こんにちは! 研究者のあるべき姿を考えさせられたネイネイ(@NEYNEYx2)です。
今回は、2012年「舟を編む」で本屋大賞を受賞した、三浦しをんさんの『愛なき世界』を読みましたので、あらすじや感想・レビューをご紹介します。
研究者って普段どんなことをしているの? また、何が楽しくてそんなことしてるの? って思ったことあるなら、この本で研究者の日常を感じてみてはいかがでしょうか。
『愛なき世界』三浦しをん【あらすじ&概要】
あらすじ
恋のライバルは草でした(マジ)。洋食屋の見習い・藤丸陽太は、植物学研究者をめざす本村紗英に恋をした。
しかし本村は、三度の飯よりシロイヌナズナ(葉っぱ)の研究が好き。
見た目が殺し屋のような教授、イモに惚れ込む老教授、サボテンを巨大化させる後輩男子など、愛おしい変わり者たちに支えられ、地道な研究に情熱を燃やす日々…
人生のすべてを植物に捧げる本村に、藤丸は恋の光合成を起こせるのか!?
道端の草も人間も、必死に生きている。世界の隅っこが輝きだす傑作長篇。(「BOOKデータベース」より)
おすすめポイント
円服亭で見習い料理人の藤丸陽太と、植物の研究をしている本村紗英の「愛のかたち」をそれぞれの立場から描かれている。
とくに研究に情熱を捧げる者の内面が、ちょっぴり知ることができた気分にさせてくれる内容になっています。
個性的なキャラクター
黒いスーツを着ていて殺し屋のような見た目の教授、おイモに魅せられた教授、サボテンのトゲを研究している院生、など個性が強い登場人物が多いです。
それらが、物語にスパイスを与えています。 研究者には変人が多いというイメージが、こういう設定になっているんでしょうかね。
広い視野
研究に夢中なだけではダメという場面があります。
『すぐに結果が出て、ひとの役に立つ研究以外は、すべて無駄であり無意味である』という悪しき成果主義、功利主義が、世の中を覆いつくしてしまうからです
(P152より)
スピードと結果を求められる現代社会。 この研究にどういった意義があるか問い、それを周りの人にも理解してもらう必要性がある。というのは感慨深いものがあった。
自分がやりたいこと、興味があることがあっても、それをサポートしてくれる人に説明するのも大切だと。
ミスや失敗
研究につきまとう問題の一つの「ミス」や「失敗」。 人がおこなうことなので絶対はありえないものの、研究の現場でそれは致命的な問題になりえます。
本書でもミスをしてしまった話があります。 仕事でミスや失敗をしたときの対処法には、社会人なら誰しもが悩んだ経験があるのではないでしょうか。
起きてしまったことを一人でくよくよ考えても、事態は好転しないとしています。 それよりも、もっとできることがあるでしょっと。
感想・レビュー
恋愛がメインというよりは、植物の「研究者の日常」がおもに描かれているストーリーになっている。
研究者の日常を描くことで、研究者がどういったことを普段していて、その研究のどこに、喜び、難しさ・苦悩、葛藤を感じているのかを表現している。
研究者としての心得や大切なことが何なのかを物語をとおして教えてもらえる作品。
まとめ
植物の研究にすべてを捧げる者の日常と、そんな人に恋心をいだいた者の物語。
あなたのパートナーが研究や開発にたずさわる人なら、その人の「仕事への想いや考え方」を理解するための糸口にしてみてはどうでしょうか。
それでは、まったです。 (‘◇’)ゞ
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