは人生において強い武器になる。
やましいことを隠し事をしているのか、また、相手が信用に値するのか判断ができるということになります。
いじめという過去は消えないが、それによって得られたものも存在する。 負の面は大きくとも、その経験はきっと次にいきてくると説いているようでもある。
紫陽花(あじさい)
紫陽花についての豆知識が語られている場面があります。
「紫陽花は、置かれた環境によって花の色を変えるから、それが人間みたいで親しみ深いんですって」
(P180より)
紫陽花は土壌の状態で、花の色が変化するのだとか。
ここではビジネスの話と結びつけていますが、人間関係でも同じように思われます。 相手の状況しだいで、こちらがそれに対応する。 うまく情報を察知できるかで良好な関係を築けるかが決まる。
紫陽花の見る目がちょっと変わってしまう雑学に、明日の話のネタを手に入れた気分になってしまいますね。
感想・レビュー
いじめ問題により心に傷を負ったものが、苦しみ、悩み、ふさぎ込んでいく。 どうにかその暗闇から救い出そうと模索する中で、騙したり騙されてしまう。
傷つける人も、騙す人も、それぞれが問題を抱え、それに向き合い苦しんでいるのではないかと。
それらは「ものの見方をかえることで、見えてくる」と教えられ、心の弱ったものにそっと寄り添える大人に一歩近づけた気にさせてもらえる。
まとめ
傷つけるもの、騙すもの、それらの人にも苦悩があるのではと、物事を別の視点から考えることのできる物語。
あなたもこの本で「人の見方」を学んでみてはどうでしょうか。
それでは、まったです。 (‘◇’)ゞ
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