こんにちは! ネイネイ(@NEYNEYx2)です。
今回は、原書房より発行されている『2021本格ミステリ・ベスト10』の国内編&海外編のあらすじをご紹介します。
まだ、読まれていない本があれば、これを機に読んでみてはいかがでしょうか。
【歴代リンク】本格ミステリ・ベスト10
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『2021本格ミステリ・ベスト10』のあらすじ紹介【国内編&海外編】
対象作品
2019年11月~2020年10月の作品が対象
国内編
10位『エンデンジャード・トリック』門前典之
あらすじ
百白荘のゲストハウス、キューブハウスから施工業者が転落して死亡した。転落事故として処理されたが、翌年本館で設計者の首吊り死体が発見される。
五年後、キューブハウスには多くの客が集まっていた。その中には二件の未解決事件を解明する依頼をうけた蜘蛛手がはいっていた。
9位『法廷遊戯』五十嵐律人
あらすじ
ロースクールに通って法曹の道をこころざす、久我清義と織本美鈴のふたり。 そんな彼らに、過去のできごとを告発する差出人のわからぬ手紙が届き、やがて周囲で不可解な事件がおきていく。
事件を解決するべく清義は、ロースクールの天才と称される結城馨に相談を持ちかける。真相に迫る3人であったが、事態は予期せぬ方向に動きだし彼らの運命を翻弄していくのだが…。
おすすめポイント
ロースクール内で流行っていた「無辜ゲーム」。学生同士での揉め事を模擬法廷にて争わせて、審判者に扮した結城が判断した犯人に罰をいい渡す。この前半の無辜ゲームが、後半に待ち受ける現実の法廷への伏線となり、過去のある事件へと繋がる展開に魅せられ引き込まれていく。
司法の抱える問題を浮かび上がらせ、制裁と救済を問いつつも、緻密に練られた構成と謎解きを堪能できる法廷ミステリー。
8位『鶴屋南北の殺人』芦辺拓
あらすじ
「わたしが取り返してほしいものとは…鶴屋南北なのです」不可解な依頼から事件に巻き込まれた森江春策。大道具の上に突如現れた男、振り子のような死に様、紙吹雪の中の女…
鶴屋南北に操られているかのような連続死と芝居そのものの謎を追い森江は奮闘するのだが…。
7位『欺瞞の殺意』深木章子
あらすじ
無実であるが自白をし服役していた元弁護士が、仮釈放されたのち「往復書簡」が事件の関係者に届いた。そのことで、事件は根底から崩れることとなる。
やがて、毒入りチョコレート事件をめぐり推理合戦が繰り広げられ、真相に近づいていくのだが…。
おすすめポイント
犯人として服役した元弁護士の治重。40年後、橙子のもとに、仮釈放した治重から事件の真相を記した手紙が届けられる。ふたりの往復書簡から推理合戦が繰り広げられ、一気に読み手を惹きつけていく。
解決したはずの毒入りチョコレート事件が、ひとつの手紙から思わぬ方向へと物語を導いていき、二転三転するストーリーに読み応えを感じられる作品。
6位『ワトソン力』大山誠一郎
あらすじ
目立った手柄もないのに、なぜか警視庁捜査一課に所属する和戸宋志。行く先々で起きる難事件はいつも、居合わせた人びとが真相を解き明かす。それは、和戸が謎に直面すると、そばにいる人間の推理力を飛躍的に向上させる特殊能力、「ワトソン力」のおかげだった。殺人現場に残されたダイイング・メッセージ、雪の日の不可能犯罪、バスジャックされたバス内の死体…。
4位『たかが殺人じゃないか』辻真先
あらすじ
昭和24年。学制改革により、男女共学の新制高校3年生になった風早勝利。たった1年だけ送ることになった高校生活。その夏に、勝利の属している推理小説研究会の顧問の勧めで、映画研究会と合同で1泊旅行をすることに。顧問と生徒の男女5名で近くの温泉へ向かった。
しかし、そこで密室殺人事件に遭遇してしまう。さらに夏休み最終日の夜に、台風が迫るなかで不可解な殺人事件がおきてしまった。那珂一兵に手助けてもらいながら、勝利はこの事件の謎に挑んでいく。
おすすめポイント
戦後まもなく始まった男女共学に戸惑いながらの高校生活。そんな初々しい生徒たちが、出かけた夏合宿で遭遇する殺人事件。戦争の爪痕がまだ色濃く残っている時代背景を感じながら、トリックや伏線へのこだわりを愉しめる。また、タイトルに込められた意味も一つの見どころになっている。
戦後の混乱する日本を体験してきた著者ならではの技巧を堪能しつつ、その時代を生きる生徒たちの青春を味わえる物語。
4位『楽園とは探偵の不在なり』斜線堂有紀
あらすじ
2人以上殺した者は、天使によって地獄におとされる世界。探偵を営んでいる青岸焦は、大富豪の常木王凱に誘われて、天使が集まる常世島を訪れる。
だがそこで、おきないはずの連続殺人事件が発生してしまう。なぜ犯人は地獄におちず、犯行を続けられるのか。事件を解決すべく青岸は、謎の真相を追いかけていくのだが…。
おすすめポイント
天使が降臨し、2人以上殺した者は地獄に引きずり込まれる世界。そんな中で、孤島に集められた人びとが次々に殺される、連続殺人がおこる。神の存在に、正義とはなにかを問いただしつつ、世界の不条理を嘆いているようにも感じさせながら、この世界観ならではのトリックに魅入ってしまう。
特異な設定とクローズドサークルを掛け合わせて作り上げられた世界観を味わいながら、世の中の理不尽さを考えさせられる物語。
3位『名探偵のはらわた』白井智之
あらすじ
名探偵の浦野灸に憧れて、浦野探偵事務所で働いている青年の原田亘こと「はらわた」。岡山にある寺で、6人の死者がでる放火殺人事件が発生した。
警察からの協力要請で、名探偵の浦野と助手のはらわたと共に捜査をはじめたが、事態は思わぬ展開になり…。
おすすめポイント
昭和の7つの事件をモチーフに、凶悪殺人犯たちが鬼となり蘇り、名探偵と対決することになる本作。奇抜な設定をいかしながら、細部にまで道筋をたて、切れ味のするどいトリックを堪能できる。また、助手から事件を通して成長していく主人公の姿は、微笑ましく思えてしまう。
人びとを震えあがらせた昭和の殺人鬼が現代に蘇る、という特殊設定ならではの仕掛けを存分に味わえる作品。
2位『蟬かえる』櫻田智也
あらすじ
16年前、ボランティアで被災地をおとずれた青年が、神社で少女の姿を見かける。あれは、行方不明になっていた少女の幽霊だったのか…。(「蟬かえる」)団地の一室で倒れた母親と、そこからすぐ近くの交差点で事故にあった娘。彼女たちに一体なにがあったのか…。(「コマチグモ」)
昆虫オタクのとぼけた青年の魞沢泉が、人間の悲しみや愛おしさが秘められた事件を解き明かしていく、5つの連作短編集。
おすすめポイント
事件で「本当はなにが起こったのか?」を愉しむホワットダニットの本作。人びとの思いが生みだした悲劇に、やるせなさと切なさを抱かせ、独特な余韻を残していく。また、とぼけた探偵役の魞沢くんだが、人びとの心に寄り添いながら、温かみを感じさせる姿が味わい深くある。
物語のなかに自然になじませている伏線と、事件で「なにが起きたのか」意外な真相を味わい尽くせる作品集。
1位『透明人間は密室に潜む』阿津川辰海
あらすじ
透明人間が存在する世界でおきた密室殺人。(「透明人間は密室に潜む」)裁判員として集めれられた男女6人には意外な共通点があり。(「六人の熱狂する日本人」)脱出ゲームが開催されているクルーズ船内に閉じ込められてしまい…。(「第13号船室からの脱出」)
特殊設定の状況下において、巻き起こる事件を描いた4編の短編集。
おすすめポイント
バラエティに富んだ4編の短編からなる本作。透明人間がいる世界で繰り広げられる倒叙ミステリーや、裁判員たちの法廷劇があることから議論が思わぬ方向に進んでいくコメディに、船の上でおこなわれる脱出ゲームに事件を絡めた緻密なロジックを味わえる、色とりどりの短編集。
奇抜なアイデアを利用し、一味も二味も違う謎解きを体験することのできる、特殊設定ミステリーを詰め込んだ作品集。
海外編
10位『時計仕掛けの歪んだ罠』アルネ・ダール
あらすじ
15歳の少女3人の連続失踪事件を追うベリエル。目撃の通報を受けて急行するも、3度とも現場はもぬけの殻で、彼は苛立ちを募らせていた。事を荒立てたくない上司の警告をよそに、殺人事件だと確信し捜査に執念を見せるベリエルはやがて、それぞれの現場写真に映る不審な女に目をつける。緊迫の攻防、息を呑む逆転劇、衝撃の真相……。
9位『ザリガニの鳴くところ』ディーリア・オーエンズ
あらすじ
1969年、ノースカロライナ州の沼地で、男の死体がみつかった。人びとは「湿地の少女」に疑いの目を向ける。
6歳で家族に見捨てられたカイアは、そのときから1人で生きていかねばいけなかった。村人たちに「湿地の少女」と呼ばれ蔑まれつつも、彼女は自然のままに生物が生きる「ザリガニの鳴くところ」へと思いをはせ静かに暮らしていたが…。
8位『死んだレモン』フィン・ベル
あらすじ
酒に溺れた末に事故で車いす生活となったフィンは、今まさにニュージーランドの南の果てで崖に宙吊りになっていた。隣家の不気味な三兄弟の長男に殺されかけたのだ。フィンは自分が引っ越してきたコテージに住んでいた少女が失踪した、26年前の未解決事件を調べており、三兄弟の関与を疑っていたのだが…。
7位『カメレオンの影』ミネット・ウォルターズ
あらすじ
アクランド英国軍中尉はイラクで爆弾によって頭に重傷を負い、片目を喪失する。病院での彼は他人に触れられると暴力的になり、看護師たちを戸惑わせていた。
退院後、彼はロンドンに住み始める。だがアクランドともめた高齢の男がその後に何者かに襲われ、彼は警察に拘束される。近隣では、3人の独り暮らしの男性が殴殺される連続殺人が起きていた。アクランドはその事件にも関係しているのか……。
6位『指差す標識の事例』イーアン・ペアーズ
あらすじ
1663年、クロムウェルが亡くなったのち、王政復古によりチャールズ2世の統治がはじまりしイングランド。そんなとき、オックスフォードで大学教師の毒殺事件がおき、世間の関心を集めていた。
当初はありふれた動機の事件と目されていたが、その裏には国家を揺るがしかねない驚くべき真相が隠されていたのだが…。
5位『死亡通知書 暗黒者』周浩暉
あらすじ
ベテラン刑事が刺殺体となり発見された。それは18年前の事件の連続殺人鬼〈エウメニデス〉と同一の手口であった。法の裁きを免れた罪人をネットで募り、「死亡通知書」を送りつけてくるシリアルキラー。
挑戦状を受け取った刑事の羅飛は、〈エウメニデス〉を追い詰めるべく奔走していくのだが…。
3位『ストーンサークルの殺人』M・W・クレイヴン
あらすじ
英国カンブリア州に点在するストーンサークルで次々と焼死体が発見された。犯人は死体を損壊しており、三番目の被害者にはなぜか停職中の国家犯罪対策庁の警官ワシントン・ポーの名前と「5」と思しき字が刻みつけられていた。
身に覚えのないポーは処分を解かれ、捜査に加わることに。しかし新たに発見された死体はさらなる謎を生み、事件は思いがけない展開へ…。
3位『殺人七不思議』ポール・アルテ
あらすじ
「探偵のなかの探偵オーウェン・バーンズが、お力添えにまいりました」密室で生きたまま焼かれた灯台守。衆人環視下で、虚空から現れた矢で体を射抜かれた貴族。
「世界七不思議」になぞらえた予告殺人の捜査に乗り出したオーウェン・バーンズは、「犯人を知っている」との報せを受ける。ある令嬢を巡る恋敵であった二人の青年が、互いに相手こそが犯人だと名指ししたのだ。
令嬢は彼らにこう言ったという。「わたしを愛しているなら人を殺してみせて。美しい連続殺人を」。
2位『網内人』陳浩基
あらすじ
ネットのいじめが原因で、アパートの22階から飛び降り自殺した中学生の妹シウマン。ハイテク専門の探偵アニエに捜査を依頼して、妹の死の真相を探ろうとする姉のアイ。
やがて、ふたりは自殺に追い込んだ犯人を暴きだし、真相に迫っていくのだが…。
おすすめポイント
ネットの誹謗中傷を苦にして亡くなった妹。彼女を追い込んだ犯人を捜しはじめる、姉のアイと凄腕ハッカー探偵のアニエのふたり。その中で、浮き彫りとなる貧富の格差やインターネットの闇、いじめにと現代社会に潜んでいる問題に考えさせられるものがある。
情報化社会である現代に埋もれている闇を描きながら、善と悪を痛烈に問いかけてくるサイバーミステリー。
1位『その裁きは死』アンソニー・ホロヴィッツ
あらすじ
誠実なことで評判の弁護士が殺害される。現場の壁には、ペンキで乱暴に描かれた数字の「182」があった。被害者が殺される直前に残した謎の言葉。
脚本した『刑事フォイル』の撮影に立ち会っていたホロヴィッツは、元刑事の私立探偵であるホーソーンに、この奇妙な事件の捜査に引きずり込まれ…。
おすすめポイント
敏腕の離婚弁護士がワインのボトルで殴打され殺害された。そして、探偵ホーソーンにより捜査に引きずりこまれ、振り回されることになるホロヴィッツ。各所にヒントが散りばめられ、誰が犯人なのか読み手は謎解きに夢中にさせられる。また、著者の作家以外の脚本家としての活動をまじえ、現実と虚構をうまく融合させた独自の世界観は、見どころの一つになっている。
探偵ホーソーンと作者自身ホロヴィッツが謎に挑む、王道の犯人当てミステリーを心ゆくまで味わえる、『メインテーマは殺人』に続くシリーズ第2弾。
まとめ
どうですか、気になった書籍は見つかりましたか?
この記事を通して、少しでもあなたの読書生活が有意義なものになったら幸いです。
それでは、まったです。 (‘◇’)ゞ
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